米エクソン、米国とカナダでの人員削減を近く発表へ=社内メール

2020/10/22
更新: 2020/10/22

[ヒューストン 21日 ロイター] – 米石油大手エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は21日、従業員宛てのメールで、米国とカナダの従業員規模見直しが完了「間近」で、人員削減を発表する見通しだと明らかにした。

人員削減は今春に打ち出した、会社としての機能の刷新と競争力強化に向けた計画の一環だと説明。

営業経費は目標より10億ドル多く削減し、設備投資の削減目標も100億ドル超過達成しているが、新型コロナウイルスの世界的流行で原油需要は約20%減少し、石油事業に「壊滅的な影響」を与えたと強調した。

従業員規模見直しについては、取締役会が説明を受けてからすぐに従業員に詳細が伝えられることになるとした。「当社は依然、かなりの逆風に直面しており、さらなる課題がある。残念ながら、追加削減が必要だ」と記した。

同社は上半期に17億ドル近い赤字を計上し、リフィニティブのIBESがまとめた第3・四半期決算のアナリスト予想は11億7000万ドルの赤字となっている。

エクソンは今年の原油価格急落への対応で他社に後れを取っており、赤字と150億ドルの年間配当支払いで悪化したバランスシートを補強するために230億ドルの借り入れを行っている。

英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPは全従業員の最大15%の削減を発表しており、米シェブロンは従業員に新たなポストに応募するよう要請した。

エクソンのウッズCEOは今回の需要喪失は2008年金融危機当時の5倍の規模だと指摘。ただ、「業界の現在の過少投資が、近い将来に当社製品への需要を増やすことになる」との見通しを示した。

レイモンド・ジェームズのアナリスト、パベル・モルカノフ氏は、全ての石油会社が一様に需要喪失に直面しているが、エクソンは債務を増やさずに多額な配当を払い続けるという約束が重しになっていると分析。借り入れなしの配当支払いを実現するには米原油価格はバレル当たり10ドル上昇する必要があるとした。

「経営陣がこの約束の撤回を迫られれば、信用を傷付けることになる」と語った。

Reuters