中国共産党が国内の民間企業を利用して外国の高度技術を取得し、軍事用に転用する問題について、政府は対応策を講じる。報道によると、日本は欧米4カ国と連携し、4つの先進技術分野で新たな輸出規制の枠組みづくりを図る。
日本経済新聞9月26日付は、政府は米国、英国、ドイツ、オランダに、人工知能(AI)、量子コンピュータ、バイオ技術、 極超音速の4大分野の輸出規制の新しい枠組みを作るよう協力を呼びかけると報じた。
これらの4つの分野の技術が中国企業に輸出された場合、中国共産党の指示の下で、軍事転用される可能性が大きい。これらの技術が軍事用に使われれば、兵器や暗号解読の精度が大幅に向上し、自由民主を尊重する国々にとって安全保障上の脅威となる。
報道によると、現在、世界各国は輸出統制の対象に応じ、様々な国際輸出管理レジーム(MECR)に参加している。例えば1996年、42カ国が署名したワサンナ協定では従来型の兵器や軍商複合品の輸出を規制している。
しかし、政府は、利害対象国がすべて参加する既存のMECRでは意思決定のまとめや、制限関連の決議の採択に時間がかかるとみて、先進技術国だけが参加する新しい協力枠組みを提案するという。
中国共産党は2015年、「軍民融合発展を国家戦略に掲げる」と宣言して以降、中国市場でのビジネスについて各国は警戒感を強めている。また、海外から厚遇で技術人材を招致するプログラム「千人計画」などを通じて、人民軍の発展を含め、世界中からハイレベルな知識や技術を入手している。
米議会の米中経済および安全審査委員会(USCC)と、シンクタンクであるワシントン高等国防研究センター(C4ADS)は2019年に発表した報告書で、中国軍と中国民間企業は役割の共有を拡大させていると指摘した。中国共産党は、民間企業内に共産党委員会を設立するなどして、民間企業を使い軍のために外国技術を取得する動きが強まっている。
(翻訳編集・佐渡道世)
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