オーストラリア貿易相、22年末までにEUと貿易協定

2021/10/09
更新: 2021/10/09

[ローマ 8日 ロイター] – オーストラリアのテハン貿易相は8日のロイターとのインタビューで、フランスに対する潜水艦建造契約の破棄に欧州連合(EU)が憤っている中でも、EUとの自由貿易協定(FTA)を来年末までに最終合意するとの見通しを表明した。

フランス政府がインド太平洋政策の要と考えていた数十億ドル規模の契約をオーストラリアが破棄したのを受け、フランスと連帯してEUは10月12日に予定していた協議を11月に延期した。

20カ国・地域(G20)の会議のためイタリアに滞在しているテハン氏は協議の遅れを懸念しておらず、合意に達することが双方の利益になると訴えた。

最終合意の時期の見通しは「最終局面には時間がかかる可能性が高く、交渉を終えるのは来年末になるだろうと考えている」と語った。

潜水艦問題によるEUとオーストラリアの関係への悪影響は限定的との見方をし、パリで今週開かれた経済協力開発機構(OECD)の会合でEUの7人の閣僚と「とても良い協議ができた」と説明した。

一方、英グラスゴーで来月開催される気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を前に、オーストラリアが二酸化炭素(CO2)排出量削減に関する最新の目標を策定していないとの批判に反論。オーストラリアが発表した2050年までにCO2排出量を「できれば」実質ゼロにする計画は、野心的な目標を掲げながらも達成方法を十分に説明していない多くの国の計画よりも詳細だと主張した。

テハン氏は、農業補助金がCO2排出量に影響しているとG20と世界貿易機関(WTO)が指摘したことに関し、オーストラリアが後押ししたと言及。農業と土地利用はCO2排出量の25%を占めており、この問題に取り組まない限りパリ協定の目標を各国が達成することは不可能と認識しているとして「気候変動の抑制につながる問題に関し、わが国は行動を促す最前線にいる」と述べた。

Reuters