悪魔が世界を統治している 九評編集部:悪魔が世界を統治している

第九章:共産主義がしかけた経済的な罠(上)

2020/01/15
更新: 2024/11/08

目次

序文

1.先進欧米諸国:こっそりと実施される共産主義
a. 高い税金と寛大な社会保障
b. 政府の積極的な経済介入
c. 共産独裁体制へのステップ―社会主義経済

2. 暗黒の社会主義―中国共産党
a. 中国経済:共産支配の締め付け
b. 中国の経済成長の真相
c. 中国型経済成長の末路

3. 社会主義による先進国の荒廃
a. 東ヨーロッパに出没する社会主義
b. 発展途上国で失敗した社会主義経済

参考文献

 

序文

150年前、カール・マルクスは『資本論』の中で、私有財産を廃止し、代わりに国有化することを主張した。1世紀が経ち、共産主義の国有化政策を実施する国は世界の3分の1を占める。

1991年のソ連邦崩壊前後、多くの東ヨーロッパ諸国が資本経済へ移行するための「ショック療法」を導入した。共産党政権ではなかった国々も多かれ少なかれ社会主義を実施していたため、早急な市場改革を迫られた。

共産主義や社会主義経済を放棄した国々を見ると、共産邪霊の企みは一見、失敗したかのように見える。しかし、現実はそんなに単純ではない。邪霊のルールは変幻自在である。その手法や形式は継続的に変化し、各状況に合わせて実行する。ある政策が批判されたり、廃止されたりしても、それは次の目的のための布石である。経済において、これほど典型的な例はないだろう。

共産邪霊は世界征服のために、ずっと前から攻撃を開始している。現行の経済システムと、その背後にある実態を詳細に分析してみれば、共産邪霊が隅々にまで張り巡らした入念な按排に気づくはずである。希望を与えるような計画や政府への盲信が膨張すれば、世界はますます自由市場経済から遠ざかる。各国は基本的な道徳を失い、共産主義に引き寄せられていく。われわれは現実に目覚め、早く対抗措置を取るべきである。

 

1.先進欧米諸国ーこっそりと実施される共産主義

マルクスは『共産党宣言』の中で、共産主義の理論は一言で要約できると述べた。つまり、私有財産の廃止である。個人的には、「ブルジョワジー(資本家階級)の個性、ブルジョワジーの自立、ブルジョワジーの自由の廃止」を意味する。社会的には、「プロレタリアート(労働者階級)がその政治的優位な立場を利用して、徐々にブルジョワジーから資本を奪い、生産機関を国家に集中させること。つまり、支配階級であるプロレタリアートが掌握する」ことである。【1】

この目的のために共産国家で繰り広げられたのは、暴力と大量虐殺である。しかし、暴力的な共産主義が嫌悪されるようになると、今度は別の形式(社会主義)が考案された。この「社会主義」は変貌しながら社会の隅々に浸透したため、それを識別することは非常に難しい。

欧米諸国が実施している経済政策は一見、社会主義とはなんの関係もないように見える。形式も名前も「社会主義」とは言わないが、その中身は規制、弱体化、私有財産の略奪である。それは自由企業を弱め、政府の権力を増大し、社会主義へと誘導する。主な手法は、高い税金、寛大な社会保障、過剰な政府の干渉である。

 

a. 高い税金と寛大な社会保障

共産主義国家あるいは欧米の社会主義経済の主な特徴は、充実した社会保障である。共産国から欧米に来た移民が感じるのは、他の形の社会主義国家が存在することである。

 

隠蔽された社会主義

どの国家においても、政府自身が価値を創造するわけではない。むしろ、政府は羊の毛を皆で共有するだけである。すべての社会保障は最終的に人々の税金あるいは国家の借金で賄う。高水準の社会保障は共産主義の別の形式であり、共産党による暴力的な革命がないだけである。

高い税金とは、私有財産を没収して再分配する仕組みであり、それは強制的で大規模に行われる。同時に、それは徐々にこっそりと私有財産をなくしていく潜行的な手段でもある。

言い換えれば、高い税金とは、共産主義が勧める国有化および平等主義と全く同じである。両者の違いは、国有化が生産前か、後かの点だけである。共産主義の計画経済のもとでは、生産材料は国家が管理する。一方、欧米では、生産は個人が管理できるが、その収益は税金という形で国家が吸収し、再分配される。どちらにしても、他人の富を奪い、占有する行為である。欧米諸国では、この手法が殺人や暴力を使わずに、民主主義や立法制度によって合法的に成立する。

自然災害や事故の犠牲者を救済する一時的な社会保障は妥当である。しかし、政府がこの社会保障制度を理由に嘘をつき、税金引き上げの根拠にするという弊害がある。寛大な社会保障制度は共産主義経済と同じく、人々に苦痛をもたらし、社会と道徳を破壊する。共産主義経済は人間の悪の部分を引き出す。邪霊が共産主義経済を世界中で宣伝するゆえんである。この邪悪な経済観念は、共産国家のみならず、自由社会でも推進されている。

 

高い税金

先進欧米諸国で実施されている社会保障は、個人の私有財産から徴収した税金で賄い、その支出は国家予算の大部分を占める。これほど気前のよい給付金を維持するために、他の方法はない。

アメリカでは、税収入の半分以上が社会保障と医療保険に支払われている。80%以上は所得税や社会保障税で賄い、11%は法人税である。【2】 より包括的な社会保障を実施する多くのヨーロッパ諸国は、アメリカの水準を超える。

