米フィラデルフィア州チェスター郡のウエスト・ホワイトランド郡区警察署12日の発表によると、トランプ氏の弾劾裁判で弁護を務めたマイケル・ヴァン・デル・ヴィーン(Michael van der Veen)弁護士の自宅が荒らされた。
ヴィーン弁護士は記者団に対し、「昨夜、私の家が荒らされた。窓ガラスが割られ、ペンキでひどい言葉をあちこちに書かれた」と話し、「100件近くの殺害脅迫を受けた」と付け加えた。
「あなたたちは私を知らないけど、私は物議を醸すような男じゃない。私は政治的な考えを持っていない。私は法廷弁護士で、法廷で人々の利益を代表している。それが私の仕事で、私はそれが好きだ。ただ自分の仕事をした結果、このようなことが起こり失望している」と彼は述べた。
CBS3の「Eyewitness News」のカメラは、ヴィーン弁護士の自宅の私道に、赤いスプレーで書かれた「裏切り者(traitor)」という言葉をとらえた。
同警察署によると、13日の時点で逮捕者は出ておらず、さらなる事件を阻止するために警察が周辺を警備している。
一方、フィラデルフィア・インクワイアラー紙は、抗議者らがヴィーン弁護士の法律事務所を標的にして、「ヴァン・デル・ヴィーンが嘘をついたらどうする?有罪だ、有罪だ」と叫んでいたと伝えた。
ヴィーン弁護士は13日の閉廷弁論で、トランプ氏に対する2回目の弾劾裁判は、党派的憎悪によって煽られたもので、「最初から最後まで、単なるジェスチャーだ」と主張した。
「トランプ氏が反乱を奨励したり、認めたと思われるような証拠は、弾劾裁判の中で一度も出されなかった」と彼は述べた。「煽動行為はなかった。彼は1月6日または選挙後のいかなる日においても、いかなる扇動的な言葉も使っていない」
弾劾裁判で民主党下院議員らは、大統領選挙で不正投票が行われたとトランプ氏が主張し、支持者たちに「死に物狂いで戦う(fight like hell)」と言ったため、1月6日の議事堂侵入事件が起こったと主張した。しかし、弾劾責任者らの主張は、トランプ氏が支持者に「平和的に、愛国的に、あなたの声を発してください」と話した部分を省いていた。
トランプ氏の弁護団は、議事堂に侵入した抗議者らは自発的に行動し、トランプ氏の発言は言論の自由によって保護されていると主張した。上院共和党議員らは、「死に物狂いで戦う」のような言葉が煽動にあたるとすれば、「アメリカのすべての政治的候補者は扇動の罪がある」と指摘した。
テッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州選出)は11日、「この部屋にいる100人の上院議員全員が、過去に演壇に立ち、『戦う、または死に物狂いで戦う必要がある』と言った事がある」と述べた。
13日、上院は最終的に57対43の投票でトランプ氏を無罪とした。民主党はトランプ氏を有罪にするために67票を必要としていた。50人全ての民主党議員は有罪票を投じ、7人の共和党議員もこれに加わった。
トランプ氏は無罪判決に対して声明を発表し、支持者に感謝の意を表した。声明で、民主党は「法の支配を否定し、法の執行機関を非難し、暴徒を声援して擁護し、正義を政治的報復の道具に変えた。意見が異なるすべての人々を迫害し、ブラックリストに載せ、取り除き、抑圧している。そして彼らは自由にそれを行うことが許されている」と批判した。
「私は常に、揺らぐことのない法の支配、そして法執行機関の英雄たちを支持する。アメリカ人が悪意も憎しみもなく、平和的かつ名誉ある形で、問題について議論を行う権利を私は擁護して来た。そして、これからもそうし続ける」と彼は述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)