[バンクーバー 23日 ロイター] – 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の孟晩舟最高財務責任者(CFO)が昨年12月、カナダ・バンクーバーの空港で米当局の要請により逮捕された法的経緯を巡り、カナダの司法長官は、同国の警察や国境警備当局の対応が不適切だった証拠はないと主張した。23日に公表された裁判所への提出文書で述べた。
孟氏はこの日、弁護士とともにバンクーバーの裁判所に出廷し、逮捕時の状況に関するより詳しい情報を開示するよう求めた。孟氏の弁護団は、カナダ当局が入国審査を装って同氏を不当に尋問したと主張し、米国への身柄引き渡し手続きの中止を求めている。
情報開示に関する審理は今週25日まで行われた後、9月30日に再開される予定だが、身柄引き渡し審理の開始は、来年1月まで予定されていない。
裁判所への提出文書で、カナダの司法長官は「カナダもしくは外国の当局者の行為によって、引き渡し手続きの公正が妨げられた証拠はない」と指摘。孟氏側に対し、すでに逮捕時に関する広範な情報を提供しているとし、「追加の情報を開示しても何ら目的を果たさない」と主張した。
孟氏側にすでに開示されている情報には警察や国境警備当局者による手書きのメモや空港での映像が含まれているという。
孟氏の弁護士リチャード・ペック氏は23日の審理で、カナダの国境警備当局が同国の警察および米連邦捜査局(FBI)と情報を共有する目的で、入国審査を口実に孟氏を尋問し、「秘密の犯罪捜査」を行ったと主張した。
カナダの司法長官はこれに対し、提出文書で、国境警備当局は孟氏と同氏の所持品に対する「入国審査のための法的権限」に基づいて行動したとしている。
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