[リスボン 27日 ロイター] – ポルトガル議会は27日、2022年度予算案を否決した。ポルトガルは中道左派・社会党を率いるコスタ首相のもとでこの6年間、政局が比較的安定していたが、予算案否決で解散総選挙につながる可能性がでてきた。
22年度予算案は、中間層の所得税減税、公共投資の拡大、赤字の対国内総生産(GDP)比率を2021年の4.3%から3.2%に下げるといった内容が盛り込まれている。
共産党と左翼ブロックは、コスタ政権が赤字縮小ばかりに力を入れていると指摘し、労働者保護措置の拡充や社会保障制度の改善、医療サービスへの投資拡大を要求。
コスタ首相は、同国がかつて財政危機に陥り国際支援を受けた経験から、国際社会の信頼を失墜させるリスクは冒せないと主張していた。
予算案の否決が必ずしも選挙を意味するわけではないが、レベロデソウザ大統領は25日、解散総選挙しか選択肢はないとの認識を示していた。
大統領が議会解散令を発出すると60日以内に選挙を実施しなければならない。
アナリストは、選挙で与野党の対立が解消できるわけでないと指摘した。
世論調査では、与党社会党の支持率が19年の選挙で勝利した時の36%とほぼ変わらず、社会民主党が約27%、左派政党は1桁で議席を失う見込み。
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