悪魔が世界を統治している 九評編集部:悪魔が世界を統治している

第十七章:グローバル化の中心は共産主義

2020/01/04
更新: 2024/11/08

目次

序文

1.グローバル化と共産主義

2.経済のグローバル化
a. 共産主義型経済を生むグローバル化
b. 発展途上国で共産主義を育てるグローバル化
c. グローバル化が富の集中を生み、共産主義イデオロギーを可能にした
d. 反グローバル化も共産主義イデオロギーを促進する
e. 中国共産党を育んだ欧米の資本主義

3. 政治のグローバル化
a. 共産主義の政治力を増長させた国連
b. 国連の理想とする人権を覆した共産主義イデオロギー
c. 共産主義の政治思想を推進するグローバル化
d. 世界政府の行き着く先は全体主義

4. 文化のグローバル化:人類を汚染する手段
a. 文化のグローバル化が伝統を破壊する
b. 先進欧米諸国が反伝統文化を輸出する
c. 逸脱した文化を広める多国籍企業
d. 歪んだ価値観を拡散する国連

結論

参考文献

 

序文

ルネサンスの頃から、人類の歴史は劇的な変化の時代に突入した。18世紀後期に始まった産業革命により、生産力は飛躍的に伸びた。世界各国の国力は大きく変化し、国際秩序が激変し、同時に社会構造、思想、宗教、伝統が変貌した。正統な信仰は衰え、社会は混乱し、人間の行為の判断基準である普遍的価値観が失われた。この歴史的背景の中で、共産主義が芽吹いたのである。

1917年のボルシェビキ革命の後、コミンテルンとして知られる共産主義インターナショナルは、共産主義の輸出を始めた。1919年にアメリカ共産党が設立され、1921年に中国共産党が誕生した。1920年代末期から1930年代初頭に起きた世界的な大恐慌が、さらに共産主義イデオロギーを後押しした。世界の政治経済が左へと舵を切る中、ソ連は着実に足場を固め、中国共産党は発展のチャンスを掴んだ。

1949年、中国共産党が中国を奪取し、暴力的な共産主義政権が誕生した。ソ連と中国共産党は世界数十カ国をまとめ、世界の三分の一を支配し、西側諸国に対抗する共産主義陣営を形成した。その後、半世紀に及ぶ冷戦が続いた。

暴力的な共産主義が人類を脅かす一方、欧米の自由社会にいる人々は、自国で静かに浸透している共産主義に対して全く警戒していなかった。ソ連による浸透工作の他に、共産主義色の強いイデオロギーや運動(明白な共産主義者、ファビアン協会、社会民主党など)が、政府、ビジネス、教育、文化サークルの中に浸透していたのである。

1960年代に起きた対抗文化運動(カウンターカルチャー)や中国の文化大革命も、共産主義の要素がもたらしたものである。1970年代の欧米の反抗的な若者たちは、「制度内への長征」を掲げ、内部から伝統文化を破壊し、社会的・文化的なリーダーになった。ほんの十数年の間に、彼らは驚異的な成功を収めた。

ベルリンの壁は崩壊し、ソ連が解体した。人々は冷戦の終結を祝い、共産主義の終焉を喜んだ。一部の人々が文明の衝突を懸念していたが、共産主義が外見を偽装し、新たに世界支配を目論んでいたことに気づく人は少なかった。彼らは、グローバル化という新しい看板を掲げたのである。

産業革命と科学技術の発達により、人の移動、経済、政治は目まぐるしく変化した。現代の遠距離通信、移動手段、コンピューター、デジタルネットワークが世界を縮め、数千年間存在した国境がなくなった。世界は小さくなり、国同士の接触や交易はこれまでにないほど活発になった。これは、技術の発達や製造量の増大、移民増加に伴う自然な現象である。この種のグローバル化は、自然発生的な歴史のプロセスである。

しかし、もう一つのグローバル化が存在する。それは人類を破壊するために、自然なグローバル化をハイジャックした共産主義である。この2番目のグローバル化を検証するのが当章の目的である。

共産主義下のグローバル化とは、基本的に、共産主義および非共産主義政権の最悪の部分を、最速で拡散することである。普及の手段は、大規模な政治、経済、金融、文化のオペレーションであり、非常に早いスピードで国家間および民族間の境界を消滅する。その目的は、人々が救われ、生き残るための心の砦としていた信仰、道徳、伝統文化を破壊するためである。

本書で何度も強調しているように、共産主義は単なる理論ではなく、邪悪な霊である。それは生命であり、最終的な目的は人類の破壊である。この邪霊はひとつの政治イデオロギーに固執することなく、状況が変われば、古典的な共産主義に反する思想であってもそれを利用する。1990年代以降、グローバル化は民主化の促進、市場経済、自由貿易を謳い、左翼団体から抗議を受けたりもする。しかし、これらの左翼団体は、共産邪霊がもっと高いところで、巧妙に物事を操っていることを知らない。経済のグローバル化、政治のグローバル・ガバナンス、アジェンダ21(地球サミットで採択された行動計画)を含むさまざまな環境条約や国際協定は、人類を支配し破壊するための手段である。

共産邪霊が操るグローバル化は、「グローバリズム」とも称される。それは驚異的なスピードでさまざまな分野に浸透し、あらゆる手段やルートを通じて世界中に触手を伸ばしている。当章はグローバリズムの経済、政治、文化的な側面を検証する。

この三つの側面が一つに融合し、グローバル化という世俗のイデオロギーが形成された。このイデオロギーは異なる時期にさまざまな外見を呈し、時には矛盾する内容を利用する。しかし、基本的には、このグローバル化は共産主義と非常に似通っている。グローバル化は無神論と物質主義を信奉し、豊かで平等な、搾取、抑圧、差別のない社会を描写する。それは世界政府によって管理されるユートピアである。

また、グローバル化は、神への信仰とその価値観を理念とする全ての民族の伝統文化を排斥する。最近、このイデオロギーは、ますます「ポリティカル・コレクトネス」(政治的に正しい言葉遣い)「社会正義」「価値中立性」「絶対平等主義」という左翼の思想をあらわにしている。これが、グローバル化のイデオロギーである。

各国それぞれに独自の文化が存在するが、それらは伝統的に、普遍的価値観の上に成り立っている。それぞれの民族にとって、国家の主権と伝統文化は国家遺産や自決権を有するための要であり、それによって共産主義を含む強大な外部勢力から自らを守ることができる。

いったん世界的な超大型政府が樹立されれば、共産主義はいとも簡単に私有財産を廃止し、国家、民族、伝統文化を消滅させるだろう。グローバル化は人類の伝統文化と民族を破壊し、甚大な力で左翼イデオロギーと共産主義を伝播する。グローバル化の根底にある共産主義と、その二つの相似性について議論することは非常に厄介だが、早急に検証すべき重要な問題である。

 

1. グローバル化と共産主義

マルクスは「グローバル化」という概念は用いなかったが、「世界史」という言葉を使った。この二つには似たような意味合いがある。

マルクスは『共産党宣言』の中で、世界的な資本主義の拡大は必然的に大量のプロレタリアートを生み、従って、プロレタリアートによる革命が世界を席巻し、資本主義を転覆して共産主義の「楽園」に到達すると主張した。【1】 マルクスは、「従って、プロレタリアートは世界史にのみ存在し、共産主義と同様に、その活動も「世界史」にのみ存在する」と書いている。【2】 つまり、共産主義の実現には、プロレタリアートが共同し、世界で行動を起こすことが不可欠である。共産主義革命は、グローバルな運動でなければならない。

レーニンがマルクスの教義を修正し、資本主義との繋がりが薄い場所(ロシア)でも革命は起こせると主張したが、共産主義は決して世界規模の革命をあきらめてはいなかった。1919年、ソ連の共産主義者はコミンテルンをモスクワに設立し、その後、60カ国以上に支部を広げた。レーニンは、世界社会主義共和国の樹立を目標に掲げた。【3】

