中国山東省青島市の病院では10月12日、医療従事者を含む中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者9人が確認され、集団感染の恐れがあると明らかになった。同市では9月下旬~10月初めの大型連休にかけて感染が拡大したとみられる。
青島市衛生健康委員会は11日、市内で確認された新規無症状感染者3人は、青島市胸科医院と関連すると発表した。うち1人は50代男性で、9月9日に同病院で肺結核のため受診し入院した。10月4日に退院したが、10日にPCR検査で陽性となった。もう1人は、同病院の50代の女性医療従事者。7月~9月下旬まで、同病院の入院病棟で患者の看護を行っていた。10月10日にPCR検査を受け、陽性が出た。女性の夫も感染が確認された。
山東省当局は11日深夜、青島市に医療チームを派遣し、市内で大規模なPCR検査を実施すると公表した。この結果、12日に新たに9人の感染が確認されたという。うち8人は青島市胸科医院の患者や医療スタッフで、もう1人は患者の家族。
同病院の看護師は12日、大紀元の取材に対し、「病院への立ち入りを禁止され、診察・治療活動もストップした」と話した。院内の集団感染に関する状況について、同看護師は「政府の発表を参考にするように」とした。
市内に住む医師1人は「自宅のある団地では、PCR検査を受けるよう市政府から指示があったが、現時点で外出・移動規制はまだ行われていない。息子が通う学校でもPCR検査を実施する予定」と語った。
同医師によると、中共ウイルスの感染拡大後、中国当局は北京に到着する国際便を国内の8つの地域に分散した。青島市はその地域の1つだ。「海外から到着した人たちは、まずPCR検査を受ける。問題がなければ、北京に行くことが許される。青島市胸科医院は、PCR検査を受ける入国者を受け入れていた」
青島市第三人民医院も11日、感染拡大防止のため、外来診療や救急診療を一時中止するとの通知を出した。
同市は9月下旬、すでに感染が拡大していたとみられる。市衛生健康委員会は9月24日、青島港集団有限公司の従業員に定例PCR検査を行ったところ、2人が感染したと示した。
10月1~8日までの大型連休に入る前、山東省菏澤市、遼寧省大連市や丹東市、吉林省白城市、江西省贛州市など、各地の地方政府は住民に対して、近日中、青島市に行かないよう呼びかけた。しかし、9月29日午後、山東省衛生健康委員会の馬立新・副書記は記者会見で、青島市は感染の「低リスク地域」と強調し、観光者は「安心して青島市でレジャーを楽しめる」と述べた。
青島市の感染拡大を受けて、湖北省衛生当局などは10月11日、9月27日以降に青島市胸科医院、同市北区などに訪れたことのある住民に対して、申告するようにとの通知を出した。山東省煙台市と済南市当局は、9月23日以降に青島市から来た人たちに、必ずPCR検査を受けるよう要求した。
青島市の公表では、大型連休で同市を訪れた国内観光者は447万5800人に達した。復旦大学公共衛生学院の姜慶五教授は、中国メディアに対して、青島市の新規感染者12人が大型連休中に自宅に戻ったことで、感染者がさらに増えると懸念を示した。
(翻訳編集・張哲)
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