中国共産党中央規律検査委員会は13日、伝統気功グループ、法輪功を弾圧する機関「610弁公室」の彭波・前副主任(64)が、「重大な規律違反と違法行為」の疑いで、同委員会と国家監察委員会の取り調べを受けていると発表した。彭氏は汚職の容疑で失脚したとみられる。
彭氏は2012年以降、周永康氏、李東生氏などに続いて失脚した5人目の610弁公室の高官となった。
610弁公室は「党中央邪教問題防止・処理領導小組」の下部組織として、1999年6月10日に設立した。
同弁公室は、中国共産党の法輪功弾圧直属機関であるため、司法制度を凌駕し、法輪功弾圧に警察や検察、軍、プロパガンダ機関、教育機関などを統括する絶大な権力を持っている。朱鎔基氏、温家宝氏と李克強氏の中国行政府の長は同機関への任命権限を有しない。
過去20年間以上、4600人の法輪功学習者が当局の迫害で亡くなったと法輪功の情報を発表する明慧ネットは述べている。当局の情報統制のため、実際に死亡した学習者はより多いとみられる。さらに、同弁公室は、法輪功学習者への強制臓器収奪を主導したと指摘されている。
米議会超党派組織、「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)」は2011年に提出した報告書で、610弁公室は中国共産党の支配下にある「法外の機関」で、法輪功学習者への誹謗中傷、監視、情報収集、思想教育、実刑判決、拷問、殺害を行っていると示した。
中国当局は2018年3月、政府機関改革の一環として、610弁公室を、司法や警察などを主管する「党中央政法委員会」と公安省の下部組織に格下げした。これ以降、党中央から地方までの610弁公室は秘密裏に法輪功弾圧を進めるようになった。
一方、中国ネット上では現在、彭波氏に関するプロフィールなどの情報や写真が当局によって削除された。
ネット検索に残った情報では、彭氏は中国青年雑誌社の総編集長や社長を務め、共産党中央対外宣伝弁公室、国家インターネット情報弁公室などで要職に就いていた。党中央規律検査委員会の13日の声明で、同氏が610弁公室の高官だったことが初めて分かった。
(翻訳編集・張哲)
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