経済協力開発機構(OECD)が2016年に発表した経済市場調査によると、所得税率が30%を超える国は27カ国だった。最大税率を記録したのはヨーロッパの2カ国で、それぞれ54%と49.4%に上る。さらに、多くのヨーロッパ諸国の飲食や商品の付加価値税は最高で20%だった。【3】 法人税やその他の税金がすべての値段に上乗せされているのだ。

他のデータによると、1900年当時、15カ国のうち7カ国のみが所得税を徴収し、そのうちの最大税率はイタリアの10%だった。オーストラリア、日本、ニュージーランドは5%だった。しかし、1950年までに、20カ国の平均最大税率は60%を超えるようになった。その後、徐々に下がって今日ではおよそ40%である。【4】

高い税金は富裕層に負担をかけるだけではなく、貧困層も罰を受ける。富裕層は税金から逃れるためのあらゆる法的手段があるが、貧困層は働けば働くほど、社会保障の利益を受けられなくなる。収入が一定の基準を超えたら、受給の権利を失うからだ。つまり、懸命に働けば、罰が待っているという訳だ。

 

高水準の社会保障

1942年、イギリスの経済学者ウィリアム・ベヴァリッジ(William Beveridge)は、「人間の需要をすべて包括する」福祉国家を提唱した。今日、高水準の社会福祉国家が提供するサービスは、失業保険、医療保険、労災、年金、住宅手当、教育、保育など多岐にわたる。それは、貧困にあえぐ人々の救済といった伝統的な慈善行為とはかけ離れている。

ヘリテージ財団が発表した報告書によると、2013年、アメリカの3分の1を占めるおよそ1億人以上が1人当たり9千ドル相当の社会保障給付金(社会保障と健康保険を除く)を受け取った。【5】 アメリカ合衆国国勢調査局によれば、2016年、およそ12.7%の人口が貧困最低ラインを下回ったが、彼らの生活事情は驚くべきものだった。

政府の調査によれば、貧困層の保護者のうち96%が、子どもたちがお腹を空かせたことはないと回答した。貧困層のおよそ50%が一戸建てに住み、40%が団地に住んでいると回答した。移動式住宅に住む人は9%に留まった。80%の家にエアコンがあり、5分の2が大型の液晶ディスプレイテレビを所有していた。また、貧困家庭の4分の3は車を所有している。【6】 これは、社会保障を拡大するために大勢の人々を「貧困層」の範疇内にくくりつける意図的な操作である。

アメリカの社会保障の水準はOECD諸国の平均を下回る。北欧やその他の欧米諸国は、もっと寛大だ。例えば、デンマークでは、最も裕福な市民でさえ医療保険や大学教育などさまざまな「ゆりかごから墓場まで」の無料サービスを享受できる。

経済破たんする前のギリシャも、14カ月分の給料、61歳の定年制、給料の90%同等の年金など寛大な社会保障制度を実施していた。福祉国家として有名なスウェーデンでは、最長550日の病欠が保障されている。

緊急事の救済措置として行われていた伝統的なチャリテイー(慈善行為)が、全国民に提供される継続的な無料サービスに切り替わった。これはまさに、邪霊が共産経済を人類に押し付けるための計画の一部である。

 

社会福祉ー腐敗が蔓延し、貧富の格差が広がる制度

経済的な観点から言えば、社会福祉とはつまり他人から金を取ってきて、その価値を転換して他の人に配る行為である。一方、再分配をするのは政府であるため、「収入を得るために働く」という理論が成り立たなくなる。この基本的な理念に欠けているのが、特に北ヨーロッパである。

スウェーデンの学者ニマ・サナンダジ(Nima Sanandaji)は、世界価値観調査を用いて、その矛盾点を指摘している。1980年代初頭、82%のスェーデン人と80%のノルウェー人が「受益する権利がない人は、政府の無料サービスを受けてはいけない」という原則に賛成していた。しかし、2005年と2008年に行われた調査によると、61%のスウェーデン人と56%のノルウェー人が賛成すると答えた。【7】

寛大な社会福祉制度のもとでは、懸命に働く人ほど報酬は減り、勤勉さに欠ける人ほど利益を得る。このシステムは、徐々に伝統的な道徳を歪めていく。大きな政府と高水準の社会福祉のもとで育った世代は、勤勉さや自立心、責任感を失い、先人の努力を無駄にする。彼らは社会保障に甘え、当然の権利だと主張するようになる。習慣的に政府に依存し、まるで人質をとったかのように援助にしがみつく。社会的な価値観は取り返しがつかないほど逸脱する。まるで湯につかっているカエルのように、共産主義は充実した社会保障という名目で、人々の倫理道徳を緩やかに抹殺している。

高水準の社会保障が壊すのは道徳だけではない。富める者が困窮している者を助け、あるいは施しを受けた者が他人の親切に感謝するといった古来の助け合いの機会をも奪った。

伝統的な社会では、チャリティー(慈善行為)は個人の選択によるものだった。人々は善意から貧者に金銭を与えたり、あるいは教会に寄付したりして社会に貢献した。そこには、与える者と与えられる者の明確な区別があり、施しを受けることは特権ではあっても、権利ではなかった。施しを受けた者は人々の親切に感謝し、チャリティーの助けを借りながらも自助の精神を忘れなかった。また、チャリティーに恩を感じた人は、後に困っている人たちを助けるようになった。

