米陸軍の元ヘリ操縦士が、国家安全保障上の身元調査で虚偽の証言をしたとして起訴された。米司法省は、容疑者が防衛関連企業の機密プロジェクトに従事していた際、中国の情報機関とつながりのある中国人女性と繰り返し連絡を取り、現金を受け取っていたとしている。
5日付の司法省発表によると、カリフォルニア州サンディエゴに住むシャプール・モイニハン容疑者(66)は、元陸軍ヘリ操縦士で、退役後は防衛関連企業や米海軍で契約社員として働いていた。米軍やその同盟国が使用する高高度滞空型無人機など、多くのプロジェクトに携わっていた。
モイニハン容疑者は、2017年に求人サービスプラットフォーム上で、リクルーターを装った中国人女性に初めて接触した。ドイツとフランスでは、この方法は中国共産党の諜報機関が一般的に使う手口として公表している、と司法省は述べている。
検察の調べによると、モイニハン容疑者は2017~19年にかけて、中国をはじめ、香港、マカオ、バリ、台湾など世界各地に数回渡航し、中国人女性やその関係者と面会し、親族の韓国の銀行口座を通じて報酬を受け取っていた。
モイニハン容疑者は2018年、中国人女性らと海外での面会を終え帰国し、報酬を受け取った後、妨害活動やスパイ活動、外国への軍事情報販売に関連する情報をインターネットで検索したという。
訴状などによると、モイニハン容疑者は、複数の国家安全保障上のバックグラウンド調査で、「過去7年以内に外国人と密接または継続的に接触したことはなく、コンサルタントとしての仕事を依頼されたことも、外国人の雇用を検討したこともない」と虚偽の主張を行ったという。
モイニハン容疑者は1日に逮捕され、5日にサンディエゴの裁判所に出廷した。有罪になれば、罰金と最大5年の懲役を科せられる可能性がある。
逮捕された当時、モイニハン容疑者は韓国政府のために軍用機を製造する別の防衛関連企業に勤務しており、韓国への渡航を準備していたという。
FBIサンディエゴ支局のスザンヌ・ターナー主任捜査官は、司法省の声明で「この事件は、中国の諜報機関がソーシャルメディアを用いて、外国資産を標的にしたスパイ勧誘の手口や接近の方法を明確に示した。今回の逮捕は、外国人とのつながりを隠し、二重生活を送りたいと考えている人たちへの抑止力となるだろう」と述べている。
(翻訳編集・王君宜)
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