2007年7月31日 ワシントンDCでウォール・ストリート・ジャーナルを読む女性(KAREN BLEIER/AFP via Getty Images)
<オピニオン>

中国はどうアメリカ人の考えを変えているのか

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アメリカの軍事・防衛費は年間およそ7000億ドル。一方、それより遥かに少ない費用で対米戦略を成功させているのが中国だ。中国は、アメリカのメディアを掌握すれば、人々の考えを変えられることを知っている。アメリカ人ジャーナリストの「良心」は買えなくても、十分なお金を使えば「好意」が得られることを、中国は熟知しているのだ。

保守系メディア「ナショナル・パルス」は昨年、中国共産党の宣伝を担当する少なくとも1つのグループが、アメリカのメディア50社から120人以上を選び、無料の視察旅行に招待していたことを明らかにした。その見返りはもちろん、中国共産党に関する好意的な報道である。記者たちは中国の主要都市で政府関係者と会い、文化遺跡や企業を視察しながら、「中国の様々な分野における発展」を見学するツアーに参加したという。

旅行を手配したのは、中国・米国交流基金会(CUSEF)である。米中安全保障検討委員会の調査報告書によると、CUSEFの設立者は初代香港行政長官の董慶華氏で、現在彼は「統一戦線」を管轄する中国人民政治協商会議(CPPCC)の副主席を務めている。

統一戦線の使命は、「中国共産党の政策と権威に反対する可能性のある者を抱き込み、無力化すること」。簡単に言うと、彼らは自由国家を味方につけるために働いている。

一体誰が旅行に参加したのか。CUSEFのニュースレターによると、2009年と2010年に、CNN、NYタイムズ、AP通信、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)、シカゴ・トリビューン、ヴォックス(Vox)を含む主要メディアの現職および元上級幹部、編集者、記者などが旅行に参加した。

視察旅行には少なくとも一人当たり数千ドルはかかると思われるが、中国にとっては安い投資である。2009年だけでも、中国に対する好意的な報道は少なくとも28件あった。CUSEFはニュースレターで、中国を称賛するシカゴ・トリビューンの記事の一部を誇らしげに紹介している。

この種の旅行は何年も続いている。2019年には同じPR会社が企画し、Vox、Slate、ボストン・ヘラルド、ボストン・グローブ、ハフィントン・ポストなどが中国へ招かれた。

アメリカはどこへ向かうのか?

中国の歴史には、未来へのヒントとなるエピソードがたくさん詰まっている。2000年以上前、秦は敵対する6つの国の高官や有力者を買収するため、30万単位の金(現在の貨幣価値で250万ドル)を費やした。この戦略により、秦はわずか10年で中国を統一し、6国の王や官吏は、ほとんどが追放されるか殺された。

現在、アメリカは軍事力という名の強靭な筋肉を備えている。しかし、貪欲と腐敗というウイルスが、この国を内側から蝕んでいる。私たち個人や企業が、中国共産党の金をはねつけるほどの道徳的価値観と気骨を持たない限り、この国は衰退の一途を辿るだろう。

(文・エポック・タイムズ ユー・ピンピン/翻訳編集・郭丹丹)