アメリカの思想家エドワード・グリフィン(Edward Griffin)は、スターリンが提唱した共産主義の世界革命について、下記のようにまとめている。

1. 混乱させ、秩序を乱し、世界中の資本主義勢力を破壊する。
2. ひとつの世界経済のもとに、すべての国々を集結させる。
3. 先進国から発展途上国へ提供される資金援助を長引かせる。
4. 世界政府への移行段階として、世界を地域別にグループ化する(例えば現存のNATO(北大西洋条約機構)、SEATO(東南アジア条約機構)、米州機構など)。人々はますます国家への忠誠心を失い、あいまいな地域の忠誠心や、世界的な権威に屈する。
5. 後に、地域をひとつにまとめて、プロレタリアートによる世界専制政治で統治する。【4】

アメリカ共産党の議長を務めたウィリアム・フォスター(William Foster)は、次のように書いている。「共産主義の世界は統一された、組織的な世界である。経済制度は、ソビエト連邦で今幕開けしようとしている計画理念に基づく、一つの大きな組織である。この世界政府の中で、ソビエト政府は重要なセクションになる」【5】

マルクス、レーニン、スターリン、フォスターの文章や、中国共産党が提案する「人類運命共同体」を見ると、共産主義が数カ国を支配するだけでは満足していないことは明らかである。最初から最後まで、共産主義のイデオロギーには人類すべてを支配するという野望が含まれている。

マルクスが予見したプロレタリアートによる世界革命は起こらなかった。彼が廃れて消滅すると言った資本主義は勝利し、繁栄し、栄えている。ソ連と東欧が崩壊し、残ったのは中国共産党といくつかの政権のみだった。共産主義は終焉に直面したかのようにみなされ、表向きは自由社会の勝利だった。しかし、西側が共産主義の消滅を期待している間に、社会主義(共産主義の初期段階)が再び息を吹き返し、成長した。

共産主義の邪霊は消滅しなかった。それはさまざまな教義や運動の裏に潜り込み、浸透し、共産主義イデオロギーで自由社会のすべての分野を腐敗させた。それは偶然だろうか? もちろん、そうではない。グローバル化は一見、自然現象のように見えるが、その発展過程で共産主義が果たした役割は明白である。共産主義がグローバル化のイデオロギーを先導しているのである。

第二次世界大戦後、ヨーロッパの左翼勢力は絶え間なく拡大した。民主社会主義を掲げる社会主義インターナショナルは、100カ国以上の政党を抱える国際組織に成長した。これらの政党は各国で権力を握り、ヨーロッパ中に広まった。この背景のもと、ヨーロッパ全体が増税、高水準の社会福祉、国有化の政策をとった。

グローバル化がアメリカ企業を空洞化させ、中間層を縮小し、収入の低下、貧困層と富裕層の二極化、社会の分断を招いた。これらがアメリカの左翼と社会主義の台頭を招き、過去十数年、世界の政治は極端に左傾化した。一方、世界の左翼勢力は、グローバル化が所得格差の元凶であると批判した。資本主義に対抗する社会主義の波が、反グローバル化運動とともに広がった。

冷戦終結後、共産主義がグローバル経済に浸透した。共産主義の目的は、各国の経済的自立を妨げ、経済基盤を破壊することである。同時に、人間の欲望を存分に利用し、西側経済の富(数百年かけて社会に蓄積された富)を、いち早く中国共産党に移行した。中国共産党はその莫大な富を利用し、他国を束ねて人間の道徳を一気に堕落させた。

共産主義勢力の先導として、中国共産党は絶えず経済力を伸ばし、世界中の左翼や共産党に強壮剤を注入した。共産党は全体主義のルールを用いて世界の貿易ルールを乱し、世界の資本主義経済から得た利益を用いて、自身の社会主義政策を強化した。中国共産党は圧倒的な経済力で政治・軍事力を拡大し、共産主義モデルを世界に輸出している。

グローバルな見地からいえば、反グローバル化を掲げる左翼も、中国共産党も、どちらもグローバル化から利益を得た集団である。実際、今の世界は、スターリンが過去に夢描いた世界と非常に近いのだ。

 

2.経済のグローバル化

経済のグローバル化とは、1940~50年代に始まり、1970~80年代に成熟した世界の資本、製造、貿易の統合のことである。この仕組みは、1990年代に世界的な規準となった。それを背後で動かしていたのは、国際機関や大企業であり、それらは規制や資本の自由な流通を理由に規制緩和を要求した。表面的にみると、経済のグローバル化を推進し、世界的な資本主義を推進してきたのは、西側諸国にみえる。

しかし、残念ながら、グローバル化は共産主義の拡大を促進する道具となった。グローバル化によって、欧米諸国は中国共産党政権に莫大な資金を提供し、西側の市場経済と中国の社会主義経済は相互に依存するようになった。経済利益の見返りとして、欧米諸国は良心や普遍的価値観を犠牲にし、中国共産党は経済的な脅しを使って欧米を黙らせた。まさに、共産主義が世界を支配している構図である。

 

a. 共産主義型経済を生んだグローバル化

グローバル化は世界の各経済を一つの経済システムに統合し、その過程で大規模な国際組織、条約、規制がつくられた。表面的に、これは資本主義と自由市場の成長と映るかもしれない。しかし、これは支配的な統一経済体制が形成される過程であり、指令を出せば多くの国々の企業の命運を決めることのできるシステムである。つまり、中央集権型の、専制経済システムである。この国際的な統一体制が設立された後、先進国から発展途上国への長期的な経済援助が始まった。まさに、スターリンが思い描いた三つめのゴールである。

国際経済機関は通常、経済支援の条件として、被援助国のマクロ経済に介入することを要求する。その手法は往々にして独裁的であり、被援助国の社会、文化、歴史的な状況を考慮しない。その結果、被援助国では自由が制限され、中央集権による支配が拡大する。アメリカの政策アナリスト、ジェームス・ボバード(James Bovard)は、世界銀行が「第三世界の経済の国有化を甚だしく促進し、貧困の中の貧困にいる人々に対する政治的・官僚的な支配を強めた」と書いている。【6】

また、経済のグローバル化はグローバルな均質性を促す。消費者の流行が類似し、製造と消費システムが大幅に統一化された。小さい会社、特に伝統芸術や工芸を扱う会社は存続の危機に晒された。地元の民族が担っていた小さな会社はグローバル化の波によって消滅させられた。ますます多くの人々が、自国で自由に商業を営むことができなくなった。

発展途上国がグローバルな製造チェーンの一部となり、経済的な主権が奪われ、一部の国は衰退した。ある国は莫大な債務に追われ、国内の自由資本主義経済の基盤が破壊された。

 

b. 発展途上国の共産主義を育てるグローバル化

2000年初期、ジャマイカは市場を解放し、安価な牛乳を大量に輸入した。これにより、より多くの人々が牛乳を入手したが、地元の酪農業者は倒産した。メキシコは軽工業が盛んだったが、中国がWTOに加盟すると、仕事はメキシコから中国に流出した。メキシコには高級品を製造するスキルがなく、経済は停滞した。資源の豊富なアフリカ諸国は外資が流入したが、採掘された鉱物は外国に輸出され、地元経済を潤すことはなかった。

海外資本は同時に、政府高官たちを腐敗させる。グローバル化は民主主義をもたらすと謳っているが、実際には腐敗した独裁官僚を富ませ、貧困を悪化させた。2015年に発表された世界銀行の統計によると、「極貧層の半分以上はサブサハラアフリカ地域に居住している。実際、同地域の貧困層は900万人に増加し、2015年では、4億1300万人が一日あたり1.90米ドル以下の生活を送っている」【7】

