米国防総省でソフトウェア最高責任者を務めていたニコラス・シャラン氏(37)は10月28日、大紀元メディアグループの衛星放送「新唐人テレビ(NTDTV)」の特集番組「カピトル・レポート(Capitol Report)」の独占インタビューに応じ、中国共産党(以下、中共)は、人工知能兵器に多額の投資を行っており、米国が積極的に対応しなければ危険にさらされると警告した。
シャラン氏は、人工知能(AI)やサイバーセキュリティの分野では、中国が米国に取って代わろうとしていると考えている。
同氏によると、AI開発に関しては、研究の実用化のスピードが速ければ速いほど、AI能力を鍛えるためのデータを多く収集することができ、より高品質の製品を開発できる。そして、その効果は時間をかけて蓄積されていく。
シャラン氏は、米国に残された時間は非常に少ないと強調した。第一に、米国では利用可能なデータや利用されているデータが少ないこと、第二に、政府の非効率性や生産現場で持続的に展開するための能力が不足していることが挙げられる。中共の脅威と相まって、米国が積極的かつ真剣に取り組まなければならない問題であるという。
「ペンタゴンのAIリーダーが『AI兵器を持つべきではない』と言っているのをよく耳にする。一方、中国(共産党)は積極的に兵器に投資し、AI技術の活用に力を入れている」とシャラン氏は言う。
「アメリカが先にAIに投資しなければ、中国(共産党)もそうしないだろうと考えるのは愚かなことだ」
同氏は、米軍がAIと倫理に関する議論に参加することや、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)のパートナーと協力してこの問題に取り組むことを望まないのであれば、米軍は自国を危険にさらすことになると警告した。
「中国(共産党)は米国の競争相手ではなく、米国の敵なのだ。中国共産党の価値観は米国のそれとは相反するものであり、軍拡への巨額投資は相手国を脅かすことに止まらないだろう」とシャラン氏は語った。
「政府の官僚主義が足かせに」
シャラン氏は先月、米軍の防衛分野における技術革新の遅れに抗議し、国防総省を辞職した。彼は、政府部門はこの3年間で大きな進歩を遂げたが、国防総省の指導者たちは口先だけで行動が伴わないと指摘した。
シャラン氏は、米軍の技術革新のスピードが遅いのは、政府の官僚主義に関係していると考えている。
「問題を解決するために多くの時間を費やしてきたが、多くの場合、思うような結果が得られていない」と語った。
同氏は「私たちに必要なのは行動である。この危機を真剣に受け止め、15年後、20年後に中国(共産党)に対抗するチャンスを失わないために、空軍部隊の戦闘力を向上させるための具体的な行動を起こさなければならない」と危機感をあらわにした。
(翻訳編集・王君宜)
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