[ワシントン 7日 ロイター] – トランプ米大統領は7日、ツイッターに投稿した動画メッセージで、新型コロナウイルスに感染して治療薬の効果を自ら経験できたのは「神の恵み」だったと強調し、米国民に無料で治療薬を提供する考えを示した。
トランプ氏はコロナから回復し、体調は素晴らしいと繰り返し述べた上で、「私が感染したのは神の恵みだったと思う。そうは見えないが恵みだった」とし、米リジェネロン・ファーマシューティカルズ<REGN.O>の治療薬投与後、効果が即座に現れたと語った。
米イーライリリー<LLY.N>のコロナ治療薬にも言及した。
「あなた方にも私が受けた治療を提供したい。無料でそうするつもりだ」と語った。
トランプ氏がコロナ検査で引き続き陽性反応が出ているかどうかは不明。
トランプ氏はこの日、退院後初めてホワイトハウスの大統領執務室に戻り、景気刺激策を巡る協議やハリケーン「デルタ」について説明を受けた。
当局者によると、トランプ氏がホワイトハウスのスタッフなどを感染させるリスクを回避するため、廊下は通らずに庭園ローズガーデンから大統領執務室に入ったと明らかにした。トランプ氏は5日夜にワシントン郊外の米軍医療施設を退院後、ホワイトハウスの居住棟で治療を受けてきた。
トランプ氏に説明を行ったメドウズ大統領首席補佐官は防護具を着用したという。
トランプ氏は説明を受けた直後にツイッターに「ハリケーンデルタについて説明を受けたばかりで、テキサス州のアボット知事とルイジアナ州のエドワーズ知事と話した」と投稿した。
ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー氏は声明で、過去24時間、トランプ大統領に新型コロナウイルス感染症の症状は確認されていないと説明。過去4日以上発熱しておらず、入院以降に酸素吸入も受けていないとした。
身体検査の結果や血圧、心拍数、呼吸は「全て安定的で正常範囲内」にあるとした。
一方、米大統領選まで30日を切る中、トランプ大統領が選挙活動や大統領職務の再開を待ち切れずにいると、トランプ氏の側近らが7日明らかにした。
側近らによると、支持率でトランプ大統領をリードしている民主党の大統領候補バイデン前副大統領に攻勢をかけるために、国民にメッセージを伝える方法を模索してきた。動画メッセージを投稿したのもこのためだとみられる。
8日には高齢の有権者向け演説を行うことも検討されているという。
一方、ホワイトハウス内ではコロナ感染が広がっており、トランプ氏の側近のうち少なくとも19人がコロナ検査で陽性と判定された。
米国内の成人を対象に2─6日に実施されたロイター/イプソスの最新の世論調査によると、トランプ大統領のコロナ対応への支持は38%と、9月初旬に実施された調査以降の最低水準に沈んだ。9月3─8日時点には、58%が支持しないと回答していた。
また、調査の対象となった79%(民主党94%、共和党70%)が、コロナ感染拡大について「非常に」もしくは「幾分」懸念していると回答した。
トランプ大統領は、フロリダ州マイアミで15日に予定されている大統領候補テレビ討論会の参加に前向きな姿勢を示していたが、バイデン氏は前日、15日時点でトランプ大統領がまだコロに感染しているのであれば、討論会は実施すべきでないとの考えを示した。
7日夜には、両党の副大統領候補であるペンス副大統領とハリス上院議員によるテレビ討論会が開催される。
*内容を追加しました。
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