英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相とインドのナレンドラ・モディ首相は5月4日のオンライン会談で、「2030ロードマップ」という中期的な行動計画について合意した。将来的には、自由貿易協定(FTA)の交渉も開始する考えを明記し、保健、環境保護、通商や学術交流などの面においても協力を深まることで一致した。
同日、ロードマップにおいて移民やビザ政策も言及された。英国のプリティ・パテル内務大臣とインドのスブラマンヤム・ジャイシャンカール外相は両国の人の移動と移民に関する覚書を締結。青年就業制度を導入する。英国は、同制度を日本など9カ国と締結しているが、訪問ビザを免除していない国に対して同制度を導入されたのはインドが初めて。
また、ジョンソン首相は民間企業による両国の総額10億ポンド相当の貿易・投資案件も発表した。インドの企業19社が5億3300万ポンドを英国に投資し、英国からは石油大手BPなどが4億4600万ポンド相当の輸出をインドに拡大する。
ジェトロによると、ジョンソン首相は就任してから、本来2020年1月にインドを訪問する予定だった。しかし、中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染拡大の影響で訪問を断念し、今回のオンライン会談となったという。
5月8日、欧州連合(EU)もインドとのオンライン首脳会議で、自由貿易協定(FTA)交渉を再開すると合意した。
(蘇文悦)