タイはその脆弱な金融システムを開放し、一時的な繁栄を得たが、外国資本が撤退すると、経済は大きな打撃を受けた。タイ通貨暴落は周辺国にもマイナスの影響をもたらし、アジア通貨危機が起こった。

通信技術と移動手段の発達により、世界は一つの村になった。グローバル化が経済的な繁栄と民主化の価値観を世界中にもたらすとみなされた。しかし、ハーバード大学ケネディー・スクールのダニ・ロドリック(Dani Rodrick)によれば、グローバル化には「三つのジレンマ」があるという。「われわれは、民主主義、民族自決、経済のグローバル化を同時に追求することはできない」。【8】 これはグローバル化の隠れた欠点であり、共産主義に利用される原因でもある。

グローバル化によってチャンスや利益を得たのは少数の人間である。その他の地域では、グローバル化が貧富の差を拡大し、解決困難な貧困問題を生んでいる。グローバル化は国家の主権を奪い、地域の混乱を激化させ、「抑圧者」と「被抑圧者」を対立させる。抑圧、搾取、不平等、貧困は、左翼が資本主義と戦うための決まり文句である。なぜならば、抑圧される者が抑圧する者に対抗するのは、共産主義の典型的なやり方だからである。共産主義が説く絶対平等主義と闘争精神は、グローバル化の波に乗って世界中に拡散した。

 

c. グローバル化が富の集中を生み、共産主義イデオロギーを可能にした

産業の大規模な流出と失業率の増加で打撃を受けた欧米諸国は、グローバル化の被害者でもある。アメリカを例にしよう。巨額の資本と技術が中国へ流出し、数多くの製造業が倒産した。2000~11年にかけて、570万人の労働者が仕事を失い、6万5千の工場が閉鎖された。【9】 国内の格差は年々広がっている。過去30年間、平均収入の伸び率(インフレーション調整済み)は停滞し、労働貧困層が増加した。彼らは年27週間仕事に従事、あるいは求職している労働者たちで、彼らの収入は法定貧困レベルを下回る。2016年、760万人のアメリカ人が働く貧困者(ワーキングプア)と認定された。【10】

貧富の格差拡大は、共産主義が繁栄する環境を醸成する。経済問題は経済の範囲を超えて増長していく。「社会正義」や収入格差の是正に対する要求が、社会主義イデオロギーを促進する。他方、社会保障への要求も高まるため、より多くの貧困家庭が生まれ、悪循環に陥る。

2000年以降、アメリカの政治的スペクトルにおける左翼政党の影響は極めて強くなった。2016年大統領選以前、アメリカでは社会主義への要求が高まり、党利党略のため、政治の分極化が起こっていた。この現象の裏にあったのは、グローバル化である。欧米の民主社会が混乱に見舞われると、共産主義勢力が勝ち組として、世界の舞台に躍り出るのである。

 

d. 反グローバル化も共産主義イデオロギーを推進する

グローバル化の前進と共に台頭してきたのは、反グローバル化である。1999年11月30日、シアトルで起きたWTO閣僚会議前での大規模な抗議活動がそのきっかけを作った。2001年に開催された三つの大規模な国際会議(カナダ・ケベックでの米州首脳会議、スイス・ヨーテボリでのEUサミット、イタリア・ジェノバでのG8経済サミット)は、大規模な抗議活動に取り囲まれた。2002年、イタリア・フィレンツェでは参加者100万人という最大規模の反グローバル化運動が起こった。

反グローバル化運動に参加する人々の出自はさまざまである。大部分は資本主義に反対する明白な左翼であり、その中には労働組合や環境団体(これも共産主義に浸透され、すでにハイジャックされている)、あるいはグローバル化の被害者や社会的弱者である。その結果、グローバル化の支持者であろうが反対者であろうが、彼らは無意識に共産主義を助けている。

 

e. 中国共産党を育んだ欧米の資本主義

グローバル化の是非を判断する時、専門家は往々にして中国を一つの成功例として挙げる。中国はグローバル化から多大な利益を得ており、世界第二位の経済大国にまで上り詰めた。多くの専門家は、中国がやがてアメリカを追い抜くだろうと予測している。

軽工業が主流のメキシコと異なり、中国共産党は欧米の最新技術を導入し、競合国を圧倒した。中国共産党は国内市場を開放する見返りに、先進国企業との合併事業(ジョイント・ベンチャー)設立を条件とし、相手から主要な技術を引き出した。中国共産党のやり方は、無節操な技術移転の強制から、ハッキングによるあからさまな窃盗などさまざまである。先進技術を得た後、中国共産党はその優位な立場を利用して、安価な製品を世界市場で売りさばいた。輸出割戻し(リベート)や輸出補助金によって、市場価格を下回る製品でライバルを打ち負かし、世界の自由市場の秩序を乱した。

国内市場を開放した他の発展途上国と違って、中国共産党はさまざまな貿易規制をかけている。WTO加盟後はそのルールの恩恵にあずかると同時に、グローバル化を利用して世界中に自国の製品をばら撒いた。ルールの上にずっしりと乗っかりながら、中国共産党は莫大な経済利益を得た。しかし、共産党は主要分野の開放には着手しなかった。通信、銀行、エネルギーである。そこで、中国はグローバル経済を利用しながら、約束を守らないということができたのである。

経済利益で買収された欧米は、中国の人権問題に目をつぶり、口を閉ざした。悪名高い中国共産党に対して、国際社会は寛大な恩恵を与え続けた。

前進するグローバル化、力をつけた中国共産党、さらに道徳の堕落した中国社会の三つが市場経済に打撃を与え、欧米の貿易ルールを打ち壊した。

ルールの破壊者として、中国共産党はグローバル化の旨みを全て吸い取った。グローバル化はある意味で、中国共産党の輸血装置といえるだろう。息絶え絶えだった共産党を甦らせたからである。グローバル化の裏に隠された真の目的は、富の再分配によって中国共産党を強大にすることである。中国共産党は不正に富を蓄える一方、最も残忍な人権侵害を犯しているのである。

グローバル化は中国共産党を助け、合法化してきた。中国共産党は資本主義から流入する養分で社会主義の筋肉をつけているが、それに比べて欧米は衰退している。中国共産党は自信をつけ、さらなる世界制覇への野望を持つようになった。多くの社会主義者と世界制覇を目論む一部の左翼は、中国の台頭に歓喜した。

経済成長を続けながら、中国共産党はWTO、IMF、世界銀行、国連、国連工業開発企業など世界の経済組織に浸透した。組織内の主要な地位に就任した人は、党幹部から中国共産党に協力するよう求められる。彼らは中国共産党の計画を承認し、実行する。

中国共産党は国際的な経済組織を利用し、自身の経済アジェンダとコーポラティスト・モデル(集団のコントロールされた状態、協調組合主義)を実行する。もしこの計画が継続していくならば、同政権が世界の政治経済にもたらす災難は計り知れないだろう。

上記で、共産主義がグローバル化を利用して拡大した数例を挙げた。通信技術と移動手段の発達により、経済活動は国境を越えるようになった。これは自然な過程であるが、今回に限っては、中国共産党に世界支配のチャンスを与えることになってしまった。現在、何が起こっているのかを見極め、警戒する時期が来ている。共産主義のグローバル化を止めなければならない。そうすれば、各国が主権を取り戻し、人々の幸福が実現するチャンスもあるだろう。

 

3.政治のグローバル化

政治的なグローバル化が顕著である。それは、国家間の交流の活発化、国際組織や政治的議題の形成、国際協定、国家主権の制限、国際機関の台頭、また国家の主権が緩慢に国際機関に奪われるという形で現れている。主権国家の権力を上回るルールや規制が制定されると、それらの国際組織は各国の政治、文化、社会生活に介入するようになる。国際機関に権力が集中すると、世界政府に似たような働きをする。各国家の主権を奪い、伝統的な信仰やその国独自の道徳基盤を壊し、伝統文化を破壊し、従来の国際的な慣習を無視する行為である。これらすべては、共産主義計画の一部であり、じわじわと進んでいる。