フランスの思想家アレクシ・ド・トクヴィル(Alexis de Tocqueville)は、寛容と感謝を融合したものがチャリティーであり、それは相互に作用しながら社会の道徳を向上させる機能があると指摘した。また、与える者と与えられる者との区別があれば、富者と貧者の間にある矛盾や憎悪が緩和される。なぜなら、それぞれは異なる社会層に属しているからである。【8】

一方、拡大した現代の社会保障制度は、与える者と与えられる者の関係性を希薄にさせる。複雑な官僚システムにより、誰が与える者で、誰が与えられる者なのかも分からない。今日の「与える者」は、自分の富を無理やり取り上げられた納税者である。一方、社会保障から与えられる者は納税者を知らず、彼らの犠牲に対して感謝することもないのである。

トクヴィルは、社会保障が貧富の対立を悪化させたと述べている。自分の富を強制的に徴収された納税者は、社会保障の受給者たちに憎しみを抱くようになる。一方、受給者もそれを当然の経済的権利と認識するようになり、さらに利益を欲しがるようになる。トクヴィルは、「一方の階級は世界を恐怖と嫌悪の目で見るようになり、もう片方は彼らの不運を絶望と嫉妬と共に認識する」と述べた。【9】

共産党は膨張した社会福祉制度を利用し、人々を嫉妬させて政治闘争に巻き込み、同時に国民の道徳と調和を乱す。記憶に新しいのはギリシャのケースである。ギリシャでは、富者と貧者ではなく、中間層と上流層の対立が起こった。エコノミスト誌はギリシャ官僚の話として、脱税は上流階級の「国民的スポーツ」だったと報じている。【10】ギリシャ政府は減少する税収を賄うために巨額の負債を抱え、ヨーロッパ諸国のレベルの社会保障を維持していた。これもすべて、有権者を満足させるためだった。

財政が破たんしたギリシャ政府は社会保障費を削減しようとしたが、国民からの断固とした反対に遭った。国民は富裕層を標的にし、彼らからより高い税金を徴収するよう求めたのである。ギリシャ政府は頭を抱えているが、問題は解決されていない。

社会保障は伝統的な人間の職業倫理を破壊する。国民は、自分が稼いだわけでもないお金を当然の権利として受け取るようになる。勤勉さが失われたら、経済全体が損失を受けるのだ。

2010年、マーティン・ハラ(Martin Halla)、マリオ・ラックナー(Mario Lackner)、フレデリック・シュナイダー(Friedrich G. Schneider)ら経済学者たちが実践研究に基づき、社会保障は長期的に見て、人々の勤勉さを削ぐというデータを発表した。このような結論は、長期間の調査を経て導きだされるものである。彼らは、高水準の社会福祉国家は健全な経済活動にとって有害であると結論づけた。【11】

 

貧困文化

2012年、ニューヨーク・タイムズ紙は「子どもの無学から利益を得る」というタイトルの特集記事を掲載した。アメリカ東部アパラチア山脈に居住する貧困家庭を対象とした社会保障制度についての記事である。

記事によれば、多くの家庭は給付金を得るために、子どもたちを学校へ通わせることを止めたという。「両親は、子どもたちが読み書きできるようになったら、無学者への特別給付金を受けられなくなると恐れている」

「山岳地帯の移動式住宅に住む家庭は途方もなく貧乏である。子ども一人につき月額698ドルの社会保障費は、子どもが18歳になるまで続く」【12】

この社会保障は、身体的あるいは精神的に障がいのある子どもたちを対象としたプログラムで、40年前に始まった。ニューヨーク・タイムズ紙が報じた当時、55%以上の子どもたちが精神的に障がいありと分類されていた。現在、アメリカ全土で120万人の「精神的に障がいがある」子どもたちが存在し、その保障として納税者は年間90億ドルを支払っている。【13】

このシステムのもとでは、社会保障と人間の欠点が相互に補いながら、悪循環を生み出している。人々は善意から社会保障制度を主張するかもしれないが、結局は共産邪霊の目的、つまり人類の堕落と壊滅に手を貸しているのである。

100年以上前、トクヴィルは社会保障制度が個人の区別をなくす一方で、貧困ラインを明確にするだけであると指摘した。このシステムでは、受給資格を持つ市民が本当に救済されるべきなのか否かを区別できない。彼らの困窮は不運によるものなのか、それとも自分自身の責任なのかを知ることは不可能だからである。【14】

社会保障の乱用は財政を悪化させるだけではない。このシステムのもとで生まれ育った子どもたちにも悪影響がある。2009年に行われた研究によると、社会保障を受給した子どもたちの3分の2は成人してからも継続して受給し、高い確率で一生をそのまま過ごすという。【15】

「障がい者」という言葉の定義を広げ、社会保障の受給資格者を増やしていくのも選挙戦略の一つである。受給の基準値があると、それだけ利益を乱用する人が出てくる。それに伴う道徳の退廃と経済的損失は、まさに共産邪霊の目的である。

社会保障は、あくまでも緊急事態の時に利用されるべきである。労災、伝染病、自然災害などの被害者を一時的に救済するためであって、確立した制度とするべきではない。なぜならば、貧困とは解決することのできない矛盾だからである。2014年当時、ジョンソン大統領が貧困との戦いを宣言してから50年が経ち、国民はそれまでに2兆2000億ドルの社会保障費を支払ってきた。【16】 しかし、アメリカ合衆国国勢調査局の発表によれば、貧困率は過去40年間、ほとんど変わっていない。【17】

