ロイター 南シナ海の緊張が高まる中、2021年4月中旬に2週間の予定でフィリピン軍と米軍が合同軍事演習を開始した。
2019新型コロナウイルス急性呼吸器疾患(COVID-19)パンデミックの影響で2020年は年次恒例の軍事演習「バリカタン」が延期されていたが、南シナ海の比海域に海上民兵が乗船する数百隻の中国船舶が最近結集した事態を受け、フィリピン政府が中国に抗議を申し立てた後に米比が同演習を決行した。
荒天による暴風を避けるために一部の漁船が同海域に退避したに過ぎず、海上民兵は乗船していないというのが中国外務省(中華人民共和国外交部)側の主張である。
フィリピン軍当局の発表によると、タガログ語で「肩を並べる」を意味する「バリカタン」という名称の同演習は、野外機動訓練ではなく図上訓練とシミュレーション形式での演習が中心となる。
社会的距離を確保するため、参加兵士数を前年の約8,000人から1,000人近くに減らしての実施となった。演習の指揮を執るフィリピン軍のエドガード・アレバロ(Edgard Arevalo)少将の説明によると、対面活動を伴わない実弾射撃訓練を除きすべての地上演習はキャンセルされた。 デルフィン・ロレンザーナ比国防相は声明の中で、同合同訓練により「ますます複雑化する同地域の状況の中、従来型・非従来型の安保課題に対処する能力を強化できる」と述べている。
4月11日に電話会談を行ったロレンザナ国防相とロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官は、演習、南シナ海の状況、最近の地域安保の進展について協議している。
比国防相と米国防長官はまた、両国が締結している「訪問米軍に関する地位協定」の重要性を繰り返し確認した。同協定はフィリピンにおける米軍の活動に関する法的枠組を定めるものである。
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