[ニューヨーク 17日 ロイター] – 米国で深刻な社会問題となったオピオイド汚染を巡り、多数の州がオピオイド系鎮痛剤「オキシコンチン」を手掛ける米製薬会社パーデュー・ファーマに対し、計2兆2000億ドルの賠償請求を申し立てたことが裁判所の資料で17日、明らかになった。
49の州と首都ワシントン(コロンビア特別区)、複数の米領は裁判所に提出した資料で、パーデューがオピオイドの乱用や過剰摂取のリスクを実際より小さく伝えて医師に処方を増やすよう促していたと主張。
賠償請求の申し立てはパーデューの破綻手続きの一環として行われた。これによると、米国では1999─2016年の期間に医師が処方したオピオイド系鎮痛剤が直接の原因で20万人以上が死亡したという。
同社は2019年に米連邦破産法11条の適用を申請。同社にはオピオイド乱用問題を巡り2600件を超える訴訟が起こされていた。
同社と創業一族であるサックラー家は、不適切な手法でオピオイド系鎮痛剤を売り込んだとする原告側の主張を否定し、オピオイド汚染への対策に協力すると約束している。
今回明らかになった賠償請求について、同社は、訴訟の解決や経営再建に向けて引き続き取り組んでいるとコメントした。サックラー家の広報担当からコメントは得ていない。
州の申し立てに加え、米司法省も180億ドルを上回る罰金などの支払いを同社に求めている。
事情に詳しい関係者によると、連邦検察当局はパーデューの破綻手続きに関連して裁判に提出した資料で、同社は医師が必要のないオピオイド系鎮痛剤の処方箋を出すことを許容し、時に違法なリベートも支払うことで、公的医療保険制度への不正請求を助長したと主張。
司法省はまた、同社が連邦食品薬品化粧品法やリベートを禁止する法律などに違反した疑いを巡り罰金の支払いが必要になる可能性を指摘しているという。
同省はこの問題についてこれまでのところコメントしていない。
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