中国人権問題 英文大紀元編集部社説

中国当局の報道の自由に対する弾圧を強く非難する 

2021/09/02
更新: 2021/09/02

中国共産党当局は、言論の自由を弾圧するために、厳格なロックダウン下の中国を記録し、その情報を大紀元に提供したとされる11人の中国人を逮捕・起訴した。

中国の最高人民検察院によると、11人は有罪になれば最高で終身刑になるという。

大紀元編集部は、報道の自由と基本的人権に対するこの弾圧を最も強い言葉で非難し、中国政府に11人の中国人を直ちに釈放するよう求めている。

8月27日、米国務省はこの逮捕を非難し、「真実を報道しようとする人々を黙らせることをやめるように」と北京に求めた。

非営利団体(NPO)のジャーナリスト保護委員会(CPJ)も今回の逮捕を非難し、中国当局に対し、11人の中国人を直ちに釈放し、訴訟を取り下げるよう求めている。

20年以上にわたり、中国の人々は、大紀元を信頼できるメディアと見なし、記事の手掛かり、画像、ビデオ、文書、その他の種類の情報を提供してきた。その中には、中国共産党に幻滅した幹部たちのインサイダー情報も含まれている。

これらの情報があるからこそ、私たちは中国で何が起こっているのかを世界に伝えることができた。

しかし、中国共産党はこの70年間、情報の流れを絶対的にコントロールし、規制することを権力維持の鍵としてきた。

このような情報封鎖やプロパガンダの欺瞞を打ち破るために、中国系アメリカ人は2000年にニューヨークで大紀元を設立した。私たちは、真実を報道する独立したメディアが社会に不可欠であると考えている。その4年後、この信念のもと、英文大紀元を立ち上げた。

中国語大紀元(epochtimes.com)は、何億人もの中国人読者に検閲されていない情報を提供しているが、中国共産党はこの自由な情報を止めようとしている。

大紀元草創期の記者と編集者は中国当局に逮捕された。なかには10年以上も投獄された者もおり、彼らのほとんどが拷問を受けた。

中国大陸以外では、スタッフは中国共産党からの定期的な嫌がらせや妨害に直面している。

例えば、香港では、2019年11月に印刷工場が放火され、2021年4月には印刷機器が侵入者にハンマーで叩き壊されるなど、中国共産党の工作員による攻撃が繰り返されている。

言論の自由のために戦った18世紀の法律家、アンドリュー・ハミルトン(Andrew Hamilton)氏は、1735年に報道の自由を守るために行った演説の中で、「権力は大河に喩えるのが妥当だろう。その範囲内に収まっている間は、美しくかつ有用であるが、土手から溢れ出すと、その勢いは止まるところを知らず、目の前のすべてを打ち砕く。どこに流れても、破壊と荒廃をもたらす」と語った。

私たちは、自由な世界では、報道の自由が社会の開放と健全性の維持に役立つと理解している。今日のように世界が繋がっている時代には、ある場所から発信されたニュースが世界の他の地域に大きな影響を与えることがある。

パンデミックで見られたように、中国で起こったことは中国だけでなく、世界全体に影響を与える可能性がある。

もし、武漢でのウイルスの拡散の速さや、感染症の死亡数や致死率が初期段階でわかっていれば(中国では情報が隠蔽されているため、実際の死者数は不明)、世界各国は国民の命と健康を守るためにより効果的な対策を講じていただろう。

欧米の報道機関の多くが中国共産党に買収され、浸透していることは周知の事実である。しかし、中国共産党の弾圧の前に立ち上がり、真実を伝えることは私たちの責任である。私たちは、より多くのメディアが中国共産党の脅しや誘惑に屈せず、正直に報道する勇気を持つことを願っている。これにより、中国の国内外で、嘘に騙されることなく、より多くの命が救われると信じている。

私たちがここにいるのは、命をかけて真実を伝えようとした11人の勇敢な中国人を守るためだけではない。また、報道の自由を守るためだけでもない。私たちは、人間の基本的な尊厳を守るために声を上げている。

中国の人々からの信頼と支援に心より感謝している。命がけで情報を提供した彼らの勇気ある行動は、大紀元の歴史の一部となっている。また、米国務省とジャーナリスト保護委員会の支援にも心より感謝している。

(翻訳・王君宜)

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