[ワシントン 14日 ロイター] – バイデン米政権は14日、黒人社会が抱える問題を解決するため、経済・刑事司法改革を進めていく方針を示した。
バイデン大統領は、公民権運動の黒人活動家アル・シャープトン師が主催した会議に寄せたビデオメッセージで「(17世紀の奴隷制導入以降)400年にわたって叫ばれ続けてきた正義を求める声」に応える必要があると主張。
ガーランド司法長官も、刑事司法制度改革や警察の不正行為取り締まりを提唱したほか、大量の収監や連邦政府による民間刑務所の利用を中止すべきだと訴えた。
バイデン大統領は12日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で11日に黒人男性が警官に射殺された事件について、「悲劇的」だとした上で、格差是正に全力を尽くす意向を示した。
同じ会議に出席したイエレン財務長官も「経済・道徳面で深刻な課題がある」とし、黒人社会を悩ませている資産格差と雇用機会の格差について的を絞った対策を通じて是正していく意向を示した。
バイデン政権は今週、警察労組や公民権活動家との協議を受け、警察監督機関の新設計画を棚上げし、3月に下院を通過した警察改革法案の成立を優先することを決めた。
ただ、法案には警察労組と共和党が反対。警官による首を絞める行為を制限することや、警官にボディーカメラを装着することには支持が集まっているが、免責による警官の保護を制限することに反対意見が出ており、上院通過のめどは立っていない。
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