広東省で電力不足 日系企業に「週2休業」の急な要求も

2021/05/12
更新: 2021/05/12

中国広東省では5月から、広州市や東莞市など一部地域で電力不足による電力調整を行っている。東莞市の日系企業の中には、前夜に「明日停電する」と急な連絡を受けた企業や、4月末に5月から週2日の休業要請を受けたケースもある。日本貿易振興機構(ジェトロ)がウェブサイトで状況を伝えた。

広州市政府は5月10日、「2021年広州市の秩序だった電力使用に関する方案」を発表し、全省で電力供給が逼迫しており、企業への電力供給を調整すると発表した。当局の説明では、電力不足の主因は少雨の影響で、水力発電量が減少しているためだという。

ジェトロは、突然の電力調整により、日系企業の経済活動に影響が出ていると指摘する。事例として、広州市花都区に進出する日系自動車部品メーカーの境遇を紹介した。

11日、この企業は供電局から「電力供給を優先保障する企業28社に対して市電力ピーク緊急調整措置を実施する」という通知を受けた。同社は電力供給の優先企業だが、緊急通知を受けた20分後に電力使用量を211キロワット以下に引き下げること、また緩和許可通知を受けるまで通常電力に戻してはならないと要求された。

さらに、非優先企業に対して週1日の休業要請もみられるという。ジェトロによれば、11日に東莞進出日系企業から寄せられた情報だけでも、休業要請を受けた企業は10社を超える。

繁忙期の企業では「自社の発電機で対応する予定」と対処に苦慮している模様だ。企業からは「生産計画調整が可能な1週間前には通知をもらいたい」「週1回の操業停止命令ならば、自社で停止日を指定させてほしい」といった意見が寄せられているという。

広東省は昨冬にも大規模な停電が発生している。12月21日未明、広州や東莞、深セン、仏山、珠海などの都市で、予告なく1時間の停電が発生した。電力当局は「故障」と説明しているが、同じ時期に浙江省、湖南省、江西省で電力の供給制限があったことから、同様に電力量の逼迫による制限との噂がオンラインで飛び交った。

12月22日、中国南方電網広東電網は、広東省の電力需給に対する供給の「余力は十分」とし、今冬から来春にかけて制限はないと説明していた。

(大紀元日本語ウェブ)