北京冬季オリンピックで台湾代表の黃郁婷選手が中国代表チームの公式ユニフォームを着用したことについて、台湾の蘇貞昌・行政院長(首相)は21日、教育部と体育署に調査および適切な処分を行うよう指示した。
オリンピック開会前、台湾のスピードスケート女子代表の黃郁婷選手がインスタグラムに、中国代表チームの公式ユニフォームを着用した練習風景の写真を投稿し、物議を醸した。黄選手の開会式旗手の解任を求める声が噴出した。
オリンピック開会中、中国共産党機関紙・人民日報傘下の「環球時報」は、競技終了直後のリンク上で黄選手と中国の金京珠選手が手をつないでいる写真を掲載し、「台湾は中国の欠かせない領土である」とプロパガンダを展開した。
黃選手は自身のフェイスブックの投稿で、台湾のネットユーザーの批判に反論するコメントに下品とされる用語を使ったため、さらに炎上した。同選手は後に問題の投稿を削除してフェイスブックのファンページを閉鎖した。
冬季オリンピックに3回出場した黄選手は今大会で、女子スピードスケートの500m、1000m、1500mの競技に参加し、30人中それぞれ26位、24位、26位で終わった。
オリンピック終了後、蘇貞昌氏は教育部と体育署に対して、ユニフォーム問題について必要な調査と処分を行うよう指示したことを明らかにした。
潘文忠・教育部長は同日、メディアの取材に対し、黃選手の一連の言動は「国民感情を深く傷つけ、人々を失望させた」と苦言を呈した。
与党・民進党の立法委員(国会議員)の劉世芳氏は自身のフェイスブックへの投稿で、黃選手は中国政治宣伝の広告塔になって、台湾政府にピンタを食らわしたと非難した。
同じく民進党の立法委員の王定宇氏はインタビューの中で、「彼女は中国が好きなら移民すればよい」と切り捨てた。
(翻訳編集・叶子静)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。