専門家によると、ウクライナ侵攻前に中国共産党はロシアとの貿易取引の取引条件を変更していた。この動きは、中国共産党が侵攻計画を予見し、対露制裁の中でもロシアの商品を輸入できるよう抜け穴を作っていたことを示唆している。
サプライチェーンを通して地政学的変化を把握するフォルティス・アナリシスの創設者ロス・ケネディ氏は3日、大紀元の姉妹メディア新唐人テレビ(NTD)のインタビューに応じた。同氏によると、中国は昨年11〜12月頃から、ロシア産の穀物や石油、石油化学製品など貨物を、本船に積み込んだ時点で中国側が所有権を持つ「本船渡し条約(FOB)」に変更し輸入していたという。
FOBでは買い手の指定した船舶に荷物が積み込まれることで契約が完了する。荷物の費用負担や危険負担、保険料を買い手(輸入者)側が負う。取引のリスクを中国が取る方法だ。
なぜこのような方法を選ぶのか。ケネディ氏は「対露制裁により中国側がロシア製品を購入できなくなるのを恐れたためだ」と指摘。さらには「事前にウクライナに関するロシアの計画を中国側が認識していた」可能性があると述べた。
侵攻直前の2月15日、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)が発表した特別報告によれば、侵攻計画は1年以上前から綿密に組まれ、征服も視野に入れた複数の戦略が用意されていたという。
米国は侵攻前から中国共産党の高官と複数回会談し、ロシアの説得を依頼したが中国側は拒否した。その代わり、中国共産党は侵攻開始を北京五輪開幕後まで待つようロシアに要請していたという。米紙ニューヨーク・タイムズが2日付で報じた。
北京五輪が閉幕した翌日の2月21日、ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を一方的に承認。3日後の24日にロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が始まった。
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