文化大革命の経験者「米国も同じ方向へ向かっている」=シー・バン・フリート氏インタビュー(2/2)

2021/12/14
更新: 2021/12/14

中国で文化大革命が始まった時、フリートさんは小学校1年生だった。混乱の学生時代を過ごし、他の若者たちと同様に農村へ送られ、過酷な労働も経験した。現在、アメリカに居住するフリートさんは、左派がアメリカ社会を蝕んでいると指摘する。

「人種差別主義者」と「反革命分子」の本質は同じ

フリートさんが経験した文化大革命は、アメリカのアンティファやBLM運動とどう似通っているのか。フリートさんは、両国の左派運動には共通点があると言う。

「(アメリカの)人々はとても恐れている…つまり、“人種差別主義者”というレッテルを警戒している。これは、中国で“反革命分子”と言われるのに等しいことだ」

文化大革命が吹き荒れた時代、「反革命分子」というレッテルを貼られるのは致命的だった。誰かを失脚させたければ、この烙印を押すのが手っ取り早い方法だった。一方、現在のアメリカで一番恐れられているのは、「人種差別主義者」というレッテルだ。

「アメリカでは“人種差別主義者”という帽子を、全ての人に被せることができる。中国では“歴史的な反革命分子”という言葉があるが、アメリカでは以前の発言や行動を理由に“人種差別主義者”と呼ばれたりする」

毛沢東は出身血統主義を導入し、地主や豪農の祖先を持つ人を「階級の敵」とみなした。一方、白人男性に生まれた人を“抑圧者”と見るアメリカの「批判的人種理論」も、本質的には同じであるとフリートさんは言う。

密告文化

文化大革命の時代、共産党は密告を奨励した。子が親を通報し、妻が夫を密告するケースも多かった。お互いに監視し合う密告文化は、共産主義の核心だ。現在、アメリカでは幼い子供たちがソーシャルメディアで親を人種差別主義者だと糾弾している。バイデン大統領は、過激な家族や友人を連邦政府へ報告するよう促している。なぜ左派はこのような文化を形成するのだろうか。

「恐怖だ。左派は人々に恐怖心を抱かせたいからだ。人々が恐怖を抱き、互いを監視するようになれば、基本的に人々はコントロールされてしまう」

フリートさんは、文化大革命の影響は現在にも及んでいると話す。誰に密告されるか分からないため、中国人は互いを信用していないという。

「人々は常に怯え、自己検閲をするようになる。人々が恐怖心を持ち続けるため、左派がコントロールできるのだ」

自由を大切にしてほしい

フリートさんが渡米した時は26歳だった。習慣や文化の違いに戸惑いながらも、自由に選択し、発言できる空気を謳歌した。しかし、今ではアメリカの象徴だった自由が徐々に失われつつある。

「米国で起きている現象は、決して真新しいことではない…私は中国でそれを実際に体験した。これを止めずに放っておけば、同じ結果が待っている」
文化大革命は、完全に社会を崩壊させた。彼女は、共産主義を経験した全ての移民に対して、声を挙げてほしいと呼びかける。

「私たちが守らなければ、この自由は消えてしまうかもしれない…これが最後のチャンスだ。私たちがこの国を救わなければ、私たちには行く場所がないのだから」

人々を目覚めさせるために、彼女は自由の大切さを訴え続けている。

(終わり)