[東京 5日 ロイター] – 政府の経済対策の目玉である現金給付について、自民・公明の与党が18歳以下に一律10万円を給付する案で調整に入ることがことが分かった。対象は約2000万人で、総額2兆円程度の予算規模となる見込み。複数の与党関係者が明らかにした。
公明党はマイナンバーカードの普及を加速するため、カード保有者を対象に3万円相当のポイント付与も提唱しており、これも与党内で議論する。
岸田文雄政権が掲げた現金給付をめぐっては、公明党が18歳以下一律給付を提唱する一方、自民党は「困っている方を対象とする方針」(山際大志郎経済再生相)と繰り返し発言し、どこで線を引くか議論が注目されていた。
複数の与党関係者によると、自民党の政策担当幹部の間で公明案に賛同意見が出ている。公明党の提唱するマイナカードのポイント付与にも前向きという。
公明党は週明け8日、政府に対し正式にこれらの支援策を申し入れる。公明党側からは「(現金給付は)バラマキではなく教育政策だ」(幹部)として強く採用を求める声が出ている。マイナポイント付与も「カード普及、デジタル化に資する」と期待する。
5日付の読売新聞朝刊は、政府・与党が18歳以下に10万円一律給付する方針を固めたと報じた。
鈴木俊一財務相は報道を受け、「具体的な対応策は経済対策の検討を進める中で、与党とも調整しながら今後決めていく」と述べた。ばらまきではないかとの指摘には「いろいろなお考えがあると思うが、財政規律のことは片時も脇に置かない」とし、引き続き2025年度の基礎的財政収支の黒字化を目指す考えを示した。
政府・与党は19日に経済対策を閣議決定し、12月6日めどに召集が見込まれる臨時国会で補正予算を審議、順調に行けば12月20日前後に補正予算が成立する日程を描いている。
現金給付は、安倍晋三政権時代の昨年4月にコロナ対策として全国民一律10万円の支給を決めたが、生活に余裕のある層にも行き渡り、貯蓄に回る分もあり、再度給付する場合には対象を限定する必要があると政府・与党内では認識されていた。
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