経済学者のウィリアム・A・ニスカナン(William Arthur Niskanen)によれば、社会保障制度は貧困文化を生みだし、それが政府依存、婚外子、暴力、犯罪、失業、人工中絶という悪循環を促す。彼は1992年のデータに基づき、被扶養児童のいる家庭への扶養制度(AFDC)のために、国民一人あたりの負担が1%増えると推定した。AFDCの受給者は3%増、貧困人口は0.8%増える。母子家庭の子どもは2.1%増、失業者は0.5%増える。さらに、人工中絶と暴力的な犯罪が普遍的になる。【18】 ニスカナンの研究で分かったのは、高水準の社会保障制度は人々を政府に依存させ、彼らの責任感をも奪ってしまうことである。

家族の崩壊は貧困文化の主な特徴である。近現代の貧困黒人に詳しい経済学者ウォルター・E・ウィリアムズ(Walter E. Williams)によると、85%の子どもたちの母親は10代の母子家庭である。社会保障制度は、自分の行為に対する責任感を奪ってしまうため、このような現象が起こる。彼女たちは社会保障費や住宅手当、フード・スタンプ(食糧費補助)などさまざまな保護を受ける。社会保障制度は母子家庭を奨励し、さらに貧困を生み出す仕組みなのだ。【19】

社会保障制度は過去数十年間で膨張しているが、貧富の格差は広がっている。インフレーションを抜きにした経済指標によると、平均労働賃金の値上がりは非常に緩慢である一方、富は最も裕福な人たちへ流れている。さらに、ワーキング・プア(貧しい労働者層)も浮上している。これらの社会問題を盾にして、左翼政党は大きな政府、高い税金、社会保障の増大を掲げる。左翼は貧困と戦いながら、さらに問題を悪化させているのだ。

 

社会保障政策を掲げて得票する左派議員

左派議員は充実した社会保障と高い税金を主張する。彼らは高貴なスローガンを掲げて有権者にアピールするが、彼ら自身が社会保障のために金を払うわけではない。彼らがやることは、富裕層や中間層から富を取ってきて、貧困者たちに配るだけである。この仕組みは与える者と与えられる者の関係をぼかし、政治家自身もその過程で役割があるわけではない。ただ、政治家が有権者の票を集めて、受給者たちから感謝されるだけである。

 

b. 欧米政府の積極的な経済介入

国家の介入

今日、自由社会の政府はすでに、自国の経済システムに大きく介入している。その理由の一つは、社会主義の影響のもとで実施されている社会保障制度である。富の分配に政府が深く関与するようになったのである。もう一つの理由は、1930年代に起きた世界恐慌である。経済危機の後、欧米社会はケインズ理論(積極的な政府介入と金融政策による経済規制)の影響を強く受けたのである。

通常、社会の中で政府が果たす役割は少ない。自然災害やその他の危機的状況に直面した時、はじめて政府による経済介入が必要とされる。しかし、今日、ケインズ理論は世界中で実施され、すべての政府が争って自国の経済を支配している。

政府が積極的に経済に介入すると、市場に波及効果が起こる。新たな政策や法律が作られると、その分野の産業を破壊し、ビジネスマンや投資家たちは政府の決定に頼るようになる。伝統的に、法律を可決し施行するだけだった国家が、今では経済界を指導する立場となった。まるでサッカーの試合に参加する審判のように、国家が資本を支配し、民間企業に分配する。「神の見えざる手」ではなく、「見える手」に経済を委ねてしまったのである。

積極的な金融規制、および高水準の社会保障が加わると、政府は膨大な負債を抱えるようになる。OECDのデータによると、加入国のうちの半分以上がGDP(国内総生産)の100%近くあるいはそれ以上の負債を抱えている。一部の国家は、経済生産高の200%以上の負債がある。【20】 多くの国が社会的、あるいは経済的に脆弱であることが分かる。

ノーベル賞を受賞した経済学者ロナルド・コース(Ronald Coase)は、政府介入による影響について多くの論文を発表している。彼の研究によれば、介入政策はほとんど常に悪い結果を伴う。彼は、介入政策の危機点は、収穫逓減(可変入力がある点を過ぎると、入力の増加が出力の増加に結びつかなくなること)に達した時だと指摘する。【21】

しかし、世界中の国家がより積極的に経済を操作し、支配しているのが現状である。

 

干渉主義の現実とその末路

国家の干渉主義には二つの深刻な結果を伴う。第一に、国家権力の役割と規模が増す。官僚は経済介入の能力と救済者としての役割にうぬぼれてしまう。経済危機を乗り越えた時、政府はその増大した権力と機能を維持したがる。

第二に、干渉主義が増すと、国民が政府に依存するようになる。生活が苦しくなり、あるいは一部の市民が自由市場経済から利益を得られなくなった時、彼らは自分たちの既得権益を守るよう政府に要求する。

国家権力が膨張すると、民間企業が弱まり、自由市場経済も縮小する。政治家に依存しながら生活してきた人々は、富の平等な分配を要求し、そのための法律を求めるようになる。

