比大統領、中国寄贈のワクチンを拒否 「未承認で危険」

2021/05/07
更新: 2021/05/07

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は5日、同国に寄付された中国医薬集団( シノファーム)製の中共ウイルス(新型コロナウイルス)ワクチン1000回分を引き取るよう、駐比中国大使に要請した。大統領自身は3日に接種したが「危険なので、決して私の真似をしないように」と呼び掛けた。

BBCの報道(6日付)によると、ドゥテルテ大統領は「 シノファーム製ワクチンは比当局によって承認されていないため、中国が今後フィリピンに寄付するならば、当局が承認した科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンにすべきだ」と述べたという。

現地メディアの報道によれば、ドゥテルテ氏は国民に対し、「様々な副作用を引き起こす可能性があるため、非常に危険だ。捨てれば良い。接種を受けた人は私だけで十分だ」と接種を控えるよう呼びかけた。

フィリピンは東南アジアで感染被害が最も深刻な国の1つである。これまで合計100万人以上の感染者と約1万8000人の死者を出している。しかし、ワクチンの安全性への懸念から、国民の半数以上がワクチン接種を拒んでいる。

昨年12月にも大統領の護衛隊員らが未承認の中国製ワクチンを接種し、批判されていた。

世界保健機関(WHO)の戦略的諮問委員会(SAGE)は5日の公式サイトで、シノファーム製ワクチンについて、「全般的に有効性は認められるが、一部の患者の重大な副反応リスクについて、データでは信頼性が極めて低い」との見解を示した。

また、シノバック製ワクチンについても、60歳未満の重大な副反応のリスクは低く「中程度」の信頼性はあるものの、60歳以上については同リスクが低いとの信頼性は「低レベル」だとした。

(大紀元日本ウェブ編集部)