中国不動産開発会社、中国奥園集団(以下、奥園)は19日、ドル建て債4本について支払いを実施しないと発表した。規模は日本円換算で約1239億円。同社は、すべての海外金融債務について「デフォルト(債務不履行)のイベントが今後起きる(または起きた)」と示した。
同社は声明で、20日に満期を迎える元本1億8000万ドル(約205億円)の社債と、23日が満期日である元本5億ドル(約569億円)の社債の償還と利払いを行わないと示した。
2023年6月と24年6月に満期を迎える他の2本の社債について、30日間の猶予期間が終了した後も、利払いを実施しないと同社は明らかにした。この2本の社債の元本残高は4億ドル(約456億円)。
奥園は、「流動性の状況を慎重に考え、全体の財務再建を待つ間、限られた手元資金をキープし、すべての債権者の公平性を維持するため」にデフォルトを判断したと説明。
中国メディア「21世紀経済報道」20日付は、市場関係者と投資家は奥園の発表に驚いたと示した。同紙は、20日と23日に満期を迎えるドル建て債の「買い入れ消却」をしなかった奥園は、流動性問題を抱える不動産会社の中で「(奥園の)このような態度とやり方は明らかに他の不動産会社と異なる」と、支払い日の直前にデフォルトを発表したことを批判した。
報道によると、流動性のひっ迫で、奥園の業績は引き続き低迷している。発表では、21年12月31日までの年間売上高は前年比約9%減の1210億3000万元(約2兆1736億円)だった。
奥園の関係者は、経済金融情報サイト「第一財経」の取材に対して、昨年10月に同業他社の花様年集団のデフォルトが報じられた後、奥園の債権者に返済の前倒しを次々と求められたと明かした。
同社は昨年11月14日、香港部門が保有する一部の資産を9億香港ドル(約132億円)で売却した。
(翻訳編集・張哲)
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