中国、リトアニアと台湾に複数のフェイクニュース 分断図るためか

2022/01/28
更新: 2022/01/28

台湾との関係を強化しているリトアニアに関するニセ情報が飛び交っている。台湾独立党派、基進党の陳子瑜氏は米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、中国は台湾とリトアニアの分断を図っていると分析した。

「高値でリトアニアのラム酒を販売」

台湾タバコ酒会社が買い取った、中国に通関拒否されたリトアニアのラム酒をめぐって、中国の政府系ウェブサイト「観察者網」は記事で、台湾で中国のネット通販価格の4倍に当たる600台湾ドル(約2500円)で販売されていると、台湾企業が価格をつり上げているかのように報じた。

同社や台湾当局は「ヨーロッパ、シンガポール、香港よりも安い」と反論した。「観察者網が安いと主張するリトアニア産ラム酒は産地が明示されておらず、比較の対象として妥当ではない」と示した。

出先機関の名称変更の報道もフェイクか

ロイター通信は25日、関係筋の話として、リトアニアのランズベルギス外相は、中国との関係を修復する手段として台湾の出先機関を「台湾代表処」から「台湾人代表処」に変更することを台湾側に提案したという。

台湾外務省の歐江安・報道官は26日の記者会見で、ロイターの報道は事実ではないと述べ、検証されていないまたは出所不明の情報を安易に発信しないよう求めた。

台湾民進党立法委員、蔡適応氏はRFAの取材に対して、「これは典型的な世論戦だ。調べればいずれも事実ではないことが判明する。無駄だ」と一蹴した。

台湾基進党の新聞部(広報部)の陳子瑜氏はRFAの取材に対して、中国は台湾とリトアニアの分断を図っていると分析した。台湾市民の「台湾政府とリトアニア政府に対する不信感を煽っている」という。

「リトアニアが北京五輪に最大規模の代表団」

中国の国営新華社通信はこのほど、「リトアニアは北京冬季五輪に、同国史上最大規模の代表団を派遣する」と報じ、リトアニア政府が北京五輪を外交的ボイコットしたことには触れなかった。

過去の冬季オリンピックにおけるリトアニアの参加人数は6人、9人と増え、今回は13人となった。

陳子瑜議員は、「規模に大きな変化はないが、史上最大規模と宣伝した」のは、中国政府が面子を保とうと必死になっていると分析した。リトアニアが中国を支持していると印象付けようとしているという。

リトアニアは昨年、従来の「台北」ではなく「台湾」を冠した出先機関の開設を認め、これに対して中国政府は強く反発している。リトアニアとの外交関係を格下げし、経済・貿易の圧力をかけている。

陳氏は、リトアニアが北京の圧力を押しのけることができれば、中国共産党の作戦は大きな障壁にぶち当たることになると述べた。

(翻訳編集・叶子静)