パンデミック以来 世界に対してルールを押し付ける中国共産党

2021/05/17
更新: 2021/05/17

中国は、新型コロナウイルスのパンデミックの発生以来、一方的な活動により世界中の国や地域に対する圧力と抑制を高めている。 昨年、中国はインドとの国境地域を占領して南シナ海での違法な主張を押しつけ、台湾に対する軍事的脅威を高め、香港を弾圧し、中国共産党(CCP)の統治を過酷な国家安全法で強要した。ほかにも様々な同様の攻撃を行った。

これらの威圧的な活動に加え、中国共産党の習近平(Xi Jinping)総書記は米国が他国に規則を押し付けていると非難している。

2021年4月20日、政治・経済・知識者が集結して今後の展望を議論する「ボアオ・アジア・フォーラム(Boao for Asia)」年次総会が中国海南省で開かれた。ボアオは、世界経済フォーラムが主催する「ダボス会議」を模倣したものだが、ボアオは中国政府が主導する。ブルームバーグが報じたところによると、習総書記はスクリーン放映された事前録画の基調講演で「1国または数か国が他国に規則を課すべきではなく世界は少数の国の一国主義に支配されるべきではない」と述べた。アナリスト等によると、習総書記は米国のことを指していた。 習総書記は、事実上の批判を行った。

米国は「自由で開かれたインド太平洋」を推進するために同盟国や提携諸国と多角的に協力してきた。例えばインド太平洋の安定を目的として、米国はオーストラリア、フランス、英国、日本などの同盟・提携諸国と南シナ海で「航行の自由」作戦を展開している。 習総書記はまた、「今日の世界で必要なのは覇権ではなく正義である」と主張した。

報道によると、彼のコメントはTwitter上で大きな批判を受けている。 少数民族の活動家らは、中国高官を国際刑事裁判所で起訴して世界に正義をもたらすことが必要だとツイートした。米国を含む多くの西側諸国は、中国共産党が「職業訓練センター」と主張している収容所で強制的な不妊や中絶手術、拷問、強制労働、家族から子どもを取り上げたり、100万人を超えるウイグル人を強制収容するなどして中国の新疆ウイグル自治区のウイグル人イスラム教徒を虐殺したとして中国共産党を非難している。西側諸国は他にも、中国共産党による香港やチベットなどでの人権侵害や台湾に対する抑圧についても非難している。

中国共産党はこれらは内政問題だと主張し続けている。 習総書記はスピーチで、「他国に指図したり内政に干渉したりすることでは誰も支持を得られない」と述べた。 インドのO.P.ジンダル・グローバル大学(O.P. Jindal Global University)のジンダル国際関係大学院長であるシュリーラム・チャウリア(Sreeram Chaulia)氏は、「アジア諸国は中国の領土侵略に対して正義が行われる事を求めている。新疆ウイグル自治区(#Xinjiang)、チベット(#Tibet)そして香港(#HongKong)の人々にも正義が必要だ。習近平(#XiJinping)は他国に説教することを止めて中国の非人道的な政策を反省するべきだ」とツイートした。

報道によるとチャウリア氏はさらに、世界は中国による新型コロナウイルスパンデミックに対しても正義が行われることを求めているとツイートした。 また、パンデミックによる経済的なストレスが増大しているにもかかわらず他国に対して一帯一路計画の推進を強制し続けた。

ブルームバーグの報道によると、中国人民銀行の前行長である周小川(Zhou Xiaochuan)氏は、一帯一路計画に関与する途上国の債務問題が悪化したことを認めた。 世界中の国は、中国が債務国に対する政治的影響力を行使するためだけで実行不可能な金融スキームに各国を押しつける掠奪的な貸付と投資の慣行について中国に警告を発している。

(Indo-Pacific Defence Forum)