日本医学界 論文執筆時にコピペ…10人に1人=研究

2021/10/31
更新: 2021/10/31

兵庫医科大・森本武教授の研究グループは、日本の医学界における研究公正の意識と経験について、臨床研究を行った。結果によると、論文執筆時に他の論文の一部または全部の転載(コピーアンドペースト)したことことがある人は約11%であることがわかった。同研究は22日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表した。

同研究は昨年3月、4万5000人の医師をインターネット調査に招待し、最終的に質問表に記入した1100人をサンプルとした。

回答者の9割は、研究への誠実さ(research integrity)について学んだ経験があるにもかかわらず、約半分の55%の回答者しかその意識をしていないことも明らかになった。

研究結果によると、参加者の大半は研究への誠実さについて、「研究機関で必要とされる」(57%)、「機関審査委員会(IRB)の承認を得るために必要」(30%)などといった受動的な理由で学んでいたという。

文部科学省は2014年、新たな研究不正への対応ガイドラインを発表した。研究活動において、研究者個人および所属する研究機関が責任をもって不正行為の防止に力を入れるよう求めている。

蘇文悦
蘇文悦
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