[ワシントン 18日 ロイター] – シンクタンクのグローバル開発センター(CGD)は18日、毎年約2000億ドルの補助金付き融資を貧困国に提供する開発銀行システムを巡り、中国の出資総額が660億ドル超となり、日本を抜いて第2位の出資国になったとする報告書を公表した。
報告書によると、中国は世界銀行や国連機関といった多国籍機構から融資などの支援を依然として受け取っている一方、有力な出資国としても台頭した。
報告書は中国について、国連開発計画(UNDP)など幅広い国連機関を巡り、全体として第5位の出資国になっていると指摘。主要な出資国、被援助国、国際機関の商業パートナーとしての役割が中国を「独特の影響力を持つ立場」に置いているとし、76のグローバル機関における中国の役割を詳細に検討した。
CGDのシニアフェロー、スコット・モリス氏は「発展途上国に融資する中国の『一帯一路』に対する関心が高いが、世界銀行といったグローバル機関での中国の強まる存在感に対する関心はかなり低い」と述べた。
また、こうした機関で中国の役割が拡大していることへの警戒感が米国を中心にここ数年強まっているが、同氏は「必ずしも警戒する必要はない」と指摘。「中国がシステムの内部で機能するほうが外部にいるよりも良いことだ」と語った。
出資増の一部は中国経済の規模拡大に基づいた自動的な拠出によるものだ。しかし、中国は世界銀行の低所得国融資部門である国際開発協会(IDA)に対するものも含め、自発的な拠出も増やしている。IDAに対しては現在、第6位の出資国となっている。
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