北京冬季五輪に参加する選手らに中国側がインストールを要求しているスマートフォンアプリをめぐり、セキュリティ上の懸念が浮上しているとして、政府は帰国後は速やかにアプリを削除するよう日本代表団に注意を呼びかけた。松野博一官房長官が3日、記者会見で明らかにした。
政府は中国共産党による監視や情報の抜き取りなどのセキュリティ問題に関する報道を認知していると踏まえたうえで、スポーツ庁や内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が、日本オリンピック委員会(JOC)と選手たちに注意喚起した。アプリの使用は必要最小限にとどめることや、アプリを導入する端末を別途用意すること、端末に違和感を覚えた場合はNISCなどに連絡することなどを通知したという。
北京五輪では中共ウイルス(新型コロナウイルス)対策として、参加者全員に健康管理アプリ「My 2022」の利用を義務付けている。身体情報の入手や不正アクセスなどセキュリティ上の欠陥があるとトロント大学の研究室「シチズン・ラボ」は指摘している。いっぽう、国際オリンピック委員会(IOC)は独立調査機関の報告として、アプリに深刻な問題はないとしている。
米連邦捜査局(FBI)レイ長官は1日、中国の情報機関を背景にしたハッカーが北京五輪を標的としてサイバー攻撃を仕掛ける可能性があるとして、米代表選手らに個人の携帯電話を持参しないよう呼びかけた。
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