[プノンペン 2日 ロイター] – カンボジアのティア・バン国防相は2日、米軍が中国の軍事利用を懸念している南西部のリアム海軍基地について、カンボジアが中国に改修の支援を求め、中国が基地再開発に「貢献している」と認めた。中国が同基地の近代化と拡張を助けてくれるが、基地施設へのアクセスは中国だけに限られているわけではないとも表明した。ニュースサイトのフレッシュニュースに明らかにした。
カンボジアは昨年10月、同国最大の海軍基地であるリアム基地に米国が建てた小規模施設の取り壊しを確認し、計画していた改修の一環だとしたが、中国が関与しているとの報道は否定した。米国防総省は昨年、取り壊しについてカンボジアからの説明を求めていた。
ティア・バン氏は、カンボジアの海事分野の防衛力を向上させ、基地に適切な機能を持たせ、艦船の修繕やドック入りにふさわしい港にするのが目的だと指摘した。「中国が支援に来てくれたことをカンボジアは非常に感謝している」とも述べ、「支援に条件が付けられないことも明確に話し合い済みだ」とした。
カンボジアは東南アジアでの中国の唯一の盟友。東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟していることも、中国にとっては得がたい存在になっている。ASEANは重要な決定では全加盟国の意見一致を求めるが、その決定の幾つかは中国の戦略的利害に影響する事柄だ。
一方で米国は、東南アジア地域にとって最大の貿易相手国である中国の影響力増大を抑制するため、ASEANやその加盟国への関わりを強めようとしている。シャーマン米国務副長官は1日、訪問先のカンボジアで、米国が資金を提供した基地施設の取り壊しについて改めて明確な説明を求め、カンボジア指導部に「独立性とバランスの取れた外交の維持」も要請していた。
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