[ロンドン 12日 ロイター] – 複数の国連機関が12日に発表した報告書で、飢餓と栄養失調を巡る世界の状況が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を主因に劇的に悪化したことが分かった。
食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)などが共同でまとめた「世界の食料安全保障と栄養の現状」の2021年版によると、栄養失調状態にある人口は過去5年間にわたり実質的に横ばいだったが、20年は約7億6800万人とに19年比で約1億1800万人増加し、世界人口の10%まで膨らんだという。
栄養失調状態にある7億6800万人のうち、4億1800万人がアジア、2億8200万人がアフリカ、6000万人が中南米およびメキシコとカリブ海諸国。アフリカでは域内人口の21%が栄養失調で、これは他の地域の2倍以上とした。
報告書では「パンデミックによって生命と生活を脅かす食料システムの弱点が露呈し続けている」と警告した。
また、現在の傾向が続けば30年に飢餓状態にある人口は約6億6000万人に上ると推計。パンデミックが発生しなかった場合に比べて3000万人も多いとし、30年までに飢餓をゼロにするという国連の「持続可能な開発目標」が達成できないとした。
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