中国EV車メーカー、米で提訴される 合弁計画の盗用で

2020/08/10
更新: 2020/08/10

中国自動車部品最大手の万向集団傘下の電気自動車(EV)メーカーカルマ社(Karma Automotive)は最近、他社の合弁計画を盗み取ったとして、米カリフォルニア州の裁判所に提訴された。

8月5日の報道によると、米新興自動車メーカー「VLFオートモーティブ社」(VLF Automotive)は今年6月、カルマ社を商業機密盗用の罪でカリフォルニアの裁判所に訴訟を起こした。

VLF社は訴訟の中で、昨年秋にカルマ社と「ハンヴィープロジェクト」計画を共有し、「両社の共同出資で同自動車を中国市場に発売する機密保持契約を締結した。しかし、カルマ社の周亮(Lance Zhou)最高経営責任者(CEO)は、VLFの協力メーカーと無断で連絡を取り、単独で同自動車を生産・中国市場への投入を企んだ」と述べている。

VLFは、同プロジェクトへの投資損失と、株式で期待される利益を補うため、少なくとも1850万ドルの損害賠償をカルマ社に求めている。

カルマ社は、米・南カリフォルニアを拠点とし、その前身は2013年に経営破綻し、破産申請した米高級電気自動車会社フィスカー・オートモーティブ社。のちに、中国最大手の自動車部品メーカーである万向集団に買収され、2015年9月「Karma Automotive」に名称を変更した。しかしその後の業績は芳しくなく、2019年は1000台しか売れず、同年末には150人近くの従業員を解雇した。

中国大手民間企業である万向集団は、その内部に共産党支部を持ち、創業者の息子は党書記とCEOを兼任している。また2018年と2019年の2回、慈善信託の設立を公言した。関連資産はすべて信託機構へ引き渡され、一族の手から離れた。

同集団の財務報告によると、2019年上半期末の時点で、総負債額は1040億7300万元、負債対資産比率は84.69%に達した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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