[ハノイ 23日 ロイター] – ベトナム政府は23日、新型コロナウイルス流行の震源地となっている最大都市ホーチミン市で厳格なロックダウン(都市封鎖)を実施するため、軍隊を派遣した。
同国の累計の感染者は34万8000人、死者は少なくとも8277人。昨年の大半の期間は、感染が抑制されていたが、感染者は足元で過去最多を記録。感染者・死者の大半を占めるホーチミン市とその周辺の工業地帯では、4月下旬以降、デルタ株の流行で感染が急増している。
ベトナム政府は7月初旬にホーチミンに移動制限を導入したが、感染拡大に歯止めがかからず、制限措置の施行が不十分との見解を示していた。
政府は20日、今月23日からロックダウンを厳格化すると発表し、食料の購入も含めて外出を禁止、軍が市民を支援すると説明していた。
その後、計画は修正され、一部の地域では食料の買い出しが認められたが、その後一転して全面禁止となり、週末はパニックに陥った顧客でスーパーマーケットが混乱した。
目撃者によると、23日には兵士が市民に食料を届けており、国営メディアは、武装した兵士が検問所で書類をチェックする映像を流している。
保健省によると、ホーチミンの累計感染者は17万6000人、死者は6670人で、感染者は国内全体の50%、死者は80%を占めている。
政府は、医療体制の逼迫を緩和するため、ここ数週間で医師・看護師1万4600人をホーチミンと近隣の州に追加派遣。軽度か無症状の患者は自宅隔離を求められている。
ホーチミン市内の住民がロイターに明らかにしたところによると、兵士からはコメ、肉、魚、野菜が届けられた。
政府は20日、国家備蓄から13万トンのコメを放出し、ホーチミンなどに届ける方針を示した。
同国でワクチン接種を完了した人は、人口の1.8%にとどまっている。
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