10月、長年にわたる米豪の同盟国としての提携関係を象徴する米国海兵隊(USMC)駐ダーウィン海兵ローテーション部隊(MRF-D)が10回目を数える年次展開を完了して、オーストラリアのノーザンテリトリーを後にした。
2021年はオーストラリア、ニュージーランド、米国の間で結ばれたANZUS条約(太平洋安全保障条約)締結70周年に当たることで、今年の展開では政府高官と軍幹部の訪問が行われた。
米豪は第一次世界大戦以前から提携関係にあり、その歴史は1907年から1909年にかけて太平洋から世界一周航海を行った米国海軍大西洋艦隊「グレート・ホワイト・フリート(GWF)」に遡る。
オーストラリア陸軍の北方司令部司令官を務めるマーカス・コンスタブル(Marcus Constable)大佐は、「オーストラリアにとって米国との同盟は最も重要な防衛関係である」とし、「この同盟はオーストラリアの安保の要であり、米豪は共に安全かつ包括的で回復力のあるインド太平洋の維持に尽力している。駐ダーウィン海兵ローテーション部隊は、ADF[オーストラリア国防軍]、米国海兵隊、ノーザンテリトリー政府間の緊密な協力関係を反映するものである」と述べている。
2021年の展開では、約2,200人の米国海兵隊員と水兵が人道支援、治安活動、高度な実弾演習を含む包括的な訓練に従事した。 「クロコダイル・レスポンス(Crocodile Response)」、「サザン・ジャッカルー(Southern Jackaroo)」、「ルーバイ(Loobye)」、「クーレンドン(Koolendong)」などの合同演習では、米国海兵隊とオーストラリア国防軍、および地域の提携軍隊との相互運用性が見事に実証された。
こうした訓練では地域の安定と安全を維持することを目的とした二国間の軍事力の強化および危機と緊急事態への対応の準備に継続的に焦点が当てられている。 駐ダーウィン海兵ローテーション部隊の指揮を執る米国海兵隊のデビッド・バニング(David Banning)大佐は、「非常に有能な同ローテーション部隊は、オーストラリア国防軍と協力して活動する態勢を整えている」とし、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック対策として必要な調整を行いながらも、同ローテーション部隊の展開を継続できることは、同盟関係の強靭性と米豪軍隊の規律の正しさを如実に示すものである」と話している。
米国海兵隊は米軍態勢イニシアチブにより確立された25年間の取り組みの一環として2022年に再びノーザンテリトリーに数ヵ月間駐留予定である。これには、オーストラリア空軍と米国空軍間のより強力な空軍協力プログラムも含まれることになる。
バニング大佐は、「来年の駐ダーウィン海兵ローテーション部隊の展開、そして継続的にオーストラリア国防軍との関係の深化およびインド太平洋地域の提携軍隊との関与を図る機会を楽しみにしている」と語っている。
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