[ベルリン 23日 ロイター] – ドイツでメルケル首相の後継者を決めることになる26日の総選挙を前に、主要7政党の党首が23日、投票日前の最後のテレビ討論会で税制・財政や外交の問題を巡って意見をぶつけ合った。
FGWがZDFテレビ向けに行った世論調査では、ショルツ財務相率いる社会民主党(SPD)の支持率がこれまでと変わらずトップの25%だが、差は縮められている。首相候補としてラシェット氏を立てるキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)の保守連合が1ポイント上昇の23%とこれに迫る。緑の党が0.5ポイント上昇の16.5%、企業寄りの姿勢の自由民主党(FDP)が引き続き11%となっている。
2005年から首相の座にあるメルケル氏は政界を引退する方針。ただ選挙後、連立協議がまとまるまでは暫定的に職務にとどまる。
今回の90分の討論会では、党首間の応酬が激化する場面はほとんどなかった。ラシェット氏は「私は増税を望まない。財政ルールは守りたい」とし、FDPのリンドナー党首におおむね同調して見せた。リンドナー氏は「われわれの財政赤字は高水準で、欧州での借入額は非常に多く、物価上昇率は高い」と指摘。同氏は補助金は削減した方がいいとも述べ、電気自動車(EV)向けの補助金を例に挙げた。
一方ショルツ氏は投資の必要を強調。緑の党のベアブロック党首は、特に環境への十分な支出のために財政ルールを緩和する可能性があると述べた。
連立の選択肢についてはどの党首も言葉に慎重だったが、リンドナー氏は、FDPと保守連合の間でなら政策が重なる部分が最も大きいとの見解を示した。専門家によると、多数派形成という点では保守連合とFDPと緑の党が連立を組めばうまくいくかもしれないものの、その場合は少数政党側が大きな譲歩を迫られるだろうという。
ショルツ氏は、左派連立政権を組むことになったとしても、左派党(リンケ)が掲げる北大西洋条約機構(NATO)脱退のような過激な政策は受け入れないと明言、ドイツとNATO及び米国との協調や良好な関係は絶対条件だとした。
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