この過程が進む中で、共産主義は国際機関を使って共産主義の思想を宣伝する。共産党の哲学である闘争、歪んだ人権と自由の概念、世界規模の社会主義思想の推進、富の再分配、そして人々を全体主義の支配下におく世界政府の樹立である。

 

a. 共産主義の政治権力を拡大した国連

第二次世界大戦後に組織された国連は、世界最大の国際機関である。もともとは国家間の協力と協調を強化することを目的として設立された。超国家的な機関として、国連は国境をなくすという共産主義の理想のために利用されている。初期の頃から、国連はソビエト主導の共産諸国の道具であり、共産党と世界政府という共産主義イデオロギーを宣伝する舞台を提供してきた。

国連の設立当時、旧ソ連は安全保障理事会の常任国として重大な役割を担っていた。ルーズベルト大統領の側近で国連事務総長のアルジャー・ヒス(Alger Hiss)は国連憲章を起草したが、後にソ連のスパイだったことが判明し、有罪判決を受けている。【11】 国連憲章や条約には隠れた裏口があり、共産主義政権に有利に働くよう起草されている。

多くの国連機関のトップは共産主義者、あるいはその追随者である。多くの国連事務総長は社会主義者でマルクス主義者である。例えば、初代事務総長のトリグブ・リー(Trygve Lie)はノルウェーの社会主義であり、ソ連から強力な支援を受けていた。彼の最重要任務は中国共産党を国連に加盟させることだった。彼の後任であるダグ・ハマーショルド(Dag Hammarskjöld)も社会主義者で、世界共産主義革命のシンパであり、中国共産党首相の周恩来と親密だった。【12】 三番目に就任したのは、ミャンマー(旧ビルマ)のウ・タント(U Thant)である。マルクス主義者のウ・タントは、レーニンの理想と国連憲章は一致していると信じていた。【13】 六番目に就任した事務総長は、ブトロス・ブトロス=ガーリ(Boutros Boutros-Ghali)で、元社会主義インターナショナルの副議長である。このように、共産主義政権が頻繁に国連トップに就任している理由は明白である。多くの国連条約が直接、あるいは間接的に共産主義の概念を宣伝し、共産主義の力を拡大している。

国連の最大の使命は世界平和と安全を維持することである。国連平和維持軍は政治安全保障担当事務次長の指揮下にある。しかし、1946~92年までに就任した14人のうち、13人はソビエト市民である。旧ソ連政権は共産主義政権の拡大を諦めたわけではなく、また世界平和に貢献しようなどとも思っていない。従って、彼らは「世界平和を守ろう」というスローガンを掲げていても、実際には共産主義の利益を推進することしか興味がない。親社会主義団体を支援することが、彼らの目標である。

同時に、共産主義はアメリカにも浸透した。FBIディレクターのエドガー・フーバー(Edgar Hoover)は1963年、国連に任命された外交官たちは、「この国で行われている、ロシアのスパイ活動を代表している」と述べている。【14】 旧ソビエト政権崩壊後も、共産主義は国連の中に蔓延していた。「国連で働く欧米人たちは…自分たちが共産主義マフィアと呼ばれる人々に取り囲まれていることに気づいていた」【15】

中国共産党は、国連をプロパガンダ推進のために利用する。安保理常任理事の5カ国は、国連副事務総長を持つことができる。副事務総長が、ある国に対して特別待遇を与えることはできないが、中国共産党から社会的・経済的利益を受けた事務総長は、効果的に中国共産党のイデオロギーを承認する。事務総長を含む国連トップの幹部たちは、発展途上国の貧困問題を解決するとして、中国共産党の一帯一路を推進している。

中国共産党の一帯一路は多くの国にとって、大国の覇権拡大に他ならず、多くの小国を負債危機に追いやった。例えば、スリランカは借金返済のために、中国共産党に対して99年間も大事な港を貸すことになった。巨額の債務を抱えたパキスタンは、IMFに援助を求めた。一帯一路は参加国の政治経済を支配し、地元市民の人権や民主を脅かすため、多くの国はその導入にブレーキをかけている。しかし、中国共産党から圧力を受けた国連幹部たちは、一帯一路の必要性をしつこく宣伝するのである。【16】

 

b. 国連の理想とする人権を覆した共産主義イデオロギー

国連の目標の一つは、人権を向上し、自由を促進することである。これは、普遍的な理念である。しかし、中国共産党は他の腐敗した政権と同様に、普遍的な人権を否定する。国内干渉であると批判し、中国国内で起こっている迫害や虐待を覆い隠す。さらに、中国人の生活レベルは上がっていると自画自賛する。また、中国共産党は発展途上国と結託し、欧米の民主主義を批判して、普遍的価値観を推進しようとする自由国家を妨害する。共産主義の影響下にある国連は、人権向上に少しも役立っていないどころか、共産主義政権の下僕となり、それら腐敗政権の人権侵害を覆い隠す。

国連がいかに自身の理想を裏切っているかについて、多くの学者が指摘している。例えば、国連は大量虐殺の傷跡の中で設立されたが、現在、彼らは大量虐殺に対して何の行動も起こさない。国連の当初の目的は、圧政者と戦い、人々の人権を守ることだった。アクションを起こすには道徳的判断が必要だが、現在の国連はその決断を拒否している。【17】

元イスラエル外交官で国連大使のドア・ゴールド(Dore Gold)は、著書『Tower of Babble:How the United Nations Has Fueled Global Chaos』(仮題:バブルの塔―国連がいかにして世界の混乱を招いたか)の中で、「国連は良性ではなく、効率の悪い世界機関である。それは世界の混乱を加速し、拡大した」【18】と指摘し、数多くの証拠を挙げている。「価値中立性」、「ケンカ両成敗(道徳的等価)」、「道徳的相対主義」、汚職、人権侵害のひどい国家が人権委員会の委員長となる、非民主的な国家が多数派の票数を保有する、共産主義政権が影響力を行使する等である。【19】 ゴールドは、国連は「救いがたいほどの失敗」と批判し、「反欧米勢力に支配され、専制的でテロを支援し、アメリカの最大の敵」であり、従って「国連創立者たちの高貴な理想を裏切った」と指摘する。【20】

国連人権委員会は多数決のルールを設けている。しかし、人権侵害のひどい国家が多数決に参加し、あるいは委員会の委員長に就任しているのである。これでは、人権問題の見直しなど意味がない。さらに、中国共産党が多くの発展途上国を買収し、アメリカが国連に提案した中国の人権問題は何度も見送られた。国連の多数派が、自由国家に反対する共産主義勢力に利用されている。これが、アメリカが複数回、人権委員会から離脱した理由である。欧米は自由と人権の促進を主張するが、共産主義国によって何度も妨害されている。人権委員会は悪党によって占拠され、いわゆる国際条約も、全体主義を縛りつけることができない。これらの国々はスローガンを叫ぶだけで、それを実行しようとはしない。

従って、国連憲章がソビエト憲法と非常に似通っており、またアメリカ憲法と真っ向から対立することが容易に分かってくるだろう。その目的は人々の権利を守ることではなく、支配者の必要に応じるためである。例えば、あるソビエト憲法の条項は、「法律で定められている範囲内において」という言葉があるが、それは、一つひとつの市民の権利を挙げた後に続く。表面的には、ソビエト憲法は市民にある程度の権利を与えているように見えるが、実際には、多くの具体的な法律は「法律で定められている範囲内において」と明記されている。これにより、ソビエト政府は「法律で定められている範囲内において」という解釈に基づいて、恣意的に市民の権利を奪うことができる。

これが、国連憲章やさまざまな協定、条約が人々の権利を定義するやり方である。例えば、市民的および政治的権利に関する国際規約は、「全員が権利を持つ」と明記しているが、それは「上記の権利は、法律で定められた場合を除いて、どんな規制にも制約されない」という文言が付加されている。これは偶然ではなく、共産主義が故意に設定した「裏口」である。