現在、欧米の政治に見られるのは、社会全体を左の方向へ押す強い力である。強く左へ引っ張っているのは、生粋の左翼や社会主義者、共産主義者だけではない。もともと左翼とは何の関係もない一般市民も一緒になって、社会を左へと押している。これらの力が合わさった結果、政府は経済に介入し、民間企業に干渉せざるを得なくなる。しかし、健全な経済活動を阻んでいるのは表面的な社会運動などではなく、その背後で操っている共産邪霊である。

欧米政府は「平等」やその他のスローガンを政治的な名目として掲げ、公的な権力で法律を可決し、その状態を維持している。この仕組みは、市場経済における主要なプレーヤーの判断能力、つまり国民の自由意志を奪うことに等しい。国家が市場経済に介入すると、自由経済から計画経済に変換する。長期的に見ると、国民のすべての経済活動と生活が、政府の支配下におかれることになる。経済は政権を固めるために利用され、社会と市民はその奴隷となる。

共産邪霊が掲げる政策は、表面的にとても善良に見えるかもしれない。しかし、それは徐々に経済構造を中央に集中させる仕組みであり、人類を完全な共産主義に誘導する手法である。

 

c. 社会主義経済は共産全体主義への一歩

欧米の市場システムの特徴は、高い税金、充実した社会保障、広範囲にわたる政府干渉である。国家権力による経済操作という点で、社会主義と計画経済は同じ性質を持っている。この現象に見られるのは、政府が万能の神になれるという揺るぎのない自信である。

欧米諸国に見られる広範囲な国家介入と共産圏の計画経済の違いは、自由社会の場合、資本主義における基本的な個人の権利が守られているという点だけである。

オーストラリアの経済学者フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek)は、国家による計画経済や富の分配に対して警鐘を鳴らしていた。なぜならば、その体制が民主的かどうかに関わらず、政府が市場を改ざんしたり、全体主義化したりすることは避けられないからである。欧米や北アメリカの社会主義は国営でもなく計画経済でもないが、その結果は同じであるとハイエクは指摘する。国民は徐々に自由な生計手段を失っていく。ただ、その形式が緩慢で間接的なだけである。【22】

前章で述べたように、マルクスやエンゲルス、レーニンは、社会主義が共産主義へと進む大事な一歩であると信じていた。国家を社会主義へと動かしているのは、背後にいる共産邪霊である。電車がいったん動き出せば、途中駅で一時停車しても、その行先は変わらない。人類が、経済であれその他の分野であれ、伝統を捨てて共産主義のイデオロギーを受け入れたら、共産主義化するペースはもはや問題ではない。遅かれ早かれ、国家はそこへ行き着くのだ。

しかし、終着駅にあるのは地上の楽園ではなく、人類の壊滅である。邪霊にとって「楽園」が実現しようがしまいが、知ったことではない。それは、単に人類を壊滅へと導く誘惑の言葉に過ぎないのだから。

 

2.暗黒の社会主義―中国共産党

国営企業と計画経済に失敗した中国共産党は、「改革開放」への道を選び、市場経済を中国に導入した。世界は同党が資本主義を目指したのだと思いこんだが、それは全くの誤りだった。

 

a. 中国経済:共産支配の締め付け

便宜上、中国共産党は民間企業を許可するなどして、一部の中国経済を開放した。しかし、それで中国共産党が手綱を緩めたわけではない。全く反対に、同党は経済改革を利用して自分たちの権力を維持し、世界を騙し続けたのである。

中国共産主義モデルとは、社会主義と国家主義を市場経済と混ぜ合わせた化け物である。民間企業は存在するが、中国共産党は基本的な私有財産の権利を保障していない。すべての資源と土地は共産党に帰属する。同時に、中国共産党は国家を利用して経済活動を厳しく取り締まる。つまり、大規模な国家計画を実施して経済を動かし、生産を促進しているだけである。それは真に自立した経済ではなく、また自由市場経済を支える基盤もない。

法の精神は存在せず、また財産権の明確な規定もない。為替変動にも介入している。富の流出入は制限され、外資企業の参入も厳しく監視されている。中国共産党は政府の補助金制度や輸出税還付などにより輸出を促進し、価格の切り下げ競争で世界的に優位に立つ。これは健全な世界貿易の秩序を乱す行為である。

中国において、すべての経済活動は政治的な需要を満たすための歯車に過ぎない。個人や民間企業の自由などは、国家のさじ加減ひとつでどうにでもなる。世界貿易機関(WTO)が長らく中国を市場経済と認めないのは、これが理由である。

欧米政府は、中国の経済発展が民主主義につながることを期待していたが、甘かったようだ。実際、中国式の資本主義は社会主義体制を維持し、共産党を活性化させ、その邪悪な路線を継続させている。

巨万の富を得た中国共産党は、より残虐で卑劣な手法で国民を迫害することが可能になった。1999年7月、同党は数百万人の法輪功修煉者を標的に迫害を始めた。真・善・忍を信じる修煉者たちに対する弾圧は、今日まで続いている。2009年から、中国共産党は年間5千億元(およそ750億米ドル)を支出し、いわゆる「安定の維持」のために中国人を監視している。

 

b. 中国の経済成長の真相

過去40年間に見られた中国の急速な経済成長から、社会主義経済の方が優れていると主張する人もいる。一部の欧米人や政治家、学者なども全体主義制度の効率のよさに驚きを示す。しかし、中国共産党の経済モデルは、決して真似してはならない。内政が不安定になり、悪習が蔓延するからである。

