2021年1月13日、ヨルダンの首都アンマンにある予防接種センターで、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症に対する中国シノファーム製ワクチンを掲げる医療従事者(KHALIL MAZRAAWI/AFP via Getty Images)

韓国政府、中国製ワクチン接種者に入国時の隔離免除 国内では不安広がる

韓国政府は7月から、中共ウイルス(新型コロナウイルス)のワクチン接種を完了した入国者に限り、韓国国内での2週間の隔離措置を免除すると発表した。対象となる数社のワクチンのなかに、中国の製薬会社のものが含まれている。韓国国内では、安全性をめぐり議論が続いている中国製ワクチン接種者の入国によって、再び感染が広がるのではないかと懸念の声が広がっている。

韓国・中央災難安全対策本部は13日、7月から新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種した国内外の人々に対して、入国後の2週間の隔離措置を免除する方針を明らかにした。入国は、ビジネスや学術・公益的、人道的(葬儀など)、公務上の国外出張などの場合に限る。免除対象となるワクチンには米ファイザー社、米モデルナ社、英アストラゼネカ社のワクチンと共に、WHOの緊急承認を得た中国シノファーム(医薬集団総公司)、シノバック(科興控股生物技術)が含まれる。

韓国は中国製ワクチン接種者に対して、隔離を免除する初の国となる。中国の国営メディアは韓国の緩和策を素早く報じ、自国ワクチンに対する「国際的な信頼」を得たと強調した。中国官営のグローバルタイムズ(環球時報)は15日、「韓国シノファームシノバックワクチンを接種した旅行者に義務検疫を免除する世界初の国になった」と伝え、「もっと多くの国々が中国製ワクチンを隔離免除条件に含めるだろう」と期待を示した。

いっぽう、韓国国内では、中国製ワクチンの低い予防効果を指摘し、今回の措置に反感を抱いている。複数の海外メディアによると、中国シノバック開発の不活化ワクチンの予防率は50.7%で、米国疾病予防管理センター(CDC)の新型コロナウイルスワクチン承認基準の50%を微かに上回る数値だ。しかし世界保健機構(WHO)の勧告基準は予防率70%以上を求めており、mRNA基盤の米ファイザー社、モデルナ社のワクチンはいずれも90%以上に達している。

中国製ワクチン接種後の再感染事例も引き続き報告されている。米国JPモルガン・アセット・マネジメントが11日に発表した「新型コロナウイルスワクチンの有効性に関する分析報告書」によると、中国製ワクチンを使用したセーシェル、チリ、アルゼンチン等で近年感染者が急増しており、米ファイザー社、モデルナ社、英国のアストラゼネカ社のワクチンを使用した諸国の感染者数が激減していることと、全く対照的であるとしている。

中国保健当局もまた、自国製ワクチンの効果の低さを公に認めている。香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は11日、中国・四川省成都市で開かれた全国ワクチン健康カンファレンスで高福・中国疾病予防統制センター所長の発言を引用して、「現存するワクチン効果が高くない部分を補完するため、別のワクチンを混合する案を検討している」と明かした。中国当局は現在まで、自国製ワクチンを接種した海外入国者に対しても、隔離を義務づけている。

韓国国内からの反発を受け、韓国・中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は17日、WHOから緊急承認を受けたワクチンが対象となり、シノファームシノバックが入った点を認めた。中国製ワクチンを接種した人の隔離免除については「一般観光客は隔離免除に該当しない」と線を引いた。

(編集・潤水)