問題は、もし政治家が必要と感じたら、世界人権宣言で採択された人権が法的に剥奪されることもあり得ることである。「どんなもっといい言い訳を圧政者は考えつくだろうか?」とエドワード・グリフィン(Edward Griffin)は指摘する。「多くの戦争や国家的犯罪は、その(条約)名の下で行われた」。【21】 自由国家が恣意的に市民の自由を奪うことは難しいが、共産主義国家では公に人権宣言の抜け穴を利用することができるのである。

 

c. 共産主義の政治理想を推進するグローバル化

共産主義は、その代理人たちを通じて、グローバルな問題を取り上げ、これは国際協力と権力によってしか解決できないと訴える。その真の目的は、世界政府の樹立である。さまざまな国が、増え続ける国際協定によって規制され、制限されている。その結果、主権国家が脆弱になっている。

多くの団体がこの種の国際的な権力構造を後押ししている。これらの団体は必ずしも共産主義とは限らないが、彼らの主張は共産主義の目標と一致している。つまり、各国の境界を廃止し、世界政府を樹立することである。

1970年のアース・デイの日、メディアの司会者は言った。「人類は世界秩序が必要です。完全な主権国家はすでに、環境破壊に対応することができないでしょう…この地球の管理は、従って、戦争を回避することについて語る時も、あるいは生活環境に対するダメージを減らすことについて語るにしても、世界政府が必要です」。【22】 1973年に発表されたヒューマニスト宣言II(Humanist Manifesto)は次のように明記している。「われわれは、人間の歴史の中の転換期にある。つまり、主権国家の境界を超えることが最良の選択肢であり、国際コミュニティー樹立に向けて前進する時である…従って、われわれは超連邦政府に基づく、世界法と世界秩序システムの構築を検討している」【23】

実際、国連環境計画が設立された理由は、まさに1972年に、環境問題が世界的な問題であり、グローバルな解決を求め、グローバルな環境保護機関の設立を求めた団体がいたからである。その初代事務局長はカナダ人のモーリス・ストロング(Maurice Strong)で、社会主義の傾向が強い人物である。

1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された国連アース・サミット(環境と開発に関する国連会議)では、178カ国がアジェンダ21の採択に賛成票を投じた。この800ページに及ぶ計画書は、環境、女性の権利、医療などが含まれている。著名な環境研究機関の専門家と国連環境プログラムの上級職員は述べた。「国家の主権、つまり領土内で国家が行使する権力は、公害、国際貿易、金融の流れ、避難民などによって頻繁に国境が侵されている今日の世界では、その大部分の意義を失っている…各国は実際に、自分たちの主権の一部を国際社会のために犠牲にして、管理不能な問題を解決する策として、新しい国際的な環境管理を設立しようとしている」【24】

表面的に、世界政府樹立の根拠は素晴らしいように見える。しかし、彼らの真の目的は共産主義を推進し、世界を支配することである。共産主義が環境問題を利用して自身のアジェンダを実行していることは、第十六章で詳述している。

ブトロス・ブトロス=ガーリは事務総長を務めた1992~96年、国連による世界政府の推進を積極的に行った。彼は永久的な国連軍の結成と、徴税の権利を強く求めた。【25】 アメリカの反対により、ガーリの二期目の就任は叶わなかった。そうでなければ、今日の国連は全く違っていたかもしれない。共産主義政権は他国に対する国内干渉を嫌がるが、彼らは精力的にさまざまな国際組織に参加し、国連機関の拡大を支援し、世界政府という概念を推進している。

2005年、国連事務総長のコフィー・アナン(Kofi Annan)は言った。「相互依存の時代、グローバルな市民になることは前進の主要な柱となる」。【26】 戦略分析家でアメリカ空軍やホワイトハウス勤務の経験があるロバート・チャンドラー(Robert Chandler)によれば、アナンのいわゆる前進は、国家の主権を破壊し、国境のないグローバルな市民社会への道を開くと指摘する。国連が勧める「平和の文化に向かって教える」(Teaching Toward a Culture of Peace)は、実際には極左によって組織され、指導されているものであり、チャンドラーによれば、これは国家の主権を奪い、国境のない世界政府の全体統治を設立するためであるという。【27】

1958年に出版された『裸の共産主義者』(The Naked Communist)は、共産主義者が掲げる45項目のアジェンダを暴露している。そのうちの一つは、「国連を、人類唯一の希望だと推進する。もしその憲章が再起草されるのなら、国連が独立した兵力を持つ世界政府であることを要求する」。【28】 世界政府の樹立が短期間で成功するとは誰も思わないだろう。そこで、共産主義者やグローバリストたちはさまざまな問題を利用し、各分野に国際機関を設立し、これらの機関の統一を呼びかけ、国連への依存を主張する。その最終的な目的は、世界政府の樹立である。

世界政府の樹立を呼びかけ、国連の役割を誇張することによって、まるで国連をすべての問題の万能薬であるかのように褒めたたえる。これら全ては、彼らが神の役割を演じ、権力を操ることによって将来の人類を管理するための布石である。実際、これは共産主義が謳うユートピアであり、人間が自分たちで作った宗教と同じである。しかし、その結果が悲惨であることは言うまでもない。

 

d. 世界政府の行き着く先は全体主義

よりよい世界や将来の構想を抱くのは間違いではない。しかし、世界政府が人類全ての問題を解決するという考えは、単に現代版のユートピアを夢想しているだけであり、また全体主義に陥る危険性をはらむ。

真に世界的な問題に取り組もうとする世界政府が避けられない問題は、政治であれ、軍事であれ、経済であれ、どうやってそれらの政策を実行するかである。彼らの政策を世界規模で推し進めるには、アメリカのような民主主義の形式を取ることはない。むしろ、旧ソビエトや中国共産党のような、全体主義の強大な政府が生まれるだろう。

世界の国々に参加させるために、世界政府は常に相手に利益をチラつかせ、幸福を約束し、グローバルな人類のユートピア計画を示すだろう。彼らの主張は、共産主義のそれと似ている。つまり、彼ら自身が世界的な問題を治す特効薬であるという。数多くの国家を束ねて複雑な世界の問題を解決し、彼らのユートピア計画の理想を追求するならば(それが環境保護であろうと、世界規模の安全保障であろうと)、政策を推し進めるために、世界政府は必然的に中央集権型になる。この中央集権型政府はとてつもなく巨大に成長し、これまでにないほど社会を管理しようとするだろう。この段階に至ると、世界政府は諸国家の合意や、自身が諸外国と結んだ約束なども構わずに、強制的な政策実行に邁進するだろう。

今日、世界の国々にはそれぞれ大きな相違がある。多くの国々は正統な信仰や自由がなく、ましてや人権や高い道徳基準もない。諸国を束ねて世界政府を形成するとき、彼らのうちの最低基準が適用されるかもしれない。すると、神への信仰や信念、道徳、人権に対する基準も消滅する。つまり、諸国家はこれらの問題に対してフリーになる。彼らを束ねるためには、いわゆる宗教、道徳、人権に対する中立性が必要である。各国はそれぞれ独自の伝統と宗教を持っているのに、世界政府は必然的に主流文化を押し付けてくるだろう。

世界政府の樹立に積極的な専門家、学者、政府の大部分は、無神論者あるいは宗教観については進歩主義である。共産主義が裏で操っているのだから、世界政府が無神論を中心に据えるのは当然である。支配を維持するために、この世界政府は強制的なイデオロギーの再教育や暴力を使うこともあるだろう。参加国の分裂や独立を避けるために、世界政府は軍隊と警察部隊を強化し、言論の自由を厳格に抑制するだろう。

