英、CGTNの放送免許取消しを検討 「規則への重大な違反」

2020/07/30
更新: 2020/07/30

英情報通信庁Ofcom)は今月初め、中国国営中央テレビ(CCTV)傘下の英語放送チャンネルCGTNが、英国の放送規則に定められている公正・中立やプライバシーの原則に重大な違反をしたと判断し、CGTNの放送許可の取り消しを検討している。

英紙ガーディアンは7月26日、Ofcomが現在「中国当局に拘束されていた英国人のピーター・ハンフリー氏、そしてスウェーデン人の人権活動家らの自白放送などを含む3つの項目」でCGTNに対し、調査を開始していることを報告した。

国際人権団体、セーフガード・ディフェンダーズは「政治によって完全に統制されたメディアだ」と訴え、CGTNの放送を全面禁止するよう求めた。

Ofcomへ陳情書を提出した者の中には、昨年8月に香港民主化デモで、中国当局に拘束され売春の自白を強要された駐香港英国総領事館の元職員のサイモン・チェン氏もいた。CGTNが、同氏が自白したとする映像を英国内で放送したことは英国の放送基準に違反したと訴えた。

英国の多くのテレビプラットフォームで放送するCGTNは2019年、ロンドンにスタジオを開設し、ヨーロッパでの影響力を大幅に高めた。

英国最大の野党である労働党はOfcomのメラニー・ドーズCEOに連絡を取り、CGTNの懲戒処分を要求する予定だという。

英国労働党の文化大臣であるジョー・スティーブンス氏は、「CGTNはOfcomの規則に重大な違反の歴史がある。CGTNに罰金を課すことは可能だが、しかし罰金は抑止力が小さいので、適切な制裁を見直す必要がある」と主張した。

英国政府は、米国にならって「外国代理人登録法」など、より厳格な安全保障法が導入される可能性を示唆している。これが実現されれば、英国内のあらゆる個人や組織が、外国政府のために秘密裏に活動することは違法になることを意味する。

英国政府がファーウェイを5Gネットワークから外すことを決定したことや、香港の国家安全保障法への対応で、英中間の緊張が高まっている。

(大紀元日本ウェブ編集部)