[台北 30日 ロイター] – 台湾は30日、英語のニュースと動画を配信する新たなプラットフォーム「タイワンプラス」を始めた。世界の舞台での発言力を高め、中国が領有権を主張する台湾に対する「圧迫」 に立ち向かう狙いだ。
タイワンプラスは政府が7億7500万台湾ドル(2800万ドル)を拠出。ニュースを中心に、食から観光、文化、テクノロジーまで台湾についてオンラインで配信する。
台湾の蔡英文総統は首都台北の博物館で実施したパーティーでの録音メッセージで、台湾の多様性と民主主義の成果、国際社会への貢献を世界に向けて強調するためのプラットフォームが必要だと話した。
中国は英語メディアでの情報発信をますます活発化させており、中国共産党の見解を国外の視聴者に発信している。特に国営の英語ニュースメディア、中国国際テレビ(CGTN)で顕著な動きだ。こうした中でタイワンプラスが発足した。
中国はまた、国際社会での台湾の立場を圧迫している。外国企業に対してウェブサイトで台湾が中国の一部であると記載するように強制したり、台湾近くで定期的に軍事演習を実施したりしている。
台湾の立法院(議会)の游錫コン院長は「中国共産党は長期にわたり、台湾の国際社会での立場を圧迫してきた。中国が作り上げた台湾の誤ったイメージは、台湾が今直面する外交的な課題につながった」と指摘した。「ただここ数年、中国共産党に対する世界の見方が大きく変わった。中国の台頭に世界中の主要な民主国家が警鐘を鳴らしている」と話した。
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