中国の経済成長を促したのは、主に次の要素である。第一に、国営経済の規制が緩和されたこと、中央政府が計画経済を放棄したこと、民間企業の活性化により経済の生産力が高まったことである。

第二に、改革開放の時期、欧米の資本と技術が大量に中国へ流入したことである。共産党の非効率な計画経済のもと、中国には広大な土地、労働力、市場が眠ったままだった。海外からの資本と未開発の豊富な資源が中国経済を刺激した。もし全体主義体制がなかったら、経済成長はもっと早い時期から始まっていたし、より管理しやすい、永続的な形で発展しただろう。

欧米から中国に流入した資本は膨大である。公表された数字によれば、2000年から2016年にかけて、アメリカから中国に投資された金額は8000億米ドルに上る。【23】 また、1979年から2015年までに中国へ流入した海外資本の総額は、1兆6千400億米ドルである。【24】

さらに、欧米諸国は中国を特恵貿易国に指定し、中国に対して自国の市場を開放してきた。2000年5月、アメリカ政府は中国に対して恒久的正常貿易関係(PNTR)を供与した。2001年12月11日、中国は公式にWTOに加盟し、グローバル市場に参入することになった。

中国共産党は強大な経済力を利用し、非道徳的な発展モデルを形成した。具体的には、搾取労働、強制立ち退き、環境破壊などである。土地、人々、資源の最後の一滴まで搾り取り、利益を上げたのである。

共産党は欧米の資本、技術、市場、特恵国という地位、安価な国内生産コストを巧みに利用し、膨大な外国為替を蓄えた。米中貿易赤字は2000年の800億米ドルから2017年の3750億米ドルに跳ね上がった。

経済成長の第三の理由として、中国共産党は世界の貿易慣習を覆し、合法か否かに関わらず、すべての機会を利用してのし上がったことである。産業や技術の発展のために、国家戦略として他国の知的財産を盗用する。これは歴史上、最も大規模な強奪事件といえるだろう。

2017年の米国知的財産権窃盗に関する委員会が発表した報告書によると、中国産の偽物、海賊版ソフトウェア、企業秘密の盗難による被害は年間2250億米ドルから6000億米ドルに上り、その数字は知的財産の盗難を含んでいない。

報告書によると、過去3年間で、知財窃盗によるアメリカの被害額は1兆2千億米ドルに上り、犯行の源はほとんどが中国である。【25】 【26】 アメリカ合衆国国家情報長官オフィスは、アメリカ企業に対するサイバー攻撃の90%は中国政府によるもので、その被害額は年間4000億米ドルに上ると報告している。【27】

中国の経済成長を促したのは、社会主義イデオロギーの緩和、欧米先進国からの投資、中国共産党の非道徳な商慣行である。つまり、社会主義が優れているわけでもなく、また共産党が資本主義の道を歩んでいるわけでもない。欧米の専門家の一部は、中国の非道なビジネスモデルを「国家資本主義」と形容するが、これは不似合いな褒め言葉である。中国の全体主義制度のもと、経済は単なる政治的な道具に過ぎない。中国の市場経済は表面を飾り立てただけに過ぎず、単に世界を騙すための見せかけである。

中国共産党の経済モデルは国家権力を利用して発展し、裏で巧妙なトリックを使って競争力を増す手法である。中国共産党モデルを真似る国家は、国民とその道徳が著しく堕落したことに気づくだろう。

 

c. 中国経済モデルの末路

中国共産党の経済モデルは社会の道徳を急速に堕落させる。これは、まさしく共産邪霊が目指したゴールでもある。共産党の経済力が増大すればするほど、道徳の崩壊が進んでいく。人類は底なしの欲望に溺れ、最終的には絶滅する。

今日、中国には偽商品、毒食品、ポルノ、薬物、ギャンブル、暴力団が溢れている。汚職と売春が自慢の種となり、社会的な信用は事実上なくなった。貧富の差は拡大するばかりで、双方の対立や法の乱用が後を絶たない。同胞が苦しんでいても、人々は目をつぶるばかりである。経済的権力を振りかざし、党幹部は私腹を肥やす。地位が上がれば、それだけ汚職の規模も増す。10億元単位の横領は日常茶飯事である。中国政府ほど汚職と腐敗にまみれた政権は他にないだろう。

2011年10月、広東省で起きた2歳の女の子の事故は世界中を驚かせた。トラックにひかれてぐったりした悦悦(ユエユエ)ちゃんを、同じ運転手がもう一度ひき殺した事件である。その後、悦悦ちゃんが病院に運ばれるまで、18人の通行人が素通りした。事故の一部始終を地元メディアが報じ、ニュースは世界中に拡散した。当たり屋を警戒するあまり、本当に助けを必要とする交通事故の被害者を見捨てる社会。中国人の道徳心は、すでに奈落の底へと落ちたのである。

道徳のない経済成長は混乱し、長続きせず、破壊的である。非人道的な中国共産党の政策により、社会の対立が絶えず、環境破壊は著しく進んでいる。道徳の堕落が生む結果は最悪である。中国は自分を強国と呼ぶが、それは幻想である。無謀な富の追及の上に築かれた表面的な繁栄は、道徳の崩壊と社会矛盾の波に飲まれ、やがて破滅する。

