グリーンランド、中国企業の鉄鉱採掘ライセンス取消す 支払い期限守らず

2021/11/23
更新: 2021/11/23

北極圏の島国グリーンランド自治政府は11月22日、中国俊安グループ(General Nice)鉄鉱採掘ライセンスを取り消したと発表した。この決定は同国の資源を狙う中国企業にとって大きな痛手となりそうだ。

ロイター通信によると、中国の石炭・鉄鉱石輸入会社である俊安グループは、2015年に破産した前所有者のロンドン・マイニング社に代わって、グリーンランド西海岸にあるイスア鉄鉱を買収した。中国企業として初めてグリーンランドで採掘権を取得した。

グリーンランド政府は22日の声明で、俊安グループが期限内に保証金の支払いを完了しなかったため、採掘ライセンスを取り消したと発表した。ナサニエルセン資源相によると、同社は複数回、合意した最終支払期限を守らなかったという。

グリーンランド自治政府は11月9日にも、中国企業によるウランの採掘を禁止する法律を可決し、南部クベーンフェルド(Kuannersuit)でのレアアースの採掘も禁止した。採掘による環境汚染に地元住民が強く反発したためだ。

北極圏は戦略的に重要な地理的な位置を占めており、資源も豊富である。近年、中国政府は同地域に大きな関心を寄せている。2018年はじめ、中国政府は「中国の北極政策」を公表し、自国を「近北極国家」と定義した。北極圏開発を巨大経済圏構想「一帯一路」の一環と位置づけ、グリーンランドへの投資を強化した。

俊安グループは、2016年にグリーンランドの破棄した海軍基地を購入しようとしたが、デンマークの当時のラスムセン首相は、防衛と安全保障上の理由でこの申出を却下した。

2018年、中国の国有銀行と国有建設会社がグリーンランド政府に2箇所の空港を融資・建設すると提案したが、拒否された。

(翻訳編集・叶子静)