リトアニアが台湾代表処設置「互恵関係を築く決意ある」中国は反発して大使召還

2021/08/12
更新: 2021/08/12

リトアニア外務省は、中国政府が台湾代表機関の設置に反発して大使を本国召還することを発表したことに遺憾の意を表明した。また、台湾とは「EUや世界各国と同様に互恵関係を発展させる決意がある」と声明で述べた。

中国政府は10日、リトアニアが台湾代表機関(大使館に相当)の設置に強く反対している。中国外務省は「台湾」名義の代表処設置は、中国の主権と領土に対する侵害だと主張している。

台湾の頼清徳副総統は11日、「台湾とリトアニア、そしてEUとの強い連結は、平和と安定に対して前向きな展開だ。親台湾は反中国ではない。これはゼロサムゲームではない」と自身のツイッターで発信した。

リトアニアは5月、中国が主導する中国と中東欧17カ国の経済協力枠組みの首脳会議「17+1」から脱退した。また、7月には台湾に新型コロナワクチン2万回分を支援した。リトアニア議会は今年5月、中国政府の新疆にいるウイグル人に対する政策を「ジェノサイド」と認定する決議案を可決した。

リトアニアの一連の動きについて、台湾政治を専門とする小笠原欣幸氏はFacebookで、「リトアニア、チェコなどの国は中国と地政学的な関係はないが、中国に批判的で、台湾の民主体制に共感を示している」とコメントしている。

また、リトアニアの台湾接近の背後には「国民感情があるようだが、中国はこれを『外部勢力の陰謀』としか理解できない」と同氏は書き加えた。

英インディペンデント紙(The Independent)は「リトアニアはソビエト共産主義による辛い経験がある。民主主義に対して純粋な関心を持っている」と分析した。

(蘇文悦)