国民の間に共通の信仰や文化が存在しない国の場合、政府が政権を維持するには、権力つまり全体主義のルールが必要である。その結果は、個人の自由の削減である。従って、世界政府が全体主義に向かうのは当然である。なぜならば、政権を維持するためには独裁政治に頼るしか方法はないからである。

最終的に、世界政府は名をかえた共産全体主義となり、人々を奴隷化し虐待している今日の共産主義政権と全く同じになる。一つだけ違う点は、その支配が一国だけでなく、世界規模ということだ。一つの政府が世界を支配すると、より腐敗しやすく、人類を破滅に導くだろう。支配を維持する過程で、この巨大な政府は次第に、共産主義政権が使うような、あらゆる邪悪な手段を使うようになる。独裁主義への道は、人類の伝統文化や道徳的価値観を破壊する過程であり、まさに共産主義が達成しようとする目標である。

 

4. 文化のグローバル化:人類を汚染する手段

活発な文化交流と資本の流れに伴い、過去100年の間に共産主義が形成した歪んだ文化(現代芸術、文学、思想、映画、テレビ、逸脱した生活スタイル、功利主義、物質主義、消費主義など)が世界中に広まった。この過程で、さまざまな民族の文化や伝統の外形が失われ、そのもともとの中身と切り離され、変異した、逸脱した文化が取って代わった。利益追求のために、これらの歪んだ文化は幅広く波及しながら、急速に人々の道徳的価値観を汚染した。

世界の政治、経済、軍事のリーダーはアメリカである。このリーダーシップはアメリカ文化に引き継がれ、世界各国が受容し、取り入れた。産業革命の後、現代社会に現れたのは、宗教や信仰の衰退と、物質主義の流行だった。人々は自然に、物質的豊かさが文明の強さだと認識した。この潮流につけ込み、共産主義は非暴力の形でアメリカを引きずりおろそうとした。

共産主義はアメリカの日常生活全般にかかわる家族、政治、経済、法律、芸術、メディア、大衆文化に浸透し、腐敗させた。それは伝統的な道徳的価値観を破壊し、グローバル化の波に乗って、堕落した文化を世界に輸出した。

アメリカの「進んでいる」とされる堕落した文化が世界中に広まった。一瞬にして、ニューヨークの「ウォール街を占拠せよ」運動がインドの辺鄙な村のテレビに映し出される。ハリウッド映画を通して、保守的な中国雲南省の村人たちが、シングルマザー、不倫、性の解放がすべて「普通のこと」であると学ぶ。マルクス主義者たちが背後で推しているコモン・コア(アメリカの新しい教育カリキュラム)が台湾の中学校の教科書に即座に取り入れられる。南アメリカのエクアドルから東南アジアのマレーシア、また太平洋諸島のフィジーまで、ロックンロールが大流行している。

ドイツの共産主義活動家でフランクフルト学派創設者の一人ヴィリ・ミュンツェンベルク(Willi Münzenberg)は言った。「われわれは、知識人たちを組織し、彼らを利用して西洋文明に泥を塗るのだ。その後に、彼らがその価値観を復活できないくらいに堕落させた後で、われわれはプロレタリアートによる独裁政治を強制することができる」【29】

左翼にとって、「西洋文明に泥を塗る」ことが共産主義へと進む道である。しかし、実際に裏で操っている共産主義の目的は、神が人類に授けた伝統文化を堕落させ、人類を破滅に導くことである。

もしわれわれが、欧米の歪んだ文化と共産主義の党文化をゴミに例えるならば、文化のグローバル化は強烈なハリケーンとなって世界中にその汚物を巻き散らし、神が人類に残した伝統文化を無慈悲に消滅させるだろう。ここで、われわれは欧米の逸脱した文化が世界に与えた影響について説明してきた。次に、われわれはいかに共産主義文化が広がったかについて分析する。

 

a. 文化のグローバル化が伝統を破壊する

世界のすべての民族にはそれぞれユニークな特徴があり、彼ら独自の歴史に深く影響された文化がある。それぞれの民族文化は異なるが、彼らの伝統文化には神々が与えた普遍的価値観がある。産業革命の後、技術の発達と共に、われわれの生活は便利になった。進歩主義の影響により、伝統は一般的に時代遅れとみなされるようになった。すべては、現代的かどうか、斬新かどうか、「進歩的」かどうか、あるいは商品的な価値があるか、が判断の基準である。

グローバル化の過程で形成された、いわゆる共通の価値観には、もはや伝統は存在しない。それらは「現代的」と呼ばれる。グローバル化によって生まれた要素や価値観は、伝統から逸脱している。それらは現存の文化遺産の粗雑な要素、あるいは商品化できる側面のみを残しているに過ぎない。「運命共同体」「われら共有の未来」などの言葉は、それらの歪んだ価値観の産物である。共産主義の言葉は、見かけはよくても、彼らの真の目的は人類に伝統文化を捨てさせることであり、単一で逸脱した、現代的な価値観を植えつけることである。

最も堕落しているのは、世界的にみられる消費文化と消費主義であり、これが世界の文化を牽引している。経済利益に突き動かされた商品のデザインやその販売戦略は、消費者の最も卑しい欲望を刺激する。その目的は、人間の表面的な欲望を誘惑し、耽溺させ、満足させて、人類を支配するためである。

グローバルな消費文化は人類の欲望を標的にし、さまざまなルートを通じて伝統を堕落させる。第一に、大多数の消費者を魅了するため、文化的製品は製造過程および展示する過程においても、いかなる民族の感情も害してはならない。その結果、民族文化に含まれる独自の特徴や意味合いが、商品から消されてしまう。つまり、脱文化化あるいは標準化を通して、伝統が商品から消されてしまう。教養のない、消費購買力の低い人々は、より簡素化された消費モデルに屈しやすい。なぜならば、それらの商品のコストは安いからである。グローバル化の波を受けて、この層の人々は最低価格の消費文化に支配される。

第二に、メディアのグローバル化によって独占が生まれた。その結果、共産主義は堕落したコンセプトの商品を利用し、表面的な文化的側面だけを宣伝し、それを推進する過程でマルクスのイデオロギーを推進する。グローバル化によって文化を交雑していくことも、イデオロギーを推進する別のやり方である。

第三に、文化のグローバル化は、消費主義を社会の主流文化に据えた。コマーシャル、映画、テレビ、ソーシャルメディアが絶えず垂れ流すのは、消費者が消費しなければ、またはある商品を所有しなければ、あるいは娯楽を追及しなければ人生じゃないという類のメッセージである。共産主義はさまざまな手段あるいは娯楽を利用して人々の満足感と欲望を刺激する。人間が欲望に溺れたら、彼らの精神は堕落し、気づかないうちに、長い間維持してきた神への信仰を忘れ、伝統的価値観から逸脱していく。

グローバル化の波に乗って堕落したイデオロギーを急速に広めた共産主義は、群集心理を利用する。人々は常にソーシャルメディア、コマーシャル、テレビ番組、映画、ニュースなどを通して、あらゆる反伝統的な思想や不自然なイデオロギーに晒される。それらの堕落したイデオロギーがグローバルな共通認識だと人々は誤解する。人々は徐々に、それらのイデオロギーが伝統にダメージを与えているとも知らずに、麻痺してくる。歪んだ行為を最先端とみなし、人々はそれを模倣して自慢気になる。薬物乱用、同性愛、ロックンロール、抽象芸術など、あらゆる堕落したものが流行した。

現代芸術は堕落した産物であり、すべての伝統的な美学に反している。一部の人々はそれに気づくかもしれない。しかし、現代芸術の展示会が大都市で催されたり、高額のチケットが販売されたり、またメディアも頻繁に暗くて奇怪な作品を宣伝するため、人々は自分たちが時代遅れで、芸術センスを磨く必要があると思いこむ。人々は自分たちの美的センスを疑い始め、堕落した作品を好むようになる。

