米共和党のトム・コットン(Tom Cotton)上院議員は15日、バイデン大統領に書簡を送り、中国が2022年の北京冬季五輪で、参加選手からDNAを採取する可能性があることを警告した。政府に選手の保護を求めた。
米政治専門紙「ザ・ヒル( The Hill)」の報道によると、コットン議員は上院で、「米国人選手の安全とプライバシーが保証されない場合、米国は全面的かつ徹底的に北京五輪をボイコットしなければならない」と呼びかけたという。
コットン氏は書簡の中で、「五輪に参加するため、2022年には大量の世界レベルの選手が中国に集結する」「彼らのDNAデータは必然的に中国当局に狙われている。中国当局が薬物検査やウイルス検査などの名目で選手から遺伝子サンプルの採取が予想される」と書いている。
同氏はまた、「中国はDNA収集を情報収集の重要な目標と見なしている」と指摘し、米国家防諜安全保障センター(NCSC)の話を引用して、ゲノムデータは中国にとって「喉から手が出るほど欲しいものだ」と警告した。
「中国はバイオテクノロジーを使い、兵士を改造し「超人兵士(スーパー・ソルジャー)」を生み出す人体実験を行っている。そして、DNAデータを利用してバイオ技術企業が市場で優位になるよう取り組んでいると報じられている」
コットン氏はさらに、中国が国を挙げて実施している「監視システム」についても言及した。
「中国を批判する五輪選手は、中国で恣意的に拘束される可能性がある」と警告した。
英科学誌「ネイチャー」は昨年7月、中国当局が中国人男性のDNAを収集しようとしていると報じた。「犯罪捜査のため」と当局は主張しているという。プライバシー擁護団体はすでに警告を発している。
米ニューヨーク州にあるジョン・ジェイ刑事司法カレッジ(John Jay College of Criminal Justice)の法医学遺伝学者メヒティド・プリンツ(Mechthild Prinz)氏は「ネイチャー」に対し、「他の国ではそんなことは行われていない。中国共産党は一般市民をターゲットにしている。非常に強引なやり方だ」と批判した。
(大紀元日本ウェブ編集部)