岸田文雄首相は10日の参院本会議の代表質問で、台湾は日本の「極めて重要なパートナー」であり、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入申請を歓迎すると述べた。中国の人権問題に省庁横断で取り組む考えも示した。日本維新の会の浅田均氏への答弁。
首相は台湾について「わが国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナー」と形容した。そのうえで、戦略的な観点などから、日本がTPPの議論を主導し、自由で公正な経済秩序を作るうえで積極的な役割を果たしたいと述べた。
いっぽう、中国の加入申請については「TPP11の高いレベルを完全に満たす用意があるのか見極める必要がある」と慎重な姿勢を示した。
首相は答弁のなかで、新疆ウイグル自治区と香港における人権弾圧について習近平国家主席に会談の場で提起したことを強調した。「普遍的価値が中国でも保障されることが重要だと考えている」と述べ、深刻な人権侵害に対しては米国と連携しつつ「省庁横断的に取り組む」考えを明らかにした。
人権問題を理由に欧米諸国が北京冬季五輪をボイコットしていることについては、外交的観点など「諸般の事情を総合的に勘案」したうえで、国益最優先で判断すると述べた。
また、民主主義サミットでは、バイデン米大統領からボイコットに関する要請はなかったという。
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