多くの人間の意志は弱いため、共産主義は群集心理を利用する。いったん人類が神々から授かった伝統から逸脱したら、すべてが相対的になり、時と共に変化していく。これこそが、人類を搾取するのに最適な環境である。

 

b. 先進欧米諸国が反伝統文化を輸出する

欧米の先進諸国はグローバルな経済・軍事情勢に決定的な役割を果たしている。その結果、欧米文化は急速に発展途上国に浸透し、まるで現代文明の主流あるいは将来の発展方向であるかのように広まった。この流行は、アメリカやその他の欧米諸国の歪んだ文化を拡散し、各民族の伝統文化にとてつもないダメージを与えた。ロックンロール、ドラッグ、性の解放などの偽装された西洋文化が、あっという間に世界へ広まった。本書で指摘しているように、堕落した文化の背後には共産邪霊がおり、神々への信仰に由来する伝統的価値観とは何の繋がりもない。

西洋文化と名乗るすべての退廃した文化が世界の隅々に伝わった。特にハリウッドは、マルクス文化に由来するさまざまなイデオロギーを宣伝した。映画産業の特殊性により、人々は無意識にその価値観を受容した。

欧米諸国はその経済力により、多くの外国人留学生を惹きつけている。本書は、マルクス文化が欧米の教育を乗っ取り、外国人留学生もさまざまな左翼思想に晒されたことを検証した。彼らは帰国すると、その堕落したイデオロギーを拡散する。彼らの母国においては、それらの退廃したイデオロギーが魅力的に見える。なぜならば、欧米は彼らの国より技術的にも経済的にも進んでいるからである。従って、これらのイデオロギーが拡散し、母国の伝統文化が破壊されても、それに対して抵抗する人は少ない。

例えば、アジアで初めて同性婚を認めたのは、深遠な伝統を有する国だった。この現象の裏にはグローバル化がある。欧米に留学した大勢の学生たちは、同性婚に対して寛容になり、母国の変革を求める。同性婚の合法化を求める多くの政治家たちは、海外留学中にその進歩的な観念を植えつけられたのである。

 

c. 逸脱した文化を広める多国籍企業

グローバル化の影響の下、相互尊重と異文化に対する寛容が主流である。共産主義はこれを利用し、恣意的に寛容の意味合いを広げ、価値中立性や「グローバルな共通認識」などを造り、逸脱した概念を声高に叫ぶ。特に、グローバル化によって同性愛と性の解放が急速に伝わり、伝統的な社会に深刻なダメージを与え、道徳的価値観を破壊している。

2016年、大規模なチェーン店は、店内のロッカー室とトイレが「トランスジェンダーに優しい」と発表した。つまり、自分を女性だと認識するならば、男性でも女性トイレやロッカー室を使える。アメリカ家族協会(The American Family Association)は女性や子どもの安全を懸念し、チェーン店の不買運動を消費者に呼びかけた。【30】 実際に、2018年には、ある男性が女性トイレに忍び込み、若い女性に下半身を露出する事件があった。【31】

伝統的価値観を重んじる消費者をよそに、ジャーナリストたちは評価点(LGBTQに対する態度など)が満点の大規模な多国籍企業を列挙し、そのチェーン店もその他の企業と同様に、一般人の生活全般に関わっているため、不買運動は現実的ではないと報道した。これらの多国籍企業は主要な航空会社、ブランド力の強い自動車、ファースト・フード、コーヒーショップ、大手デパート、銀行、映画会社、携帯会社やIT企業などすべてを網羅している。【32】 このような歪んだ価値観が至るところに普及し、主流となったのは多国籍企業のグローバル化が原因である。

 

d. 歪んだ価値観を拡散する国連

1990年、世界保健機関(WHO)は、同性愛は精神病ではないと発表し、世界の同性愛運動に拍車をかけた。グローバル化の影響のもと、エイズが世界的に蔓延した。エイズ罹患率の高い同性愛の人たちに対して、社会は常に懸念を示し、人々は議論していた。そこで、共産主義は同性愛運動を広げることにした。医療従事者たちは、同性愛のエイズ患者たちに、隠さずに積極的に治療を受けるよう盛んに勧めた。ごく自然に、同性愛に対する道徳的受容も進んだ。アフリカ、アジア、ラテン・アメリカへ提供されるエイズ撲滅の支援金は、一方で同性愛運動を高めるきっかけを作った。【33】

南アフリカは、国連人権理事会で性的指向と性自認を人権の指標とする新しい条約を検討した世界初の国家である。その条約は最終的に採択された。性的指向と性自認を標的にした国連初の決議である。【34】 それらの同性愛が自然な権利に帰すると定義することによって、かつては逸脱していると思われた概念が標準化された。

子どもの権利条約第13条は、「児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書きもしくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とかかわりなく、あらゆる種類の情報および考えを求め、受けおよび伝える自由を含む」と明記している。【35】

一部の学者は質問した。もし両親が子どもに悪魔のシンボル入りTシャツの着用を禁じたら、それは子どもの権利を侵害することになるだろうか? 子どもたちは、自分たちが望むことを両親に伝える方法を選択する権利があるのだろうか?【36】 子どもたちは、正しい判断力に欠けているかもしれない。もし子どもたちが暴力を起こし、あるいはモラルに反する行為を行っても、両親は子どもをしつけることができるだろうか?

これらの懸念に対しては、何の保障もされていない。2017年、カナダのオンタリオ州は、子どもの性的表現に対して両親が否定することを禁じる(つまり、子どもたちは自分の性別を選べる)法案を通過させた。子どもが選択した性別を受け入れない親は、児童虐待とみなされ、国によって子どもから引き離される可能性もある。【37】

従って、共産主義はグローバル化を利用し、包括的なやり方で、伝統文化と道徳的価値観を変異させ、破壊した。利用されたのは、先進国、グローバル企業、国際機関などである。人々は見せかけだけの、便利でグローバルな生活スタイルに浸っている。しかし、人々は自分たちの考え方や意識が急速に変化させられていることに気づいていない。ほんの数十年間に、これらの全く新しい概念が津波のように世界中を飲み込んだ。この概念が浸透した場所の文化と文明は失われる。最も古くて閉鎖的な地域さえ、それは免れがたい。

伝統文化こそが人類存在の根源であり、人類が道徳基準を維持するための要である。これは、人類が創造主に救い済度されるかどうかの鍵である。グローバル化の過程で、伝統文化は変異し、共産邪霊によって破壊された。人類文明は史上最悪の危機に直面している。

 

結論

さまざまな国家や国々が、千年の時を超えて存在している。地域、社会形式、政治制度が異なり、また言語、文化、精神的気質もさまざまだが、すべては共通の普遍的価値観を持っている。この価値観こそが、あらゆる民族に備わった伝統文化の核である。

100年前に共産主義が世界の舞台に踊り出た後、伝統文化は堕落し、大規模に破壊された。人類はすでに非常に危険な状況にある。

10月革命の後、共産主義はロシアと中国を支配した。この東側の強国は伝統文化の担い手だったエリート層を抹殺し、伝統文化を破壊した。第二次世界大戦後、共産主義国家は国連やその他の国際機関に浸透し、民主的なプロセスを悪用して小国を買収した。その結果、多数派が少数派を圧倒し、国連を大きな政府として利用した。まさに、国連を利用して世界を汚職まみれにした。

冷戦終結後、共産主義は世界で政治、経済、文化の協力関係を結び、グローバル化を広げてコントロールし、逸脱した価値観を世界中に普及させた。普遍的価値観と伝統は系統的に破壊された。今はまさに、共産邪霊が世界を統治している。

今日、国家を越えた政治や経済グループが膨大な資源を保有している。彼らの影響力が人類社会のすべてに及んでいる。環境、経済、貿易、軍事、外交、科学技術、教育、エネルギー、戦争、移民などの大きな問題から、娯楽、ファッション、生活スタイルなどの小さな事まで、すべてはこのグローバリスト(グローバル化を支配する人たち)によって操られている。もし世界政府が形成されるならば、彼らの一声ですべての人類を変異させ、破壊することも可能である。
共産邪霊はグローバル化とその他の手段を利用し、人類社会をほんの数百年で荒廃させた。西側も東側も、完全に崩壊寸前である。

