[ウィーン 17日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)の報告書から、イランがウラン濃縮度を兵器級に近い水準に引き上げていたことが分かった。ロイターが17日、同報告書を確認した。核合意再建に向けたイランと西側諸国の協議に影を落とす可能性がある。
イランは4月に中部ナタンズの核関連核施設で発生した電気系統の問題を受け操業に影響が出たことを受け、ウランの濃縮度を20%から60%に引き上げた。兵器級のウラン濃縮度は90%。
IAEAは5月、加盟国向けの機密文書で、ナタンズの核施設でのウランの最大濃縮度が公表している60%を上回る63%に達していたと指摘。IAEAのグロッシ事務局長も同月「60%の濃縮は非常に深刻な問題で、この水準に達しているのは(核)爆弾を製造している国だけだ。ほぼ兵器級で、商業用の濃縮は2─3%だ」と指摘していた。
また、IAEAは16日、イランが核兵器の中核部分に使用できるウラン金属の製造を巡る作業で進展したと報告していた。
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