米バイデン大統領、ICTサプライチェーンに対する外国敵対勢力の懸念で国家緊急事態の効力を延長

2021/05/14
更新: 2021/05/14

米国は、トランプ前政権時からの対中強硬姿勢を継続している。5月11日、米バイデン大統領は外国の敵対勢力を警戒して「情報通信技術・サービス・サプライチェーン・セキュリティ確保大統領令13873」で定められた国家緊急事態の効力を継続すると発表した。15日が期限だったが、一年間延長する。外国の敵対勢力は中国、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシア、ベネズエラの政治家ニコラス・マドゥロ(マドゥロ体制)の6つを指定している。

ロイター通信によると、米商務省は2019年5月15日、ファーウィーと関連企業68社をエンティティー・リスト(EL)に加えると発表した。同日、トランプ前大統領は大統領令13873を発令した。トランプ政権退任直前である2021年1月19日、商務省は、米国の情報通信技術(ICTS)を保護するために同令に基づいて、最終暫定規則(IFR)が発表した。同年3月22日に実効された。

バイデン政権が発足時、この規定の継続は不透明とされたが、情報通信技術に関しては現政権はトランプ政権下での動きとはほぼ同様だ。

商務省は3月と4月に「国家安全保障の脅威」調査するために複数の中国企業に召喚状を送付した。また、連邦通信委(FCC)が「安全で信頼できる通信ネットワーク法」(2019)に基づき、中国の通信関連企業5社を国家安全保障への脅威と認定した。さらに、チャイナテレコムやチャイナユニコム3社の米事業免許の取り消しに向けて手続きを開始した。

バイデン政権は3月3日、「国家安全保障の暫定指針」を公表し、このなかで新たな脅威として中国を筆頭に挙げた。「中国は安定し開かれた国際システムに継続的に課題を突きつけている。中国は自国の経済力・外交力・軍事力・技術力を組み合わせる能力を保持し得 る唯一の競争相手だ」との認識を示した。

(蘇文悦)