FBI、保護者を「テロ対策」で調査…内部告発で発覚 批判的人種理論などめぐり対立

2021/11/18
更新: 2021/11/18

下院司法委員会の共和党議員は16日、米連邦捜査局(FBI)が「テロ対策」を用いて批判的人種理論(CRT)などの教育に抗議する保護者を調査していると書簡で明らかにした。議員が公開した、FBIの内部告発者からの内部電子メールによれば、FBIによる保護者調査は全米レベルで実施していることが示唆された。

2021年11月17日、下院司法委員会(共和党)が明かしたFBI内部メール(@JudiciaryGOPより)

内部メールによれば、ガーランド司法長官の10月4日付のメモに従って、教育委員会のメンバーや教職員に対する保護者の「脅威」を監視して違法性を判断するよう、テロ対策に携わる捜査官に指示していた。

内部メールによれば、FBIによる保護者調査が全米レベルの計画であることを示唆する。テロ対策・刑事部門は「関連する(保護者の)脅迫を追跡するために『EDUOFFICIALS』という脅迫タグを作成した。タグ付けの目的は「脅威を全国レベルで把握し、全体像を包括的に分析して、あらゆるレベルの法執行機関と連携する機会を提供する」と書かれている。

ガーランド氏が10月の下院委員会で、FBIと司法省が教育委員会メンバーに対する保護者の脅威の調査に対して、「テロ対策を用いていない」と証言していた。

今回のメールによる告発を受けて、共和党議員は、ガーランド氏の証言内容と食い違うと批判。「故意に委員会を欺いた」と指摘した。

FBIは大紀元の取材に対し「FBIは連邦法に違反する可能性のある暴力や脅迫のみを取り締まる」とし、「抗議する保護者を調査したことはない」と疑惑を否定した。

米国では近年、学生に課せられた中共ウイルス(新型コロナウイルス)に関する規定や批判的人種理論をめぐる論争が激化している。批判的人種理論とは「人種的不平等や人種差別が、アメリカの法律や制度に組み込まれている」と主張するものだ。マルクス主義のフランクフルト学派による「批判理論」にルーツを持つ。学校教育でこの概念に触れるかどうかは、州や連邦レベルで問題になっている。

全米教育委員会協議会(NSBA)は9月、「保護者の凶悪な行為は国内テロやヘイトクライムに相当する可能性がある」と主張し、連邦機関に対して、米国愛国者法などテロリズムと戦うことを目的とした法律に基づき、問題に対処するよう求めていた。

米国をはじめ国際関係担当。