米下院議員、中国当局の資産凍結求める法案提出 コロナ情報隠ぺい巡り

2021/06/22
更新: 2021/06/22

米下院のアン・ワグナー(Ann Wagner)議員はこのほど、中国当局が中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源をめぐって情報を隠ぺいしたとして、中国当局の米国内にある資産の没収・凍結を含む制裁措置を科する法案を議会に提出した。

共和党のワグナー議員は19日、米メディア「ワン・アメリカ・ニュース(OAN)」のインタビューで、法案の内容を明らかにした。議員は、中国共産党政権はウイルスに関する重要な情報を、意図的にミスリードし、わい曲し、隠ぺいしたと非難した。情報を公開していれば、パンデミックは避けられたはずだと主張した。

同議員は、中国当局の隠ぺい行為によって、2003年に中国国内でSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染者が急増したと指摘した。

「このため、2005年に中国当局は世界195カ国との間で法的拘束力を持つ国際条約を結んだ。この条約は、自国領域内で国際的な公衆衛生上の脅威となるあらゆる事象を24時間以内に世界保健機関(WHO)に報告すると定めた」

議員は、中国当局はこの国際保健規則(IHR)に違反したとの見方を示した。

同議員は14日、中国当局に制裁を科する「米国民のための補償法(Compensation for Americans Act、H.R. 3882)」を議会に出した。

ワグナー議員は下院外交委員会の筆頭副委員である。前回の第116議会でも同様の法案を提出した。しかし、民主党議員の反対で採決に至らなかった。

議員は15日に公開した声明の中で、「世界が協力して新型コロナウイルスの発生に対応すべき時、中国はあえて声を上げた科学者を黙らせた」と糾弾し、「中国当局が意図的で無謀な行動をとったために、新型コロナウイルスが蔓延し、世界中で何百万人もの人々が犠牲になった。彼らは責任を負わなければならない」とした。

また、法案が成立すれば、「中国当局にその腐敗した、不道徳で危険な行為に代償を払わせることができる」と強調した。

「米国民のための補償法」の主な措置は以下の通り。

賠償に関する中国当局との2国間協定の交渉を合意するまで、中国共産党の米国内の資産をすべて凍結する

新型コロナウイルスの感染拡大による米国民の損失を賠償するため、基金の設立を大統領に求める

世界貿易機関(WTO)における中国当局の「発展途上国」の資格を取り消す

中国当局の世界銀行から開発融資を獲得するための資格を取り消す

国連における中国当局への特別優遇措置を停止する

中国共産党の幹部やその関係者、家族、パンデミックで利益を得た中国の医療機器や医薬品のサプライヤー、米国の知的財産の窃盗に関与した中国企業に対して、制裁措置や渡航制限を行うよう大統領に求める

(翻訳編集・張哲)

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