悪魔の落とし穴から脱出しなければ、中国に未来はない。共産邪霊が健全で維持可能な成長を促すはずはない。なぜならば、邪霊の目的は中国の壊滅だからである。

 

3.社会主義による先進国の荒廃

a. 東欧に出没する社会主義

今日、共産主義は継続して東欧を脅かしている。元ソビエト圏が行った犯罪について、きちんと清算しなかったツケである。

東欧諸国の政治経済には、随所に共産主義のツメ痕が残っている。例えば、ロシアやベラルーシは強力な国営企業、高水準の社会保障、積極的な干渉主義が特徴である。共産主義からの移行期、東欧は不景気と高い失業率に見舞われ、共産主義と社会主義の復活を促した。共産邪霊は消えず、左派政党が息を吹き返し、社会主義時代はよかったという幻想を吹き込んだのである。【28】

 

b. 発展途上国で失敗した社会主義経済

アジア、アフリカ、南米で独立を遂げた多くの発展途上国は、1960年代ごろまでに社会主義路線を宣言した。その政策は、ひどい混乱を招いただけだった。最近のケースは、ベネズエラとジンバブエである。

ベネズエラはかつて南米で最も裕福な国だった。しかし、社会主義が主導するようになると、この国の経済は破綻し、貧困、犯罪、飢えが蔓延した。

ジンバブエもアフリカで最も豊かな国だった。今日、ジンバブエは史上最悪のハイパー・インフレーションを経験し、国は完全に破たんした。

 

ベネズエラ:社会主義が裕福な国家を破たんさせるまで

ベネズエラは豊富な油田に恵まれている。1970年代、ベネズエラは南米で最も急速に経済成長を遂げ、所得格差が少なく、国民一人当たりのGDPはこの地域で最高だった。【29】 比較的自由なベネズエラ経済に惹かれて、イタリア、ポルトガル、スペインなどから多くの有能な移民が集まってきた。財産権も保障されていることから、1940年代から1970年代にかけて、ベネズエラの経済は急速に発達した。【30】

しかし、1999年に新大統領が就任し、21世紀の社会主義を目指すと宣言した。彼は産業の国有化に踏み切り、ベネズエラの経済は混乱した。【31】

社会主義を樹立するため、ベネズエラ政府は民間企業の引き渡しと国有化に努めた。産業は、石油、農業、金融、重工業、鉄鋼、通信、エネルギー、輸送機関、観光業などが含まれる。この計画は、2007年に大統領が再選して強化された。政府は2007年から2012年の間に1147の民間会社を収用したが、その影響は破滅的だった。

生産的だった民間企業が締め出され、代わりに非効率的な国営企業が乱立し、投資家が撤退した。生産量がガタ落ちしたベネズエラは輸入に依存するようになった。政府による継続的な市場介入と為替操作、および石油価格の暴落が重なり、経済は破たんした。

一部の専門家はベネズエラ危機の原因を石油価格の下落であると指摘するが、それは適切ではない。世界銀行(The World Bank)が示したデータによれば、石油産業に依存する他の7カ国は2013年から2017年にかけて経済成長を続けているのである。【32】

問題の根源は社会主義の経済体制である。ベネズエラはマルクスが『共産党宣言』で提示した10の方策に沿って歩んできた。【33】 ベネズエラはまさに共産邪霊の手に落ちたのである。

 

ジンバブエ:アフリカの穀倉地帯から飢饉の土地へ

1980年に独立を果たしたジンバブエは、マルクス・レーニン主義に沿った社会主義国家の建設に乗りだした。初の大統領は若い頃、マルクスの熱烈な信者だった。彼が所属したゲリラ部隊は毛沢東思想を支持し、中国共産党から寛大な援助を受け、中国とも緊密な関係があった。他のアフリカ諸国と異なり、ジンバブエはすぐに国有化政策を実施することはしなかった。

2000年に始まった土地改革をきっかけに、ジンバブエの経済は混乱するようになった。白人農業主から接収した土地を、黒人と政治的なコネのある者たちに分配したのである。その結果、農業生産が著しく低下し、輸出も激減した。財政赤字を埋め合わせるためにジンバブエ中央銀行が紙幣を大量に印刷したため、終わりのないハイパー・インフレーションに突入したのである。

ジンバブエ中央銀行の発表によると、2008年6月の時点で、同国の年間インフレ率は2億3100万%に達した。2008年11月中旬までに、インフレ率は800億%でピークに達し、その後、政府は統計の発表をあきらめた。翌年、ジンバブエの為替レートは1米ドルに対して35兆ジンバブエドルにまで下落した。ジンバブエは自国通貨の廃止を余儀なくされた。【34】

2008年、大飢饉がジンバブエを襲った。1600万人の人口のうち、350万人が飢えに見舞われた。今日、ジンバブエ国民の多くは慢性的な栄養失調に苦しんでいる。

共産主義が世界中に災いをもたらしている。先進欧米諸国には危機が直前に迫っている。一方、発展途上国にはすでに社会主義の災いが降りかかっている。ここに一つの法則がある。つまり、邪霊は経済を利用して短期的な快楽と満足を与えるが、一方で人々の道徳を堕落させている。それはすべて、人類を底なし沼へと引きずりこむためである。

 