人類が伝統文化に立ち戻れば、主権国家と国際交流の場に、普遍的価値観と伝統文化を取り戻すことができる。これは普遍的価値観と伝統文化を取り戻すために必要な事であり、神の加護と恵みのもとで、人類が共産邪霊を追い払い、輝く未来へと進むための道である。

 

参考文献

[1] Karl Marx, Manifesto of the Communist Party (Marx/Engels Internet Archive), https://www.marxists.org/archive/marx/works/1848/communist-manifesto/ch04.htm.
[2] Karl Marx and Friedrich Engels, The German Ideology, Vol. I, 1845, https://www.marxists.org/archive/marx/works/1845/german-ideology/index.htm.
[3] V. I. Lenin, “The Third, Communist International,” Lenin’s Collected Works, 4th English Edition, Volume 29 (Moscow: Progress Publishers, 1972), 240–241, https://www.marxists.org/archive/lenin/works/1919/mar/x04.htm.
[4] G. Edward Griffin, Fearful Master: A Second Look at the United Nations (Appleton, Wis.: Western Islands, 1964), Chapter 7.
[5] William Z. Foster. Toward Soviet America (International Publishers, 1932), Chapter 5.
[6] James Bovard, “The World Bank vs. the World’s Poor,” Cato Institute Policy Analysis No. 92, September 28, 1987, https://object.cato.org/sites/cato.org/files/pubs/pdf/pa092.pdf.
[7] The World Bank, “Poverty: Overview,” https://www.worldbank.org/en/topic/poverty/overview.
[8] Dani Rodrik, The Globalization Paradox: Why Global Markets, States, and Democracy Can’t Coexist (Oxford: Oxford University Press, 2011), 19.
[9] Sarah A. Webster, “Inside America’s Bold Plan to Revive Manufacturing: It’s All About the Technology,” May 14, 2015, https://www.sme.org/american-manufacturing-and-nnmi/.
[10] U.S. Bureau of Labor Statistics, “A Profile of the Working Poor, 2016,” July 2018, https://www.bls.gov/opub/reports/working-poor/2016/home.htm.
[11] Alex Kingsbury, “Declassified Documents Reveal KGB Spies in the U.S.: Alger Hiss, Elizabeth Bentley, and Bernard Redmont Are the Subjects of Scrutiny,” U.S. News, July 17, 2009, https://www.usnews.com/news/articles/2009/07/17/declassified-documents-reveal-kgb-spies-in-the-us.
[12] William F. Jasper, Global Tyranny… Step by Step: The United Nations and the Emerging New World Order (Appleton, Wis.: Western Islands Publishers, 1992), 69.
[13] 同上., 69–70.
[14] “FBI Chief Finds Red Spies ‘Potent Danger,’” Los Angeles Times, May 4, 1963, as quoted in G. Edward Griffin, The Fearful Master: A Second Look at the United Nations, Chapter 7.
[15] Jasper, Global Tyranny, 75.
[16] Colum Lynch, “China Enlists U.N. to Promote Its Belt and Road Project,” Foreign Policy, May 10, 2018, https://foreignpolicy.com/2018/05/10/china-enlists-u-n-to-promote-its-belt-and-road-project/.
[17] See Robert W. Lee, The United Nations Conspiracy (Appleton, Wis.: Western Islands, 1981); William F. Jasper, The United Nations Exposed: The International Conspiracy to Rule the World (Appleton, Wis.: The John Birch Society, 2001); Dore Gold, Tower of Babble: How the United Nations Has Fueled Global Chaos (New York, Crown Forum, 2004); Joseph A. Klein, Global Deception: The UN’s Stealth Assault on America’s Freedom (Los Angeles: World Ahead, 2005); Eric Shawn, The U.N. Exposed: How the United Nations Sabotages America’s Security and Fails the World (New York: Penguin Books, 2006); Daniel Greenfield, 10 Reasons to Abolish the UN (David Horowitz Freedom Center, 2011).
[18] Dore Gold, Tower of Babble: How the United Nations Has Fueled Global Chaos (New York, Crown Forum, 2004), 3.
[19] Gold, Tower of Babble, 1–24.
[20] As quoted in Robert Chandler, Shadow World: Resurgent Russia, The Global New Left, and Radical Islam (Washington, D.C.: Regnery Publishing, 2008), 403–4.
[21] Griffin, Fearful Master, Chapter 11.
[22] As quoted in Jasper, Global Tyranny, 90.
[23] Humanist Manifesto II, American Humanist Association, https://americanhumanist.org/what-is-humanism/manifesto2/.
[24] Hilary F. French, After the Earth Summit: The Future of Environmental Governance, Worldwatch Paper 107, Worldwatch Institute, March 1992, 6, http://infohouse.p2ric.org/ref/30/29285.pdf.
[25] Jasper, Global Tyranny…Step by Step, 71.
[26] As quoted in Chandler, Shadow World, 401.
[27] Chandler, Shadow World,, 401–3.
[28] W. Cleon Skousen, The Naked Communist (Salt Lake City: Izzard Ink Publishing, 1958, 2014), Chapter 12.
[29] Bernard Connolly, The Rotten Heart of Europe: Dirty War for Europe’s Money (London: Faber & Faber, 1997), Kindle edition, location 113–118.
[30] “Sign the Boycott Target Pledge!” American Family Association, https://www.afa.net/target.
[31] Hayley Peterson, “Outraged Shoppers Threaten to Boycott Target after a Man Exposes Himself to a Young Girl in a Store’s Bathroom,” Business Insider, April 6, 2018, https://www.businessinsider.com/target-faces-boycott-threat-after-man-exposes-himself-in-womens-bathroom-2018-4.
[32] Samantha Allen, “All the Things You Can No Longer Buy if You’re Really Boycotting Trans-Friendly Businesses,” The Daily Beast, April 26, 2016, https://www.thedailybeast.com/all-the-things-you-can-no-longer-buy-if-youre-really-boycotting-trans-friendly-businesses.
[33] Graeme Reid, “A Globalized LGBT Rights Fight,” Human Rights Watch, November 2, 2011, https://www.hrw.org/news/2011/11/02/globalized-lgbt-rights-fight.
[34] 同上.
[35] United Nations, Office of the High Commissioner, Convention on the Rights of the Child, https://www.ohchr.org/en/professionalinterest/pages/crc.aspx (last visited Jan 25, 2019).
[36] Jasper, Global Tyranny…Step by Step, 148.
[37] Grace Carr, “Ontario Makes Disapproval of Kid’s Gender Choice Potential Child Abuse,” The Daily Caller, June 5, 2017, https://dailycaller.com/2017/06/05/ontario-makes-disapproval-of-kids-gender-choice-child-abuse/.

 

つづく 第十八章 中国共産党のグローバルな野望(上)

 

『悪魔が世界を統治している』

目次

序章
第一章   人類を壊滅する邪悪の陰謀
第二章   始まりはヨーロッパ
第三章   東側での大虐殺
第四章   革命の輸出
第五章   西側への浸透(上)
第五章   西側への浸透(下)
第六章   神に対する反逆
第七章   家族の崩壊(上)
第七章   家族の崩壊(下)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(上)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(下)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(上)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(下)
第十章   法律を利用する邪悪
第十一章  芸術を冒涜する
第十二章  教育の破壊(上)
第十二章  教育の破壊(下)
第十三章  メディアを乗っ取る
第十四章  大衆文化―退廃と放縦
第十五章  テロリズムのルーツは共産主義
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(上)
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(下)
第十七章  グローバル化の中心は共産主義
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(上)
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(下)
おわりに