[1日 ロイター] – 米議会の諮問機関である米中経済安全保障調査委員会は、米商務省が国家安全保障を保護し、中国軍に機密技術が渡るのを防ぐ責任を果たしていないとする報告書をまとめた。近く公表予定の報告書をロイターが確認した。
それによると、商務省は中国に輸出する前に精査すべき機密技術のリスト作成に時間がかかっているという。
2018年の輸出管理改革法(ECRA)で同省には新興技術や基礎技術などのリスト作成が求められているが、報告書ではこの作業の遅れが安全保障上のリスクを悪化させる恐れがあると指摘。
その上で、米輸出管理法制の強化を委ねられた商務省がこれまで、この責任を果たしてこなかったとしている。
商務省は声明で、リストが作成されていないことには直接言及せず、新興技術の管理について4つの規則を発表済みで、追加の規則を検討していると述べた。
また「軍事エンドユーザー」の規則を拡大するとともに、米企業による輸出を制限する「エンティティーリスト」に対象企業を追加したと説明した。
商務省は18年11月に新興技術として顔認識や音声認識など45例を挙げたが、リストの完成には至っていない。基礎技術についてはまだリスト案を示しておらず、カテゴリーの定義について昨年8月に意見を募集した。
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