参考文献

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[2] Max Galka, “The History of U.S. Government Spending, Revenue, and Debt (1790-2015),” Metrocosm, February 16, 2016, http://metrocosm.com/history-of-us-taxes/.
[3] “OECD Tax Rates on Labour Income Continued Decreasing Slowly in 2016,” OCED Report, http://www.oecd.org/newsroom/oecd-tax-rates-on-labour-income-continued-decreasing-slowly-in-2016.htm.
[4] Kenneth Scheve and David Stasavage, Taxing the Rich: A History of Fiscal Fairness in the United States and Europe (Kindle Locations 930-931) (Princeton: Princeton University Press, Kindle Edition).
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[13] 同上.
[14]Alexis de Tocqueville, Memoir on Pauperism, trans. Seymour Drescher  (Lancing, West Sussex, UK: Hartington Fine Arts Ltd, 1997).
[15] Nicholas Kristof, “Profiting from a Child’s Illiteracy,” New York Times, December 7, 2012, https://www.nytimes.com/2012/12/09/opinion/sunday/kristof-profiting-from-a-childs-illiteracy.html.
[16] Robert Rector, “The War on Poverty: 50 Years of Failure,” Heritage Foundation Report, September 23, 2014, https://www.heritage.org/marriage-and-family/commentary/the-war-poverty-50-years-failure.
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[18] Niskanen, A., “Welfare and the Culture of Poverty,” The Cato Journal, 16:1(1996).
[19] Walter E. Williams, “The True Black Tragedy: Illegitimacy Rate of Nearly 75%,” cnsnews.com, May 19, 2015, https://www.cnsnews.com/commentary/walter-e-williams/true-black-tragedy-illegitimacy-rate-nearly-75.
[20] “OECD Data,” https://data.oecd.org/gga/general-government-debt.htm.
[21] Thomas Winslow Hazlett, “Looking for Results: An Interview with Ronald Coase,” Reason, (January 1997), https://reason.com/archives/1997/01/01/looking-for-results.
[22] F. A. Hayek, The Road to Serfdom (London: Routledge Press, 1944).
[23] “Direct Investment Position of the United States in China from 2000 to 2016” , Statistica.com, https://www.statista.com/statistics/188629/united-states-direct-investments-in-china-since-2000/.
[24]中國商務部, 〈中國外商投資報告 2016〉, 《中國外商直接投資歷年概況》, http://images.mofcom.gov.cn/wzs/201612/20161230131233768.pdf.
[25] Liz Peek, “Finally, a President Willing to Combat Chinese Theft,” The Hill, March 26, 2018, http://thehill.com/opinion/finance/380252-finally-a-president-willing-to-combat-chinese-theft.
[26] The Commission on the Theft of American Intellectual Property, Update to the IP Commission Report, 2017, http://www.ipcommission.org/report/IP_Commission_Report_Update_2017.pdf.
[27] Chris Strohm, “No Sign China Has Stopped Hacking U.S. Companies, Official Says,” Bloomberg News, November 18, 2015, https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-11-18/no-sign-china-has-stopped-hacking-u-s-companies-official-says.
[28] Kurt Biray, “Communist Nostalgia in Eastern Europe: Longing for the Past,” November 10, 2015, https://www.opendemocracy.net/can-europe-make-it/kurt-biray/communist-nostalgia-in-eastern-europe-longing-for-past.
[29] John Polga-Hecimovich, “The Roots of Venezuela’s Failing State,” Origins, 10:9 (June 2017), http://origins.osu.edu/article/roots-venezuelas-failing-state.
[30] José Niño, “Venezuela Before Chavez: A Prelude to Socialist Failure,” Mises Wire, May 04, 2017, https://mises.org/wire/venezuela-chavez-prelude-socialist-failure.
[31] John Bissett, “Hugo Chavez: Revolutionary Socialist or Leftwing Reformist?” Socialist Standard No. 1366 (June 2018) https://www.worldsocialism.org/spgb/hugo-chavez-revolutionary-socialist-or-leftwing-reformist.
[32] Julian Adorney, “Socialism Set Fire to Venezuela’s Oil Crisis,” Real Clear World, August 29, 2017, https://www.realclearworld.com/articles/2017/08/29/socialism_set_fire_to_venezuelas_oil_crisis_112520.html.
[33] José Niño, “John Oliver is Wrong About Venezuela – It’s a Socialist Country,” Mises Wire May 30, 2018, https://mises.org/wire/john-oliver-wrong-about-venezuela-%E2%80%94-its-socialist-country.
[34] 〈10個數字讓你了解:津巴布韋到底發生了什麼〉, BBC中文網,2017年 11月 22日,http://www.bbc.com/zhongwen/trad/world-42077093.

 

つづく 第九章 共産主義がしかけた経済的な罠(下)

 

『悪魔が世界を統治している』

目次

序章
第一章   人類を壊滅する邪悪の陰謀
第二章   始まりはヨーロッパ
第三章   東側での大虐殺
第四章   革命の輸出
第五章   西側への浸透(上)
第五章   西側への浸透(下)
第六章   神に対する反逆
第七章   家族の崩壊(上)
第七章   家族の崩壊(下)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(上)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(下)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(上)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(下)
第十章   法律を利用する邪悪
第十一章  芸術を冒涜する
第十二章  教育の破壊(上)
第十二章  教育の破壊(下)
第十三章  メディアを乗っ取る
第十四章  大衆文化―退廃と放縦
第十五章  テロリズムのルーツは共産主義
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(上)
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(下)
第十七章  グローバル化の中心は共産主義
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(上)
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(下)
おわりに