中国は人口統計を「でっちあげ」、危機を隠蔽=経済学者

2020/09/14
更新: 2020/09/14

世界的に有名な経済学者は中国が差し迫った人口危機を隠蔽するために、人口統計データを改ざんしていることを指摘し、中国の実際の人口問題は日本以上に深刻であり、その労働力の減少は今後10年間で深刻な不況を招く可能性があるとの見解を述べた。

インドのMICAビジネススクールの学長を務めるシャイレンドラ・ラージ・メタ(Shailendra Raj Mehta)氏は経済学と戦略的管理を専門分野とする世界的に有名な経済学者であり、パデュー大学で16年間教鞭をとり、その後、ハイテク企業Simulexを共同設立した。

メタ氏は9月8日、印ニュースサイト「インディアン エキスプレス(The Indian Express)」に「収縮中の中国」と題する記事を発表した。

同記事では、中国が世界最大の人口を持つ国としての地位を維持するために、男女比の不均衡や急速に減少する労働力を隠蔽し、人口統計データを改ざんしていると指摘し、10年以内に中国の人口問題は必然的に表面化すると予測した。

中国国家統計局のデータによると、2019年末の人口は14億人となっており、うち男性が7億1500万人、女性が6億8400万人で、男女比率は104.5対100。出生数は1465万人、死亡数は998万人で、人口は467万人増加したという。

「これらの数字は合理的に聞こえるが、実際にはただの美しい幻想でしかない」とメタ氏は厳しく指摘した。

架空の男女比率

メタ氏は、まず最初に中国の過去40年間の出生性比(SRB)に焦点を当てた。

出生性比とは、新生児の男児と女児の比率で、どの地域、どの時代でもほとんど変わることがない人口統計学における重要な概念である。

同氏によると、「1982年の中国のSRBは108で、つまり100人の女の子が生まれるごとに、同時に108人の男の子が生まれているというデータがある。これは、アジア全体に共通していた「根強い男の子への社会的嗜好」を反映していると同時に、中国では1979年の一人っ子政策が実施されて以来、人工的な性別選択が横行するようになった」という。

「それ以来、中国のSRBは徐々に上昇し、数十年にわたり高値を維持したまま、ついに2009年には121というピークに達した。35年の間で、中国のSRBは110~120の間を行き来しており、これは世界で最も悪く、最も特別な男女比である」とメタ氏は述べた。

「しかし、同時期のすべての公式統計では、全人口の性比は104と106の間にとどまっており、例えば、2019年のデータでは104.45で、数十年もの間、新生児の男の子が女の子より10~20%多いのに、人口比がわずか4.5%しか増えていないのは『あり得ない』ことであり、これには明らかな矛盾がある。これは、中国の男女比の不均衡さが公式データをはるかに超えていることを示している」と同氏は指摘した。

人口最大国の地位を維持するため数字を『でっち上げ』

メタ氏は中国の人口データは明らかに「間違っている」と分析し、中国当局が人口最大国の地位を維持するために故意に人口数字をでっち上げたことを示していると指摘した。

「2000年の中国の国勢調査データでは、5~10歳までの人口が9015万人であり、15年後の2015年には20~25歳になっているはずなので、2015年の20~25歳の人口層のデータを見ると、その数はなんと1億31万人となっていた。正常死亡による減少が見られず、逆に1千万人以上増加していることになる」

「その後の最新のデータによれば、この年齢層の人口が1億1380万人に激増したことがわかる。これは、当局が2323万人(うち男性980万人、女性1335万人)もの実在しない人口をデータに上乗せした可能性があることが推定される」とメタ氏は述べた。

「先ほど挙げた年齢層の例以外にも、同様の「操作」は他の年齢層でも見られる。とにかく、中国は『世界最大の人口大国はインドではなく、中国だ』という仮説を維持するために、少なくとも1億人以上の人口を『でっちあげている』可能性がある」とメタ氏は指摘した。

労働力と出生人口はいずれも減少

メタ氏によれば「中国の労働力、すなわち15~59歳までの人口を見ると、ピークは2011年の9億4040万人で、 その後は年々減少し2019年には8億9640万人となり、ピーク時より5%近く減少していることがわかる。このデータは公式の統計だが、それでも総人口の減少が証明された」という。

また「急速な経済成長は労働力と資本の急増によって推進されたものであり、その中でも、特に人口減少ショックによる影響は深刻である。しかし、危機に直面してもなお、中国は『自分が世界を主導する力になれる』とまだ信じている」

「彼ら(中国)は南シナ海を植民地化し、米国とインドに自分たちの国際的地位を示したいと願っており、また彼らは台湾を侵略し占領しようとしている」

「プライドとカオスの組み合わせは長くは続かず、必ず悲劇に終わる」とメタ氏は厳しく警告した。

さらに同氏は「40年近くに及ぶ大規模な不正を経て、中国の人口統計データは世界で最も信頼性が低いと考えざるを得ないでしょう。中国は人口危機に直面しており、今後10年間で、人口減少は共産党が作り出した幻想をことごとく打ち砕くだろう」と述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)